リコーは10月28日、360度撮影が可能な“全天球インプットデバイス”「THETA」の新モデルを発表。お台場の日本科学未来館にて発表会を開催した。
新機種「RICOH THETA m15」は11月14日発売予定で、予想実売価格は3万5000円前後。従来機種は本体前後の広角カメラで撮影した360度の静止画を球体イメージとして専用ビューアアプリ、または専用ウェブサイト「theta360.com」(https://theta360.com/ja/)で表示できた。
新機種は動画に対応。撮影した動画(最大3分)を球体イメージで表示できる。ただし、球体イメージにするにはいったんPCまたはMacの専用ソフトにて撮影データを取り込んで処理が必要。THETAから直接スマホなどで球体動画を見ることはできない。
なお、作成した球体動画はtheta360.comにアップロードすることでSNSなどで共有可能。アップロードできる動画サイズは5MBまでとなる。
新機種は無線LANモジュールの変更などにより、通信速度が向上。従来モデルと比較して約2倍の高速化を果たしたという。
そのほかの基本スペックに変更はなく、カラーリング以外の外観およびサイズ/重量(幅42×奥行22.8×高さ129mm/約95g)に変更はない。なお、内部のパーツは変更されているため、従来機種に追加機能をファームアップなどで追加することはできないとのことだ。
API公開でユーザーによるアプリ開発の可能性も!
「第三の領域」に位置する次世代カメラ
新製品の発売にともない、theta360.comではAPIやSDK(ベータ版)を公開。ユーザーが独自の専用アプリを開発することができるようになるという。
同社はTHETAを「Visual Revolution」というコンセプトの第一弾製品として投入。「世界の見え方を変えていく」というビジョンと「驚きのある映像とコミュニケーションの融合による感動の広がり」というコアバリューを掲げた製品を、Visual Revolutionとして今後も商品化していくという。
リコーイメージング代表取締役社長の赤羽 昇氏はTHETAについて、今までのカメラとは違う「第三の領域」と位置づけた。従来のカメラとは「人の目で見たものを正確に撮る」ことと「構図とかタイミング(を考慮する)」ことを考えなくていいカメラであり、「(撮影)目的の無限性」について「メーカーサイドが想像するよりもはるかに大きい」製品であると主張した。