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変革を続ける30年目のデルを追う第2回

世界初の5k×2kディスプレイや新タブレットも披露

次世代の「Smart Desk」披露!PCは死んでないと語るデル

2014年11月10日 13時00分更新

文● 末岡洋子

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タブレットの登場により”PCは死んだ”という声すら聞こえたPC市場だが、水面下で革新に向けた開発が進んでいるようだ。デルも11月初めに開いた自社イベント「Dell World 2014」で、「Smart Desk」コンセプトを発表した。商用化などの計画は未定だが、久しぶりにPC市場がユーザーに新しさを感じさせることができるのかが注目される。

新規顧客の開拓という意味でも重要なPC事業

 Dell Worldの2日目となる11月5日、デルのクライアントソリューションズを統括するジェフ・クラーク(Jeff Clarke)氏はPCをはじめとしたクライアント事業の経過や戦略を説明した。PC事業は、”エンドツーエンド”のソリューションベンダーを掲げるデルにとって、”エンド”の1つとなるまさに重要な分野。今後も投資を続ける方針だとクラーク氏は強調した。

Dellでクライアント事業を統括するバイスチェアマン兼グローバルオペレーションおよびEUCソシューション担当バイスプレジデントのジェフ・クラーク氏

 その成果は出ており、「デルのPCは7四半期連続で前年同期比で成長している」とClarke氏は胸を張る。これはこの10年でもっとも長い成長スパン。「PCはさまざまな仕事が行なわれる基本となる端末」とクラーク氏は語るが、デルがPCを重視する理由はほかにもある。新規顧客の3社中2社がPCが入り口となり、その後のビジネスにつながっているのだ。PCは新規顧客の獲得という意味でも要といえる。

 クラーク氏が率いるクライアント部門にはPCのほか、タブレット、ワークステーション、シンクライアント、ディスプレイなども含む。第3四半期は、約11%で成長したPCだけでなく、ワークステーションも15.5%の成長を遂げたという。シンクライアントは16.6%成長した。

 タブレットでは会期中、「Venue 11 Pro 7000」を発表した。ディスプレイではUltra HD 5K解像度(5120×2880)を持つ「UltraSharp 27 Monitor」を発表した。QHD解像度の4倍、フルHDの7倍となり、「世界初の5k×2kディスプレイ」とクラーク氏。価格は2000ドル以下で、12月中に販売を開始する。ヘルスケアやアニメーションなどのクリエイター向けと位置づけるが、3ケ月で値下げした4kと同様、価格を下げていくという。

手前が「Venue 11 Pro 7000」(キーボード装着)、後ろが「UltraSharp 27 Monitor」

ソフトウェア技術でセキュリティや管理に付加価値を

 クラーク氏は次に、デルのこの1年の取り組みを紹介した。デルは主として買収によりソフトウェア技術を獲得しており、PCではこれを活かしてデルの持つソフトウェア技術を事前インストールして提供している。具体的には認証、暗号化、マルウェア対策の3つとなり、「この3つのセキュリティ手段を提供するのはデルだけ」とクラーク氏は言う。この分野は380%増で成長をしているという。セキュリティソフトの無償提供はタブレットなどにも拡大していく。

 このほか、約1年半前に開始した「Smart Selection」も紹介した。約20億件の顧客コンタクト情報から最も人気の高いコンフィギュレーションを割り出し、在庫準備しておくことですぐに手元に届くようにするというものだ。現在、法人顧客の50%がSmart Selectionを選択しており、出荷台数は1600万台に到達したという。これに保守が加わる。デルのWebサイトで提供するセルフサービスサポートを利用して、法人顧客の95%がコールセンターに電話をすることなく問題を解決しているという。

 クラーク氏はセキュリティと管理を統合するものとして、さまざまなデルのソフトウェアを1つのツールスイートにまとめる「Dell Software Suite」も発表した。KACEの管理機能とSonicWallのネットワークセキュリティなどを1つのツールセットで利用できるものとなる。

新コンセプト「Smard Desk」の動画を披露

 クラーク氏はこれら既存事業に触れた後、「もっと自然に作業ができないか、新しい方法で整理できないかと考えた」結果として「Smart Desk」コンセプトをおさめた動画を披露した。同社のエンジニアとアーキテクチャチームが開発を続けている新しいデスクトップだ。

新コンセプト「Smart Desk」の動画

 従来のディスプレイのような表示用画面、水平に置いて作業する作業用画面の2画面を持ち、それぞれタッチやスタイラスでインタラクティブに入力できる。”The desktop regimagined(デスクトップを再考する)”とサブタイトルを持つ動画からは、ピンチングやスワイプといったジェスチャーはもちろん、ソフトキーボードで入力したり、オンスクリーンのダイアルを回すなどして操作する様子が移されていた。ダイアル操作でGoogle Mapsのストリートビューを360度表示したり、仮想DJミキサーで音楽編集するなど、クリエイターやグラフィックを利用する開発者をターゲットとしているようだ。

2画面を使うSmart Deskの動作

ソフトキーボードでの入力

 現在、Smart Deskはコンセプトであり、Clarke氏は商用化の計画については明かさなかった。一方、ライバルとなるヒューレット・パッカード(HP)は米国でSproutの販売を開始している。

 そのHPについて、「(PCとプリンターのHP、エンタープライズのHP Enterprise)分社化をどう思うか」という記者の問いに対し、クラーク氏は「われわれは自分たちの顧客とパートナーにフォーカスしている。これまでの取り組みはちゃんと成果を上げており、継続していく」とコメントを避けた。一方で、「デルの戦略のキーとなるのは、PCとデータセンターの両方の“エンド”を持っていること。どちらかの”エンド”なしに、どうやってエンドツーエンドソリューションを提供できるのか?」とライバルをやんわり批判した。

 シェアを伸ばしているMacについては、「ビジネスでも利用されており、競合している」と認める。「Macの法人分野でのオファーは競争力がある。だがわれわれは解像度、セキュリティ、管理性、性能などで優れている製品を提供している」と自信を見せた。

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