このページの本文へ

T教授の「戦略的衝動買い」 第306回

新世代の“スマートペン”「Livescribe 3 Smartpen」を衝動買い!

2014年10月29日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ペンの形状や使い勝手で課題の残るデジタルペン

 Livescribeのスマートペンは、現在全部で3モデルあるが、すべてスウェーデンのアノトの技術を使用したスマートペンなので、“アノトパターン”と呼ばれる多数のドットのプレプリントされた専用紙を使用することが前提だ。デジタルペンを敬遠する多くの人は、この専用ペンや、専用ノートの制約が大きいのだろう。

 もっとも選択の自由が保証されたように思えるステーショナリーの世界において「このペンとこの紙で描きなさい」と言われるのは、デジタルペン普及の大きな障害だろう。そしていずれのペンの形状や使い勝手もなかなか納得の行くものとは言えないのが現実だ。

Wifi Smartpenは名前の通り、Wi-Fi接続でモバイルルーターとも直結でき、まさにクラウド型デジタルペンの最高峰。グラフィックディスプレーを装備し、マニアックな雰囲気が一杯で最高のガジェットだろう

Wifi Smartpenは名前の通り、Wi-Fi接続でモバイルルーターとも直結でき、まさにクラウド型デジタルペンの最高峰。グラフィックディスプレーを装備し、マニアックな雰囲気が一杯で最高のガジェットだろう

バッテリーを搭載しないスリムさが特徴のCamiApp-S。スタティックで軽量な構造を持つスマートなペンだが、ペン先の構造からくる微細なペン先の上下のブレをどう捉えるかで評価が別れる

バッテリーを搭載しないスリムさが特徴のCamiApp-S。スタティックで軽量な構造を持つスマートなペンだが、ペン先の構造からくる微細なペン先の上下のブレをどう捉えるかで評価が別れる

 実際に、筆者の手元にあるモンブランの平均的なボールペンと、最近使っている3つのスマートペンを比較してみた。

アナログボールペンであるモンブランの代表的なペン(左端)と、CamiApp-Sペン、Livescribe Wi-Fi Smartpen、Livescribe 3 Smartpenを比べてみた

アナログボールペンであるモンブランの代表的なペン(左端)と、CamiApp-Sペン、Livescribe Wi-Fi Smartpen、Livescribe 3 Smartpenを比べてみた

一番軽いのはCamiApp-S用ペン。最も重く太いのはLivescribe WiFi Smartpen。使用感がよかったのは、モンブラン→Livescribe 3 Smartpen→CamiApp-Sペン→Livescribe WiFi Smartpenの順だった

一番軽いのはCamiApp-S用ペン。最も重く太いのはLivescribe WiFi Smartpen。使用感がよかったのは、モンブラン→Livescribe 3 Smartpen→CamiApp-Sペン→Livescribe WiFi Smartpenの順だった

スリムになったとはいえ……Livescribe 3 Smartpenは、モンブラン最大クラスの万年筆であるマイスターシュテュック149が楽に入っているペンケースにも入らない

スリムになったとはいえ……Livescribe 3 Smartpenは、モンブラン最大クラスの万年筆である「マイスターシュテュック149」が楽に入っているペンケースにも入らない

 重量だけを比べると、一番重いのはLivescribeのWifi SmartPenで、モンブランボールペンの約1.68倍もある。そして最軽量のCamiApp-Sのボールペンは、なんとアナログのモンブランボールペンより4gも軽い。その理由は充電式バッテリーを搭載しないからだ。

 最軽量で理想的なCamiApp-Sのボールペンだが、ペン先のスイッチ機構のカチカチという微動は意見が分かれるだろう。Livescribe 3のペン(右下)は従来のWifi SmartPen(左下)とくらべて指で持つ胴回りがかなりスマートになり、実際に使ってみると、その筆記感覚も上々だった。

