このページの本文へ

よくわかるExpress5800!第2弾は企業にもオススメな省エネサーバー

省電力と高密度を追求!使い勝手もグッドなECO CENTER

2014年11月26日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「Express5800シリーズ」のこだわりを紹介するコーナーの第2弾は、データセンター向けのECO CENTERだ。省エネを追求し続けたECO CENTERのコンセプトと最新製品の魅力についてNECの神田紗里氏に聞いた。

ハーフラックやノート向けCPUの採用など尖り続けたECO CENTER

 NECがデータセンター専用のサーバーを展開し始めたのが、今から約10年前の2005年にさかのぼる。神田紗里氏は「データセンターが増えてきた中、とにかくラックに多くのサーバーを集約したいという声がありました。こうしたニーズに合わせて、データセンター専用サーバーが生まれたんです」と語る。

NEC プラットフォームビジネス本部 プラットフォーム 商品企画グループ 神田紗里氏

 こうしたサーバー集約の先には、当然ながら省エネというテーマがあった。当時のデータセンターは、ラックあたりの電力供給量が今ほど高くなかったため、特に都市型データセンターでは、集積密度に限界があった。少ない電力供給量で、どれだけ多くの物理サーバーを載せられるか? なかでも、このテーマを追求した象徴的なモデルが、2008年に発表された初代「ECO CENTER」だった。初代のECO CENTERでは、当時の標準的なサーバーに比べ、待機時で71%、高負荷時52%の電力削減を実現し、以降の省エネサーバーの先駆けとなった。

 その後も、NECではサーバーのCPUとしては利用実績の少ないAtomプロセッサーを採用した「Express5800/E110b-M」をはじめ、バッテリ内蔵サーバーなどのユニークな省エネサーバーを出し続けてきた。「商品企画と開発のメンバーがお客様のところに何度も足を運び、電力コストや設置スペースの問題、物理サーバーから仮想化・VPS、クラウドへのサービスのシフトなど、さまざまな課題やご要望をお伺いしてきました」(神田氏)。こうした顧客のフィードバックや市場調査などを大きく反映したのが、エッジの効いたECO CENTERの個性といえる。

 こうした省エネへのチャレンジをDNAとして持つECO CENTERの最新モデルが、2014年9月に発表された「Express5800/E120f-M」になる。E120f-Mはシャーシに4枚のサーバーモジュールを搭載できるいわゆる「4コイチ」サーバーの2代目。最新のインテルXeonプロセッサーE5-2600 v3製品ファミリーを採用し、データセンター事業者だけではなく、エンタープライズでの利用も考慮した使い勝手が売りだ。

9月に発表された最新モデル「Express5800/E120f-M」

ポイント1 とにかく省電力

 こうした開発経緯を持つECO CENTERの最大の特徴はやはり省電力なこと。インテルのCPUの中でも特に省電力効率の高いものを選定すると共に、チップセットやメモリなど部品レベルで省エネを追求。また、高効率電源を採用するほか、サーバー内部の冷却機構を徹底的に最適化し、無駄な電力を消費しない工夫を積み上げることで、汎用サーバーに比べて高い省電力化を実現した。

 近年はサーバー単体の省電力から、ファシリティを含めた省電力にテーマが移っているが、ECO CENTERもこの流れを受けた進化を続けている。データセンター全体の省電力化を考え、複数のサーバーで電源の共用を図るユニット「EcoPowerGateway」や電力変換効率の高い直流給電(HVDC:High-Voltage Direct Current)への対応などはその最たる例。また、データセンターでの冷却コストを押さえるべく、40℃での動作保証もいち早く対応した。

ポイント2 高い集約密度

 2つ目のポイントはやはり集積密度だ。仮想化を前提にラックにどれだけ多くのサーバーを集約できるかは、データセンター事業者のサービスのまさにコアに当たる部分で、電力コストの問題と表裏一体だ。

 こうした集積密度というニーズに対応すべく、NECではラックの前後で2台を搭載できるハーフサーバーや、40Uラック相当のキャビネットに最大512コア、64サーバーモジュールを搭載した初代のECO CENTERを提供してきた。

斬新な形状を採用したハーフサーバー

 最新の「4コイチ」サーバーのE120f-Mでのチャレンジは集約密度を変えずにI/Oを強化することだったという。神田氏は、「マザーボード上の部品配置を何度も検討し直した結果、LANインターフェイスを従来の2倍の4つに拡大しています」と語る。

ポイント3 ラックサーバーのような使い勝手

 データセンター事業者を対象にしてきたこともあり、従来のECO CENTERはハーフサーバーやモジュラーサーバーなど特殊な形状なものが多かった。しかし、一般企業がサーバールームとしてデータセンターを利用するようになると、より汎用性の高いラックサーバーに近い使い勝手や保守性が求められるようになってきた。

 こうした流れを受け、最近はECO CENTERもより一般企業のエンジニアでも運用しやすい形状に変化しつつある。「他社のモジュラーサーバーは背面から挿入しますが、NECのモジュラーサーバーは前面から挿入できます。これは通常のラックサーバーと同じ運用をしたいというお客様の声を受けています」と神田氏は語る。また、ノード間で冷却ファンを共有しないため、1つのサーバーノードを外しても安定したエアフローが得られ、可用性も高められるという。

ラックサーバーと同じく前面保守が可能なExpress5800/E120f-M

エンタープライズの利用にも最適なECO CENTER

 登場当初から省電力を追求してきたECO CENTERだが、現在ではNECのサーバーラインナップ全部がすでに「エコ化」している。前述した高効率電源の採用や40℃対応はすでに当たり前となり、エンタープライズやスモールビジネスのユーザーでもその恩恵を受けられるようになった。先進的なチャレンジで得たノウハウを、より汎用サーバーに裾野を拡げていくという開発サイクルの中、ECO CENTERはこの10年大きな役割を果たしてきたわけだ。

 そして省電力性と使い勝手を重視しながら、高い汎用性を持った新モデルも、多くのユーザーにアピールしそうだ。神田氏は、「サーバーの集約密度を高めたいデータセンター事業者様はもちろん、企業でのプライベートクラウド構築、あるいはビッグデータのような演算能力が必要な用途にもお使いいただけます」と語る。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