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本音をぶっちゃけながらレビュー

1万円台で実用的! 8型 Windows 8.1 タブ「Diginnos DG-D08IW」はこう使う

2014年12月15日 08時00分更新

文● 高橋量

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バッテリーは8時間も保った!

 実際のバッテリー駆動時間については下記の条件でテストを行なったところ、開始から8時間7分でバッテリー残量が4%に達し、休止状態へ移行した。カタログ上の6.1時間よりもだいぶ長く駆動しており、結果としては十分だ。無線LAN経由でネットにアクセスし続ける負荷の高いテストでこれだけもつなら、通常の利用では丸1日問題なく利用できるに違いない。

  • バッテリー駆動時間テストの条件
  • 電源プランを「省電力」に設定
  • 無線LANとBluetoothをオンに設定
  • ボリュームは50%に設定
  • 液晶ディスプレーの明るさを40%に設定
  • 液晶ディスプレーの輝度調整機能を無効化
  • テストには「BBench」を使い、10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化

試用機のバッテリーレポート。「Connected Standby(InstantGo)」に対応していることがわかる

 Diginnos DG-D08IWを実際に試用してみたところ、システムのレスポンスは思っていた以上に良好で、特にストレスなく使うことができた。アプリの起動時やシステムのちょっとした操作でほんの一瞬の間があったが、全体的な操作感についてはまずまずだ。ブラウザーでのWeb閲覧もまったく問題なく、フルHDの動画もスムーズに再生された。普段使いのタブレットとしては十分な性能を備えていると言えるだろう。

YouTubeの動画はスムーズに再生できる。1080pの高画質動画の場合でも、CPUの使用率がわずかに上昇する程度で視聴には影響ない

Diginnos DG-D08IWはこう使う!

 Diginnos DG-D08IWの使う上で、一番のネックになると思われるのがストレージ容量だ。Cドライブには6GB弱の空き容量が残されているが、更新プログラムや各種ランタイムプログラムを適用することで、実際に利用できる容量はもっと少なくなるだろう。空き容量が極端に減るとパフォーマンスが低下することもあるので、ストレージはできるだけ空けておきたい。となると、利用できるソフトの種類や本数がおのずと限られてくる。たとえば文書作成用にOffice 365 Soloを導入するなると、3GBの空き容量が必要だ。

 そこで利用したいのが、データ保存用の外部ストレージだ。手段としてはmicroSDメモリーカードを使う方法と、無線LAN経由でネットワークストレージを使う方法がある。筆者としては写真や文書などの保存にはmicroSDカードを使い、音楽や動画にはネットワークストレージを利用するハイブリッドな運用をおすすめしたい。その理由は、それぞれのデータ転送速度の違いにある。

microSDカードを使って容量を補う(本文とは別のmicroSDカードです)

 まずはmicroSDXCカードのアクセス速度計測結果についてご覧いただこう。テストに使用したのはトランセンドの「TS64GUSDU1」だ。読み込み速度は最大45MB/秒と最速タイプではないものの、容量は64GBで価格が3000円台とコストパフォーマンスが高く、実際の運用に適している。このメモリーカードを使い「CrystalDiskMark」でアクセス速度を計測してみたところ、以下のような結果となった。

トランセンド製microSDXCカード(64GB)のアクセス速度計測結果

 前述した内蔵ストレージの結果と比べるとアクセス速度は遅いが、20~30MB以内のファイルをひとつ読み込むだけなら、それほど時間はかからない。その意味で、写真や文書のなら問題なく利用できるはずだ。

 ネットワークストレージを使う場合は、ローカルにしろクラウドにしろ、無線LANの転送速度が大きく影響してくる。Diginnos DG-D08IWで採用されているネットワークのアダプターは「Realtek RTL8723BS」で、最大の通信速度は150Mbpsだ。ただし混線に弱い2.4GHz帯の周波数を利用するため、実効速度はこれよりも低くなると思われる。実際に無線LANに接続してリンク速度を確認してみたところ、「72Mbps」と表示されていた。ストレージのアクセス速度と比較するために単位を揃えると、150Mbpsは18.75MB/秒、72Mbpsは9MB/秒に相当する。