使用する前にスマホアプリを導入する

スマホ側の初期設定は、「Livescribe+」アプリをダウンロードし、インストールするだけ

スマホ側の初期設定は、「Livescribe+」アプリをダウンロードし、インストールするだけ

Livescribe+のトップメニューでは、現在使用しているノートの種類やタグの内容、録音データ(ペンキャスト)の状況が一目で理解できる

Livescribe+のトップメニューでは、現在使用しているノートの種類やタグの内容、録音データ(ペンキャスト)の状況が一目で理解できる

現在使用中のノートの種類ごとにサムネイルも表示してくれる

現在使用中のノートの種類ごとにサムネイルも表示してくれる

 では早速、スマホ連携のLivescribe 3を使ってみよう。Livescribe 3をiPhoneとBluetooth接続するに先立ち、iPhoneには「Livescribe+」というアプリをダウンロードし、インストールすることが必要だ。

 Livescribe +はLivescribe 3との無線連携をはじめ、スマホ側にアップロードされたドキュメントの管理やクラウドサービスである「Evernote」や「OneNote」との仲介役を行なう。

スマートペンとのBluetoothペアリングは電源オンするだけで自動的に行なわれる。以降は自動接続なので何もすることなく、アプリを起動し、ペンの芯を出すだけ

スマートペンとのBluetoothペアリングは電源オンするだけで自動的に行なわれる。以降は自動接続なので何もすることなく、アプリを起動し、ペンの芯を出すだけ

自動接続は極めてスムース。ペンクリップのところのインジケーターがグリーンからブルーに変われば接続処理は終了だ

自動接続は極めてスムース。ペンクリップのところのインジケーターがグリーンからブルーに変われば接続処理は終了だ

 無線設定が終了したら、Livescribe 3の中央部分のメッシュ模様の部分をひねってみよう。ペン先が露出し、同時にパワーオンとなりBluetoothを発信。自動的にiPhoneと接続する仕組みだ。

スマートペンへの充電は、スタイラス部分を引き抜き、microUSBケーブルでPCのUSB端子や壁面ACコンセントに挿したUSB/ACアダプターから行なう

スマートペンへの充電は、スタイラス部分を引き抜き、microUSBケーブルでPCのUSB端子や壁面ACコンセントに挿したUSB/ACアダプターから行なう

 ペン先と反対側にはラバー製のスタイラスペンが付属するが、そのベースのプラスチック部分から引き抜くと、microUSB充電ポートが露出し、microUSBケーブルを接続して充電を行なえる。

スマホとスマートペンがリンクすると、まずスマートペン内部のファームウェアのアップデートが開始される。かなりの時間が必要だ

スマホとスマートペンがリンクすると、まずスマートペン内部のファームウェアのアップデートが開始される。かなりの時間が必要だ

 充電作業と同時にLivescribe 3のファームウェアのアップデートがはじまり、少し時間はかかるがこれが無事終了すると使用可能となる。

現在、自動アップロードに対応しているクラウドサービスは「Evernotge」と「OneNote」の2つだけ

現在、自動アップロードに対応しているクラウドサービスは「Evernotge」と「OneNote」の2つだけ

Evernoteは事前にアクセスしてログインしておけば、スマートペンで記述したデータを1年間はLivescribe+アプリが勝手に自動アップロードしてくれる

Evernoteは事前にアクセスしてログインしておけば、スマートペンで記述したデータを1年間はLivescribe+アプリが勝手に自動アップロードしてくれる

筆者のiPhone経由でEvernoteに自動アップロードされた筆記データ

筆者のiPhone経由でEvernoteに自動アップロードされた筆記データ

 続いてLivescribe+の設定メニューでクラウドサービスの指定を行なう。筆者はEvernoteを選択し、事前ログインを行なうことでLivescribe 3の筆記データをiPhoneに送ると同時にクラウドサービスにもアップロードできるように設定した。

(次ページに続く、「ペン単体で筆記しながら録音もできる」)

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン