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検索キーワード選び・調査に役立つツール・サービス集 (2014)

2014年10月31日 08時47分更新

記事提供:SEMリサーチ

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検索キーワード選び・アイデア探しに役立つサービスをまとめました。

全体的な検索トレンドを把握する

  • 花粉症対策グッズ探しがピークを迎えるのはいつごろ?
  • サッカーワールドカップ開催にあわせて WebサイトのSEOとリスティング広告を強化したいけれど、どの時点に間に合わせれば機会損失を避けられるのか
  • この検索ワードは急に検索数が伸びたけれど、何かあったっけ?

ある期間において、ある話題に関する検索数がどのように変化してきたのかを調べることにより、上記の悩みを解決することができます。その代表的なツールは Googleトレンドです。

Google トレンド
https://www.google.co.jp/trends/
https://www.google.co.jp/trends/topcharts

Googleトレンドは、2004年から現在までに、指定した語句の検索がどのように推移してきたのかを表示してくれます。2004年からでなくとも1年単位、あるいは過去7日/30日/90日/12か月における検索数の変化もグラフで表示してくれますので、例えば直近でテレビや新聞で賑わしている話題が検索の世界にどのように反映されているのかを把握することにも役立ちます。

ただし、Googleトレンドは指定した語句の具体的な検索数を表示するのではなく、「人気度」(検索インタレスト:興味・関心の度合い)を 0-100 の値で表します。この値は、Google の全検索に対する特定語句の検索の割合に基づいて算出されています。従って、1年間のうちでどのシーズン・時期によく検索されているのか、あるいは3年前に流行したあの商品・グッズは今も検索需要があるのかといった、検索の流行を把握するのに適したツールといえます。

例)ハロウィーンのトレンド


年別比較をすると年々、関心度が高くなっていることがわかる。キーワードプランナーを使って、検索クエリの変化まで追うと、色々なインサイトを得られる。


例)花粉症対策の過去12カ月のトレンド

なお、検索の流行が大きく変化した時に起きた出来事のニュースヘッドラインを表示する機能もありますので(※ 全ての検索キーワードで表示されるわけではない)、何をきっかけとして検索に変化が起きたのかを知ることもできます。

もう少し短期的な期間で、特定のカテゴリにおける人気検索キーワードを知る時には、一部の ネットショップや比較系サイトが提供しているデータが役立つ場合もあります。例えば価格.com は人気検索キーワードランキングというページを設けており、どんな事柄が価格.comで検索されているのかを一覧表示しています。

価格.com人気検索キーワードランキング
http://kakaku.com/keyword/

ネットショップ運営者であれば、自分のお店で扱っている商品に関連する事柄がこうした比較系サイトのランキング上位に出ているのであれば、その背景(なぜ検索数が増えているのか)を調査したうえで、その理由に応じてコンテンツを設けるなどの対応をすることで、売上につなげられる可能性もありますし、SEO にも良い影響をもたらすことになるかもしれません(※ 詳細は後日の別記事にて)。

なお、通販系サイトのランキングは検索クエリを表すものもあれば単に売れ筋の商品カテゴリを表示するもの(≒検索需要の把握にはあまり役立たない)まで様々ですので、データを参照する時は十分に注意してください。


「いま」検索されている語句・文字列を知りたい

リアルタイムに、ユーザーがどんな言葉を検索窓に入力して情報探索をしているのかを知りたい時には、老舗のツール・「エキサイトサーチストリーム」があります。

エキサイト サーチストリーム
http://www.excite.co.jp/search_stream/

相当昔からあるこのツールは、ポータルサイト「Excite」でいま検索されている検索キーワードをほぼリアルタイムでティッカー表示してくれます。Google提供のキーワードプランナーなどと異なり、検索されている言葉をそのまま表示してくれるため、「人はどのように検索語句を入力するのか」という入力行動を理解するうえで有用です。

一方で、検索数量や流行といったものはサーチストリームからは一切わかりません。

アダルト関連用語など不適切だと考えられるキーワードもそのまま表示する「サーチストリーム(フィルターなし)」と、そうした語句を取り除く「サーチストリーム(フィルターあり)」の2つを選択できます。実態を知りたいのであればフィルターなしがある意味お勧めです。