2.4GHz帯の11nに接続したところ、リンク速度は72Mbpsだった

 なおリンク速度が72Mbpsと言っても、実際にその速度で通信が行なわれるわけではない。筆者の環境では周囲に無線LANのネットワークが多く、混線の影響から速度が低下しがちだ。リンク速度が72Mbpsの場合だと、経験的にはその半分である30~40Mbpsしか出ないことが多い。この速度をMB/秒に変換すると、アクセス速度は4MB/秒前後となる。もちろん環境によってはこれより速い場合もあるが、逆に集合住宅ではもっと遅くなる場合もある。

 スループットが最大で18.75MB/秒、実質で4MB/秒前後と考えると、大容量のファイルをやりとりするには少々厳しいと思えるだろう。だが動画や音楽のストリーミングには十分な速度である。そのため、容量が大きくなりがちなメディアファイルについては、ネットワークストレージからアクセスがおすすすめなのだ。このように、外部ストレージをうまく活用することで、Diginnos DG-D08IW最大の弱点であるストレージの容量不足は解決するだろう。

筆者の考える活用方法は2種類

 以上を踏まえた上で、2種類の活用法を提案したい。ひとつはメディア再生専用端末としての使い方だ。電子書籍やお気に入りの写真をmicroSDカードに入れて持ち歩いたり、メインのPCやネットワークストレージに保存した動画や録画番組をDLNAクライアントソフトで楽しむのに向いているだろう。PCでいつも使っているソフトを利用できる、あるいはファイルのやり取りが簡単という点で、Android端末やiOS端末に対するアドバンテージはある。

 2つ目は、ソフトのインストールが必要ないブラウザーゲーム用端末としての活用だ。iOSやAndroidでは、Flashコンテンツが公式にサポートされていない。たとえば「艦隊これくしょん ~艦これ~」。をプレーするなら、Windows端末が必要となる。試しにDiginnos DG-D08IWで艦これをプレーしてみたところ、マシンへの負荷もそれほど高くなく、快適にプレーすることができた。だがやや重めのUnity系ゲームではスクリプトの読み込みに時間がかかり、途中で停止してしまうものもあるようだ。

「艦これ」プレー中のシステムパフォーマンス。ほかのソフトを起動しながらプレーには少々厳しいが、ブラウザーだけの利用なら問題なくプレーできる

 そのほかの使い道として文書の作成を考えているなら、ブラウザーから使えるOffice Onlineを利用するといい。ソフトをインストールする有料版に比べて機能は制限されている上にネットワークに接続しないと利用できないが、ストレージ容量を使わずにすむだけでなく無料で使えるという大きなメリットがある。microHDMIで外付けディスプレーに接続すれば、大きな画面での作業が可能だ。ただしこの場合、キーボードは用意したほうがいいだろう。

microUSBハブがあると、さらに便利に

 またDiginnos DG-D08IWを使う上でぜひ用意しておきたいのが、USB変換アダプターかmicroUSBハブだ。これがあればUSBメモリーやマウス、プリンター、スキャナーなどのUSB機器が利用できるようになる。普段使っている周辺機器をそのまま利用できるのは、低価格Android端末にない強みだ。

microUSB-USB変換アダプターを使い、Diginnos DG-D08IWにUSBマウスを接続。

 筆者としては、Diginnos DG-D08IWは超初心者か上級者向けのタブレットだと考えている。超初心者というのは、メールやネットの閲覧が主体の人だ。これまでにWindowsを使っていたなら、比較的すんなりと操作に慣れるだろう。新たにAndroidやiOSの操作を覚えたくない、という層に向いているだろう。逆に上級者というのは、Webサービスや周辺機器を活用してあれこれイジれる人を指している。前述の活用例のように利用シーンをある程度限定するなら、Diginnos DG-D08IWは非常に便利に使えるタブレットだ。価格が非常に安いという点も、初心者がはじめて使うタブレットとしても、あるいは上級者向けの遊べるガジェットとしてもマッチしているだろう。

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