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クロスプラットフォーム戦略を加速!Connect;での発表を詳細解説

.NETのオープンソース化、無償版VSなど攻めるマイクロソフト

2014年11月13日 11時55分更新

文● 塩田紳二

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無料でフル機能の「Visual Studio Community 2013」発表

 次に登場したのは、Developer担当のS・ソマシガー(S. Somasegar)副社長だ。同氏は、新しいVisual Studioについて具体的な説明を行なった。マイクロソフトのVisual Studioのビジョンとは、「すべてのアプリケーション」、「すべての開発者」に対応することだという。こうしてビジョンを説明したあと、具体的なデモに入った。

具体的なソフトウェアなどの説明を行なったのは、Developer担当のDeveloper担当のS・ソマシガー(S. Somasegar)副社長

 ソマシガー副社長は、Visual Studioは現在地上でもっとも広く使われている開発環境で、これをさまざまなコミュニティに利用してもらいたいとのことから、無料でフル機能を持つ「Visual Studio Commnunity 2013」を新しいエディションとして追加し、今すぐダウンロードできると発表した。

マイクロソフトのビジョンとは、すべてのアプリケーション、すべての開発者にソフトウェア開発環境を提供すること

 これは非商用アプリであれば無料、フル機能をもつVisual Studio 2013のSKUで、AndroidやiOSのアプリ開発、Windows、Linuxのサーバー開発にも対応したものだ。VS Community 2013からは、VS OnlineやAzureも利用可能だという。

 さらに、既存のVSユーザー向けに、「Visual Studio 2013 Update 4」を発表した。これは、マルチプラットフォームでの開発に対応したもので、実際には、前述のCommunity版は、このUpdate 4相当の機能を持つ。こちらも今日からダウンロード可能だという。

Visual Studio Community 2013は、非商用ならフリーでフル機能を持ち、マルチプラットフォームのクロス開発が可能な製品

 さらにソマセガー副社長は、次世代のVSとなるVisual Studio 2015のプレビューおよび、.NET 2015のパブリックプレビューが開始されることも発表した。

次世代となるVisual Studio 2015は、モバイルやクラウドの開発およびDevOps(開発と運用を合わせたソフトウェアの開発サイクル管理)などが特徴

 .NET 2015は、これまで個別にバージョン管理されてきたASP.NETや.NET Framework、CLRなどをまとめて、1つのグループとして扱うもの。.NET 2015には、ASP.NET 5と.NET Framework 4.6が含まれる。一種のベースラインとなり、.NET 2015という呼び方をすれば、.NET Frameworkならば4.6であることが確定する。これまで.NETという表記は、過去のものをふくめて、すべての.NET関連の製品を含んでいたが、年号付きの名称を作ることで、一定のバージョンが指定できることになる。

 その後、マルチプラットフォーム対応に関して、C#、C++、HTML5+JavaScriptのそれぞれでの対応方法とデモを行った。まずC#は、Xamarineと提携し、AndroidとiOSはmono(Xamarin)を使って動作させる。Windos Phoneは、Universal Windows Appsで動作させることが現在でも可能だ。これに対してC++では、ARMプロセッサを含むさまざまなプラットフォーム向けのコード出力を可能にし、HTML5+JavaScriptは、Visual Studio Tools for Apache Cordovaを使い、AndroidとiOS用アプリを生成するという。

C#では、Xamarinを使い、AndroidとiOSをターゲットにしたアプリを開発可能にする

C++では、ARMコードを含む各種のプラットフォーム向けのバイナリ出力に対応

HTML5+JavaScriptによるアプリ開発では、ブラウザベースのアプリをApache Cordovaを使ってAndroid、iOS用のアプリに変換する

(次ページ、怒濤の発表で開発者を魅了するマイクロソフトの新戦略)


 

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