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11acルーターがほしい! 教えて中の人!! Atermマニアックス

2014年12月04日 11時00分更新

文● 高橋量

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11acの5GHz帯は混線しにくく、通信が高速で安定している

──最近は身の回りにWi-FiのSSIDが増えてきて、自分の親機が探しづらくなくなることもあります。自分が使っているSSIDをすぐに見つける方法はあるのでしょうか?

杉浦 自分のSSIDをわかりやすい名前に変えるのが、一番簡単な方法ですね。Atermシリーズの場合「aterm」の後に数字やアルファベットが並ぶんですけど、これをルーターの設定画面からほかの文字列に変えるんです。ニックネームなどがわかりやすいと思います。

 あとはデバイスによって違うこともあるんですが、SSIDの初めの文字に「A」や「1」を使うと先頭に表示される場合もあります。これはお使いのデバイスにより違いますので、実際に確認されてからお使いいただければと思います。

──周りでWi-Fiルーターを使っていると、通信速度が低下するということはありますか?

杉浦 現在のWi-Fiルーターでは2.4GHzと5GHzのふたつの周波数帯を使っているのですが、従来モデルに多い2.4GHz帯だけのWi-Fiルーターですと、通信が不安定になったり、速度が低下することもありえます。

 2.4GHz帯の周波数は、Wi-Fiルーター以外にも電子レンジやコードレスホンなどの家電製品でも使われているんですね。また、2.4GHzの周波数帯は、5GHzに比べて帯域幅が狭いという要因もあります。元から狭い所でたくさんの機器が使われているわけですから、どうしても電波が干渉しあって通信速度が低下してしまうというわけです。

 たとえばオフィス街でお昼休みにパソコンやスマートフォンを使おうとすると、全然ネットにつながらないことがありますよね。それでアクセスポイントを確認すると、ものすごい量のSSIDが表示されたりして(笑)。最近ではモバイルルーターを使われる方や公衆無線LANのサービスも多いので、どこへ行っても電波が干渉する可能性が高いのです。

Wi-Fiの電波使用状況を確認できる「inSSIDer」を、筆者の仕事場で利用したときの画像。写真左下側の2.4GHzを見るとSSIDが密集しているのに対し、写真右下側の5GHzはかなりの余裕があることがわかる

 それに比べて5GHzはまだ対応機器も少ないですし、帯域幅もそもそも広めです。そのぶん干渉しにくいので、通信が高速で安定しているんですね。ちなみに11acでは5GHz帯を使用しますので、従来の2.4GHzのような電波干渉は発生しにくくなっています。Atermの製品情報サイト「AtermStation」でも、5GHz帯を利用するメリットを分かりやすくご紹介しているので、ぜひご覧ください。

5GHz帯の中継対応で、離れた部屋でも高速・安定通信

──最新のフラグシップモデルである「AtermWG1800HP2」には、「Wi-Fi TVモード中継」という機能に対応しています。これはどのような機能なのでしょう?

杉浦 まず、Atermシリーズには「TVモード」と呼ばれる機能があります。これは簡単にいうと、5GHz帯を使ってテレビなどの動画でもストリーミングできれいに視聴するために用意した機能で、Atermシリーズならではといえるものです。

 たとえば、光回線のテレビサービスを使う場合、まず光回線終端装置(ONU)に親機となるWi-Fiルーター「AtermWG1800HP2」を接続してから、子機を液晶テレビにつなげます。2.4GHz帯の周波数だと混線の影響で映像が途切れたりしますが、5GHzの周波数を利用した「TVモード」なら映像がきれいで安定しているんですね。

 Wi-Fi TVモード中継機能とは、その名前通り「TVモード」による中継機能です。具体的に説明すると、親機と中継機、さらに中継機と子機という構成で、それぞれ5GHz帯でデータを通信できるようになっています。これによって、電波の届きにくい離れた場所でも、電波干渉が少なく安定した通信で快適に動画視聴を楽しめます。

「Wi-Fi TVモード中継機能」は、11ac対応フラグシップモデル「AtermWG1800HP2」で利用できる。もちろん、杉浦氏イチオシ

──どんな状況で使えばいいのでしょうか?

杉浦 親機と子機の間での通信状況が弱い場合ですね。ここに中継機を設置することで基本的な通信が強化されますので、通信がより安定します。中継機能自体は他社製品と組み合わせても利用できますが、Atermシリーズを使っていただければ、「TVモード」による中継で、より快適な通信が可能になります。

 またルーターは有線LANポートを搭載していますので、Wi-Fiに対応していない液晶テレビやレコーダー、あるいはゲーム機などでお使いいただくのにも便利ですよ。

──最後に、2014年の7月に従来の「NECアクセステクニカ」から「NECプラットフォームズ」へ社名を変更されましたよね? 「Aterm」のブランドについては引き続き使われると考えてもいいのでしょうか?

杉浦 もちろん、そのまま継続します。サポートについてもご心配されている方がいらっしゃるかと思うんですけど、サポート体制も変わりはありません。これまでどおり、安心してご利用いただければと思っております。

──会社が変わったことで新たに生まれた"強み"はありますか?

杉浦 今回はNECの開発および生産をになっていた国内のグループ会社が統合されたわけですが、それぞれいろんな技術を持っているんですよね。その技術を活かして新しいものを作っていこうと、全社一丸となって取り組んでいるところです。Atermシリーズについても、今までにない製品や新しい機能を実現できる可能性がありますので、ぜひ皆様にご期待いただきたいと思っています。

豊富なラインナップの「Aterm」シリーズで
今や主流の11ac対応Wi-Fiルーターを手に入れよう!

 現在、NECプラットフォームズからリリースされている11ac対応Wi-Fiルーターは全部で6種類。3×3 MIMOで最大1300Mbpsの高速通信に対応する「AtermWG1800HP2」を筆頭に、2×2対応で最大通信速度867Mbpsのミドルモデル「AtermWG1400HP」「AtermWF1200HP」、最大通信速度433Mbpsのエントリーモデル「AtermWF800HP」、出張先・旅行先のホテルでWi-Fi環境を構築できるポータブルルーター「W500P」など、通信速度や機能が異なるさまざまなモデルが用意されている。高速で安定したネットを楽しむためにも、今や主流となった11ac対応製品を選びたい。

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