ログバーは10月29日、指輪型のウェアラブルデバイス「Ring」を同社のウェブサイト上で販売開始したと発表した。販売は10月9日から。また、販売を記念してRingを体験できる期間限定ショップを10月30日から11月3日までオープンする。場所は表参道ヒルズ。
Ringは指にはめてジェスチャーすることで、テレビのリモコンや照明を操作できる製品だ。スマホとBluetoothで接続し、専用のiOS/Androidアプリ経由で対応の機器やサービスと連携が可能。
本体はS/M/L/XLの4サイズを用意し、それぞれ重さ14/16/18/20gだ。内蔵のリチウムバッテリーはRing専用で、駆動時間は約1日~3日、充電時間はおよそ3時間となっている。
Ringは製品化にあたり、2014年2月に米国のクラウドファンディング「Kickstarter」で資金を募り、募集からわずか1日半で目標の25万ドルを集めたことで有名になった。だが、その後製品の出荷が遅れたり、Kickstarter公開時と実物のデザインに差があり話題に上った製品でもある。
コンセプトは「ワンジェスチャー」
ログバーはRingのクラウドファンディングに合わせてスタートした。最高執行責任者である山崎貴之氏は「この時代に生まれてよかったと思えるような、わくわくするような製品をつくりたい」と話す。また、Ringについては「ハリーポッターのようになれるデバイス。朝起きてRingをはめて1日がスタートするようになる」とした。
Ringのコンセプトは「ワンジェスチャー」だという。
そのコンセプト通り、ジェスチャーでTwitter操作、家電のオンオフなどが可能だ。具体的な仕組みとしては、スマホをハブにしてクラウド上で対象物を操作する。Ringをはめた指でジェスチャーし、スマホがその動きと位置情報を感知、その後クラウド経由で家電やウェブサービスにアクセスする。RingにはいくつかのセンサーとGPS機能が備わっており、近くでRingをはめたユーザー同士が同じジェスチャーをした場合、GPSでユーザーを判断するという。
またRingにはバイブレーション機能が備わっており、ジェスチャーの成功・失敗を振動で把握できるようにしている。
代表取締役社長の吉田卓郎氏は「電話が登場したことで、人と連絡を取るのが一瞬でできるようになった。今まで時間がかかったことが一瞬でできるようになる、革命的なものが好き。Ringもそんな製品。生活をもっとショートカットするのが未来」と話す。
現状Ring専用アプリには30のジェスチャーが登録されており、ユーザーは自分で新たにジェスチャー登録、エディットもできる。ミュージックやカメラなど、スマホのネイティブアプリに対応するほか、フィリップスのLEDランプ「hue」やGoogle Glass、スマホアプリ経由で家電の電源をオン/オフできる電源アダプター「WeMo」などの一部製品に対応している。
また、オープンURIという、簡易版APIも公開している。PHPやRudyなどウェブプログラムの知識あれば誰でも理解でき、Ringとサービスを連携させられる。
なお、出荷が遅れたことについて吉田氏は「現在日本で生産している。リング型ということもあり、スロースターターだったが、クラウドファンディングで出資してくれた方には11月中に渡せると思う。今から購入したユーザーについても4~7週間ほどでお届けできる」とした。
販売価格は269.99ドル。日本円での販売はしていない。
ショップにて吉田氏によるRingのデモ。照明を付けたり、テレビの電源をオンにしている。 |