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王者ヤフー減益の影で「検索排除」進めるグノシー

2014年11月12日 07時00分更新

盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 「検索のフローを排除し、商品とダイレクトにつながる世界観を実現したい」

 ニュースアプリ・グノシー取締役の竹谷祐哉氏は10日、同社が目指す姿をそう説明した。

 同社代表取締役、福島良典CEOが明かした創業3年目の事業戦略は「グノシー5000万人都市構想」だ。グノシーを都市(プラットホーム)として、au、エブリスタ、DeNAトラべル、radikoなどニュースメディア以外のパートナー企業を抱え、漫画や旅行予約、インターネットラジオなどの機能を加える。

 従来のニュース事業からプラットホーム事業に舵を切る形だ。目標としては来年までに2000万ダウンロード、提携企業500社、プラットホームを通じた予約購入(コンバージョン)件数にして月間25万件を目指す。

 「たとえばグノシーで『こんなところに行ってみたい京都の名所10選』という記事を読んだとする。次にどう行動するかというと、思い出したとき検索アプリを立ち上げて『京都 旅行』と入力する、旅行代理店で京都旅行のプランを探す。それは本当に必要なのか。グノシー内で簡単に旅行プランの比較や相談ができるプラットホームを考えている」(福島CEO)

 グノシーは200の提携メディアを抱え、ダウンロード数は700万件。ユーザーのアクティブ率は、1日の利用者数を月間利用者数で割った値にして46%。半数のメディアに月間100万PVの送客効果を強みとする。

 記事からの広告効果には自信を見せる。広告を通じた購入や予約件数は100万件以上にのぼり、広告を通じて「500~1000億円ほどの経済活動が生まれていてもおかしくない」と福島CEOは胸を張る。

 グノシーは十数億円規模でテレビ広告を打つなどプロモーションに力を入れ、月間ダウンロード数を4月から10月までの半年間で50万から100万に倍増させた。しかしニュースだけでは規模に限界がある。2000万人が見えた段階で事業領域の拡大を考えたという。

 パソコン時代はグーグルやヤフーのような検索メディアがインターネット広告の中心だったが、スマートフォンでは利用者がウェブブラウザーからアプリに移っている。グノシーはニュースから始まる情報キュレーションメディアとして、スマートフォンならではの「検索エンジン以降」の市場を狙う。

 ヤフーは先月29日に発表した2014年9月の中間連結決算において、上場以来初となる減益を見込んでいる。同社プラットホーム上で展開する通販サービス「ヤフーショッピング」の無料化が響いた形だ。

 ヤフーでは現在事業のスマートフォンシフトを進めており、同社決算説明会資料によれば「Yahoo!ニュース」アプリは月間訪問者数でグノシーやスマートニュースを相手に「圧倒的な強さ」を見せているという。

 パソコン時代から積み重ねたサービスで大量の顧客を抱えるヤフーに対し、新興グノシーはスマホ時代の新規顧客を武器に戦うことになる。コミュニケーションツールのLINEも参入し、モバイルプラットホームは戦国時代の様相だ。検索を頂点とするウェブのエコシステムは果たして塗り変えられるのか。


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