1時間前、1日前の検索回数急上昇ワードを知りたい

世の中の出来事や報道など、何らかの理由で検索回数が急上昇しているキーワードをランキングで表示してくれるサービスは数多くあります。パソコンにおいて最大検索シェアの Yahoo!検索のほか、BIGLOBE、@nifty の各ポータルサイトもデータを公開しています。

Yahoo!検索データ 急上昇ワード
http://searchranking.yahoo.co.jp/

Yahoo!検索データ 急上昇ワードは、今現在の急上昇ワードのほか、前日比の急上昇ワード、10分毎の急上昇ワードも参照することができます。分または時間単位の急上昇ワードは、テレビや新聞等の報道や、ネットでの(炎上)騒ぎなどがよく反映されていますので、世の中の話題の関心毎を知るうえで便利なツールです。

どのツールにも言えることですが、ビジネスの上でこうしたツールを役立てるには、(1) 検索で話題になっていることに常にアンテナを張る、毎日監視して、(2) 検索数が上昇している話題について、自社で何か乗っかることができる話題はないか、あるいはその検索に関連する商品やサービスがないかを確認して、(3) 該当する商材があるなら、その需要の背景にあわせて必要な施策を行う、という一連の業務フローを定着させることです。

例えば、食品大手の米Kraft Foodsは、ディズニーが公開した映画「Frozen」(アナと雪の女王)の人気を受けて、多くのユーザーが Frozen にちなんだ料理を Pinterest などの写真共有サイトにアップロードしていることを受け、もっと楽しんでもらうための料理レシピを新規に作成して公開しました。同社は Google Trends など様々なツールを用いてネットの流行をとらえて、その話題に適合する商品があれば即座にコンテンツを作成するという体制をとっているといいます。

小規模なネットショップの方からよく「コンテンツを作りたくてもネタがない」という声を聞きます。まず、自分でアンテナを張るという意識付けをしてみましょう。その上で、検索データを眺めていると、テレビや新聞などでは扱われないけれども検索の世界では「こんなこと検索されているんだ」という気づき、そして「取扱商材に関係するかもしれない流行」を捉えることができる場合がありますし、その検索数上昇の背景を踏まえれば、そのタイミングで何のコンテンツを出せばユーザーの利益になるのかも判断できるはずです。

BIGLOBE と @nifty が公開しているデータは、それぞれのポータルサイトの検索データに基づいたランキングなので、 Yahoo!検索のそれとは少し違う傾向を示す場合がありますが、いずれもトレンドを把握する上で有効です。本日10月31日でハロウィン関連の話題があちこちにありますから、きっと今日明日ではハロウィン絡みの検索ワードが出てくることでしょう。

BIGLOBEサーチ 旬感ランキング
http://search.biglobe.ne.jp/ranking/

@nifty 瞬!ワード
http://www.nifty.com/search/shun/

旬感ランキングは直前1時間前の急上昇ランキングデータを、瞬!ワードは5時間前までの急上昇ランキングデータを表示できます。どちらも国内で行われているイベント毎やテレビ番組、報道を反映している傾向があります。

goo キーワードランキングは2014年9月30日を持って更新が停止していました。


サードパーティーのキーワード調査ツールを活用する

指定した検索語句のインプレッション数(検索数)を知りたいのであれば広告配信システムのプラットフォーム提供者である Google や Yahoo! JAPAN が提供するキーワード調査ツールを使えば十分かも知れませんが、サードパーティーのツールが全く役に立たないというわけではありません。表記ゆれの文字列、単語間のスペースの有無、入力順序など、そのままの検索語句を知りたい場合や、実際にユーザーが入力したフォームに近いキーワードを知りたいこともあります。検索数量があまりに少なすぎて Google や Yahoo! のツールでは出てこないキーワードも、使い方によってマーケティング的に価値あるデータになることもあります。こうした場合は、検索エンジン会社以外のサードパーティーが提供するキーワード調査ツールが役立つことがあります。

