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日本独自の進化を遂げた、新Office特集 第6回

本当にiPad版だけで仕事ができるのか!?

無料のiOS版「Microsoft Office」を使ってみた

2014年11月14日 09時00分更新

文● 外村克也(タトラエディット)

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データの再現性は完璧! フォントもOfficeと同じものが使える

 MicrosoftによるOfficeアプリということもあり、再現性は完璧。iOS版で利用できない機能や、プリセットされていないSmartArtについては、すでにデスクトップ版で作成されたものであれば、iPhoneやiPad上で表示したり、編集したりすることはできた。

 また、Office文書の再現性を高める際のキモとなるフォントについても、アプリに「MSゴシック」「MS明朝」といったレガシーな書体が入っていることもあって、バッチリ。「メイリオ」や欧文書体もOfficeに入っているものが同梱されているので、サードパーティー製のアプリにありがちな、特定のフォントの下半分が表示されずに読みにくくなるといったことも皆無だ。

文字の装飾などはデスクトップ版とほぼ同様のものが用意されている。フォントもOfficeに内蔵されているものがそのまま使えるので、iOSでの利用でもレイアウト崩れがまったくない。

 Excelにおいては、数式の入力がしやすくなるよう、専用のキーボードが用意されている。関数についてはリストから選択できるので、ソフトウェアキーボードでちまちまと入力する煩わしさも軽減されている。Appleの表計算アプリ『Numbers』でも同様の工夫がされていたが、iPhoneでは四則演算キーが表示されない。iOS版ではMicrosoft Excelのソフトウェアキーボードのほうが洗練されているし使いやすい。

Excelには、数値入力時に専用のソフトウェアテンキーが用意されている。関数の入力はメニューから選択するだけでオーケー。

Windowsタブレットに近い操作感で作業できる

 肝心な操作性については、Windows版のOffice 2013から採用されたタッチインターフェイスをうまくiOS向けに取り込んだ印象だ。基本的には編集フィールド上の細かいポイントをタッチすることを避け、リボンから機能を選ぶことで高度な編集も無理なくできるようになっている。

iPad版では、Office Onlineに似たリボンタイプのツールが画面上部に表示される。iPhoneでは、画面の下から、メニュー形式でツールを選択する。

 デスクトップ版のExcelでは、小さなセルを選択して、ドラッグ操作で連番入力するオートフィルなどの機能が、すばやくデータを作成する際に役立つ。そうした操作も、大きめに表示されたハンドルをタップして表示するメニューから、小さな画面でも快適に行える。とはいえ、広範囲を見渡しながらの操作はiPhone 5sなどの前世代端末では少々つらい。

左はデスクトップ版のExcel。タッチしたときのみ現れるミニメニューから、オートフィルなどの操作が行える。右はiOS版。セルの隅に表示されるハンドルをタップすると表示されるメニューから[フィル]を選択することで、オートフィル操作が可能だ。

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