2014年、豊作であったカテゴリーとして超小型PCがある。ASCII.jpでもNUCをはじめ、多くの超小型PCを紹介してきた。
超小型PCが増えた背景には、極端にTDPが低いCPUの登場が大きく、モバイルバッテリーで駆動するLIVAのインパクトを覚えている読者も多いだろう。
また低TDPだといっても意外とパワーがあるのも特長の1つになっており、軽い作業であれば十分OKというのも魅力だ。このあたりはWindowsタブレットを持っているのであれば、納得のいく部分だろう。

ZOTACの超小型PC「ZBOX pico」シリーズ
さて、超小型PCをNUCよりも先に展開していたZOTAC。同社のZBOXシリーズはコンパクトながら、ギリギリまでスペックを高めた製品が多い。その新手として登場したのがZBOX pico。ポケットサイズのコンパクトPCだ。
面積はiPhone 6以下
まずはサイズから。115.5×66×19.2mmとPCらしくないほどコンパクトである。面積だけでいえば、iPhone 6よりも小さく、置き場所についてはまず考える必要がない。
ファンレス構造であるため、排熱についてもそれほど意識する必要がないのもメリットの1つだろう。スペックは、CPUがAtom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz、クアッドコア)、メモリーがDDR3L-1333 2GBとなっており、Windowsタブレットからディスプレーを取っ払った状態だと思うと運用イメージはしやすくなるハズ。
後述するが、意外とパワーがあり、リビング用PCとしての実用度は高い。次にストレージだが、同製品には「ZBOX PI320 pico」と「ZBOX PI321 pico」の2種類があり、PI320は32GB、PI321は64GBとなっている。
なお、天板部は写真のように通電時にロゴが点灯する。安っぽく光るのではないため、けっこう見た目もいい。
インターフェースはそのサイズからすると充実している。USB 2.0×3、HDMI出力、microSDカードリーダー、ヘッドフォン端子、有線LAN(10/100BASE-T)。いずれもフルポートなので変換アダプターなどを用意する必要もない。
無線周りを見ると、802.11n Wi-Fi、Bluetooth 4.0。有線LANはギガビットイーサではないため、無線前提の運用になるだろうか。ただ映像コンテンツなどをNASからストリーミング再生するぶんには、有線LANで困ることはなかったため、設置環境次第になるというケースが多いと思われる。
筆者の場合であれば、あまりに設置しやすかったため、TVパネルの後ろ側にテープ止めして運用といったことにも対応してくれた。ここまでコンパクトだとそれもスペックのひとつだといえる。また付属品にはVESA75/100対応マウンターがあり、多くのPC用ディスプレーの背面にも設置可能だ。
→次のページヘ続く (各種ベンチマークで性能を探る)

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