キーワードウォッチャー
https://www.keywordwatcher.jp/

キーワードウォッチャーは、運営会社である株式会社クロスリスティングが提携する、BIGLOBE や @nifty、goo など日本国内の大手ポータルサイトの検索データに基づいています。Google と Yahoo! JAPAN が含まれていない時点で検索数データは限られますが、13か月前に遡って検索数変化を把握できたり複数のキーワードデータをまとめてCSV出力できるなど便利な機能が用意されています。ロングテールのテール部分のキーワードを知ることができますので、SEO 担当者であればコンテンツ作成のヒントなどに使えるでしょう。

日本国内のサードパーティーが提供する検索キーワード調査ツールは上記キーワードウォッチャー程度しかないのですが、英語圏であれば数多くのサードパーティーが存在します。

Wordtracker
http://www.wordtracker.com/

Trellian Keyword Discovery
http://www.keyworddiscovery.com/

WordStream
http://www.wordstream.com/

Adgooroo
http://www.adgooroo.com/

かつて(2000年代前半)Wordtracker は定番中の定番でした。まだ検索キーワード調査ツールが十分に整っていない時代にキーフレーズの検索数を算出するツールを提供していたことで、当時は重宝していました。いずれもデータに偏りがありますが、その偏りを把握した上で検索市場の理解に活用する上では、役立つこともあります。

いずれも検索データのソースが異なります。例えば WordStream は、米国内のISP、ブラウザのツールバー、検索エンジンから検索クエリデータを購入しています。一方で ISP から提供を受けているのか、具体的なデータ収集元ツールバーなどは全く明らかになっていませんし、対象ユーザー数も不明です。一方 Wordtracker は SEMRush や広告配信ネットワークから提供を受けた 35億キーワード、3億5000万ユニークキーワードの検索データを元に調査ツールを提供しています。いずれも Google に全く依存しない、つまり https 暗号化による影響を受けずに取得したキーワードデータに基づいて調査ツールを提供していますので、実際の検索に基づく、しかし Google のデータからは見えない傾向を知ることができる可能性があります。

ちなみに Trellian の Keyword Discovery は一時期日本語を始め複数カ国に対応した(試みていた)気がしますが、2014年10月現在は英語版しかありませんでした。昔、Trellianに「日本語使えるの?データソースどこ?」と電話で聞いたら曖昧な返事だったので使うの止めた記憶があります。


定番の検索キーワード調査ツール

検索エンジン(検索広告を提供している)会社が提供する検索キーワード調査ツールです。これは定番なので、リスティング広告担当者、SEO担当者ともに日々活用していることでしょう。

Google AdWords キーワード プランナー
https://adwords.google.co.jp/KeywordPlanner

Yahoo!プロモーション広告 キーワードアドバイスツール
https://promotionalads.business.yahoo.co.jp/Advertiser/Tools/KeywordAdviceTool


日本でほぼ存在感がない Bing ですが、一応キーワード調査ツール(日本語ベータ版)も提供されています。しかし検索数は出てきません。

Bing キーワード調査
http://www.bing.com/toolbox/keywords

Bing のツールは、Bing Ads がまだ adCenter の名称だった頃に、一時的に日本語検索クエリの調査も出来たのですが、現在はデータが出てきません。昔データがあった頃も数値が微妙でしたけれど。


競合サイトの流入検索キーワード調査

競合会社はどんな検索キーワードで多くの流入を獲得しているのか気になることはあるでしょう。Google や Yahoo! JAPAN で検索をすれば順位は確認できても、実際の流入数はわかりません。そこで以下のツールです。

エムギア
http://www.m-gear.jp/

ヴァリューズ
http://www.valuesccg.com/

いずれも有料のサービスになりますが、指定したサイトがどんな検索キーワードでどの程度のアクセスを得ているのかを調査できます。ヴァリューズは、実際にコンバージョンまで到達した検索クエリを知ることもできます。両者ともに検索ツールバーや提携サイトなどいくつかの情報ソースを元に算出しています。調査対象パネルは決して大きいわけではないので、サイトによってはデータが乏しかったり十分な情報が得られないこともありますが、比較的有名な大手サイトであればそれなりの情報が出てきます。


世の中の検索ユーザーの関心事に興味を持つ

どのサービスを使うにしても、「いまネットで何が検索されているんだろう」ということに興味関心を持つことが大切です。どうしてこう検索するの?背景は何だろう?ということを自然に考えるようになると、検索の使い方がきっと広がります。

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