意外と入力しやすいQWERTYキーボードが魅力のTERRAIN
筆者的には、両者にはそれぞれほんの少しの不満はあるが、今年の大みそかはiPhone 6 PlusとEdgeの2台のスマホで過ごそうと思った。しかしそんな時に、知人の秋葉原のお店に再入荷するという人気のハードウェアキーボード付きスマホが気になってしまった。
3台目に衝動買いしてしまったスマホは、少し前に発表されたNECの海外版タフネス仕様スマホのTERRAIN。最近のスマホには珍しいズングリムックリ型で手のひらで握った感覚は存在感があってどこか懐かしくたくましい。
サイズは幅64.5×奥行14.5×高さ127.5mm。流行のスマホイメージとは違い、面サイズの割に厚さのあるずんぐりした印象だ。
何と言っても最大の特徴は、液晶画面上のソフトウェアキーボードじゃない存在感のあるハードウェアのQWERTYキーボードの搭載だ。
キートップは往年のHP100LXのような多少角ばった豆腐型ではなく、表現は悪いが、不良品で発熱して膨らんでしまったケータイ用の四角い中国製充電池のような形状をしている。
不思議なことに、上下左右隣同士のキートップが100%接している配置にも関わらず、これが極めて入力しやすいのだ。タフ構造ケータイであるので、バッテリーの背面カバーもUSBポートもイヤフォンポートもすべてゴム製のガスケットで防水対応してある。
海外ではPTT(Push To Talk機能:ボイスチャット)起動用のConvenience Keyとして設置されている側面のボタンスイッチも、ユーザーが自由に、お気に入りの任意のアプリを起動するスイッチとして使えるのでなかなか便利。筆者はFacebook Messengerアプリを起動するように割り当てて重宝している。
TERRAINはNECのプロダクトではあるが、日本国内では販売されていないSIMフリー端末だ。初期設定状態では日本語には対応していないが、AndroidのPlayストアから「More Locale 2」(言語設定アプリ)をダウンロード導入し、日本語を選択するだけで、日本語表示が可能となる。
残念ながら表示フォントは俗にいう“中華フォント”という、実際の日本語漢字とは一部が異なる漢字が表示される。細かなことは気にしない筆者は中華フォントのまま使用しているが、どうしてもこれに我慢ができないユーザーは、フォントの入れ替え方法がウェブ上に公開されている。
あとは、かな漢字ソフトを導入すれば日本語文字の入力も可能となり、メール発信やスケジュール入力などの入力作業では極めて便利なスマホとなる。筆者はほかのAndroidスマホでも利用している「ATOK for Android」を導入した。
実測キーピッチ約5.5mmで、実際に文字が入力できるのか半信半疑の方も多いだろうが、想像以上に入力作業は快適なのだ。
TERRAINの大きな問題点は、外部メモリーのSDメモリーカードを別にして、その本体側のストレージサイズだろう、昨今のAndroidスマホとしては極めて少なく、システムメモリーのサイズはたったの787MBしかない。
使わない不要なアプリなどを削除して、同時に日常使いのアプリなどを導入すると、筆者の場合、残りのフリーメモリーは230MB前後しか残らなかった。ここでも太古のHP100LXを彷彿とさせる。
3つ組み合わせればスマホの理想的な姿に!
3台のスマホのうちのいずれか1台を実際に毎日一度は使ってみると、それぞれのよさが明確に見えてくる。
しかし、どうしてもすべてを1台のスマホでこなしたいなら、できる限り高性能で視認性が高く、コンパクトで邪魔にならないスタイリッシュなものを選ぶしか道はない。しかし、スマホメーカー各社がしのぎを削り、最新技術を投入し開発した気合入りの商品の中からずっと使い続けていけるたった1台を選ぶことはなかなか難しい。
そういう意味で、筆者がたどり着いたiPhone 6 Plus+GALAXY Note Edge+TERRAINという組み合わせ活用は、ある面、3つ足してTPOに応じたスマホの理想的な姿を具現化した使い方だと思っている。
できることなら、同じ電話番号で使えるSIMを何枚でもユーザが購入できる便利な新サービスの誕生か、安定性と接続可能度の極めて高いWi-Fiを十二分に活用できるIP電話の登場を待ちたい。
あるいは音声電話がこの社会から消えてなくなってもいいが、それは今の社会環境ではまだまだ望み薄かもしれない。
今回の衝動買い
アイテム:iPhone 6 Plus/GALAXY Note Edge/TERRAIN
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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