ストアアプリが想定していた解像度によって
Windows 10での動作には違いが出てくる
なお、Windowsが用意するGUIパーツを利用することで、サイズの問題にはある程度対処が可能だという。Windows 8.1 Updateのタイミングで発表されたUniversal Windows Appsでは、画面サイズに応じたレイアウト切り替えが可能なGUIパーツになっていることが示されており、画面サイズの一時的な変更やウィンドウサイズの変更には制限値はあるものの、ある程度自動で対応が可能になるようだ。
実際、いくつかのアプリを動かしてみたが、表示が制限されて操作が困難になるものはあったが、ウィンドウサイズが小さくなることでクラッシュするようなアプリはなかった。また、標準で付属する「MSNウェザー」(Weatherアプリ)は、基本的に横スクロールするアプリケーションだが、左側の端の部分に表示される週間天気は、ウィンドウサイズが狭くなると、縦方向に配置されてスクロールして表示できるようになる。
横幅500ドット、縦660ドット程度までは、ウィンドウサイズに追従してなんとか情報をすべて表示するように動作するが、これ以下になると、省略されたり、表示ができない要素が出てくる。カレンダーなども、予定の表示を簡略化するなどしてなるべく表示を保とうとするが、テクニカルプレビューだと破綻してしまうこともあるようだ。
これに対して、記事冒頭写真のWindowsストアのように縦横にスクロールバーが表示されるようになったアプリもある。同じく標準搭載のMSNウェザーでは、レイアウトの変更でウィンドウサイズにある程度まで追従するが、ウィンドウ自体に縦横のスクロールバーを表示させてまでは表示を保とうとはせず、はみ出した部分は見えないままとなる。
このあたりは開発時にどのようにレイアウトを設計するかによって違うようだ。ただ、テクニカルプレビューでの動作をみるに、一定の制限はあるものの、ウィンドウ表示になんとか対応しようとしているように見える。テクニカルプレビューで動作しているアプリは、標準搭載のものも含めてWindows 8.1 Updateでも動作しているものだ。このため、解像度への対応は、アプリのコードよりも、Windowsが標準提供しているGUIパーツによるものと考えられる。
なお、UWAを考えると、Windows Phoneの画面サイズも影響があるように思えるが、Windows Phoneの場合、特定の画面サイズだけが利用可能で、少なくとも、それらの長辺は768ドットよりも大きい。短辺は、最も小さい場合で480ドットなのだが、Windows Phone 8.1の場合、画面回転に対応しないアプリもあるため、現行のWindows Phoneの画面サイズは、拘束条件にはならないようだ。
UWA自体も現在は、Windows Phone用のコードとWindows用のコードおよび共用コードと3つのパートに別れていて、ストアでは、クライアントのプラットフォームに合わせたパッケージとして提供されるようになっているため、1つのコード(レイアウト)でWindows PhoneでもWindowsでも表示ができるわけではない。
ただ、Windows 10については、「One Platform for all the davice」という表現があり、単一のコードが、Windows Phone 10でもWindows 10でも動作するようになるという可能性はある。ストアアプリが縦横のスクロールバーを表示させたように、小さな表示範囲については、スクロールバーを使えばほとんど対応が可能だ(もっとも使いやすいかどうは別問題)。これについてはWindows 10用のSDKなどが公開された時点である程度はっきりすると思われる。
テクニカルプレビューの目的の1つは、さまざまなアプリに対して、新しい解像度やウィンドウサイズを、さまざまな条件、ハードウェアの上で動作させてその結果を収集することにもあると思われる。ウィンドウのサイズ変更などによりクラッシュが発生したアプリやその動作を調べることで、今回の変更のサードパーティアプリに対するインパクトを調べているわけだ。
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