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麻倉怜士のハイレゾ入門講座 第4回

ヘッドフォンとハイレゾ、手軽な圧縮から本格的な音へ

2014年12月29日 11時00分更新

文● 編集部、語り●麻倉怜士

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高級ヘッドフォンがハイレゾブームを呼んだ?

 (一方iPod以降、高級ヘッドフォンに目覚めた層がいる。手軽に音質比較できる環境が整い、よりよい音の世界を知った。その過程で、彼らは圧縮より音のいいロスレスの音源を知り、さらにハイレゾを知った。ポータブル機器の音質の追求の延長線上に今のハイレゾブームがあるのではないだろうか)

初代iPod。AAC再生に対応したのは2003年登場の第3世代から。

 それは、面白い視点ですね。昔でいうとラジカセですね。松本伊代ちゃんとか、松田聖子ちゃんでもいいんですけど、シングルカットするときに、やっぱりラジカセ向けのイコライジングをするんですね。つまり“ドンシャリ”です。低音をドーンと出して、高音をシャーンと出して、シャリシャリっていう、ちょっとキラキラとした感じで一見、聞こえはいいんですね。

 それは決してハイファイではないんですが、聴く人のニーズに合った音作りではあるわけです。逆にラジカセで聞くと結構いい音なんですが、ワイドレンジでハイファイなシステムで聴くと、本当にプアーな音に感じますね。

 iPodのAACは128kbpsや256kbpsに圧縮しています。CDは1.4Mbpsほどのビットレートがあるので、1/10程度のサイズになります。それを付属の白いヘッドフォンで聴いたり、最近では高級ヘッドフォンが注目され、技術革新も進んでいて、ハイレゾ対応をうたうヘッドフォンも出てきているわけですよね。

 そうするとこの広い再生帯域の中で、これだけしか聞こえない。本当はここも聴けるはずなのにといったことが起こる。試しに圧縮のないCDを聴くと、結構いいなと感じる。その延長線上にハイレゾがあるなら聴きたいと思うはずです。

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