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ビジネス優先度に基づくQoS制御、Oracle DBのHCC圧縮機能対応などの特徴も

オラクル、フラッシュストレージ新製品「Oracle FS1」発表

2014年10月27日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本オラクルは10月23日、エンジニアドSANストレージ新製品「Oracle FS1 Flash Storage System(Oracle FS1)」を発表した。最大912TBのフラッシュメモリが搭載可能で、「Oracle Database」対応のデータ圧縮技術、アプリケーションの優先度に基づくI/O制御と自動階層化などの独自機能を備える。

オラクルのSANストレージ新製品「Oracle FS1 Flash Storage System」

 Oracle FS1は、最大912TBのフラッシュメモリ(SSD)を搭載できるSANストレージ。最大200万IOPS(read:write比=50:50)、80ギガビット/秒のスループットを実現する。最大16ノードまでのHAスケールアウトが可能で、数ペタバイトクラスのフラッシュストレージが実現する。

 また、オールフラッシュ構成だけでなく、SSD/HDDの混在構成もサポートする。SSD/HDDそれぞれに高速性重視と容量重視のモデルが用意されており、フルHDD構成の場合で最大2.9PBとなる。

 FS1では、ポリシー設定されたビジネス優先度に応じてI/Oキューを制御して、“Priority-In, Priority-Out”を実現する「QoS Plus」機能を備えている。I/Oだけでなく、最も費用対効果に優れたストレージティアへの自動配置(自動階層化)も実施する。

アプリケーションごとの優先度に応じてI/Oを調整する「QoS Plus」機能を備える

QoSポリシーとアクセス頻度に応じて、データの配置先を調整する自動階層化の機能も

 Oracle DBやオラクル製アプリケーションと共同設計されており、最大50倍のデータ圧縮が実現する「Hybrid Columnar Compression(HCC)」機能が利用できる。さらに、Oracle Databaseや主要エンタープライズアプリケーション向けのプロファイルが用意されており、これを利用すれば導入やチューニング、管理などの作業が自動化/簡素化される(ワンクリックプロビジョニング)。

 ストレージは複数のドメインに仮想分割することができ、マルチテナント環境として、個々のドメインに対し独立したストレージティア構成やQoSポリシーを適用することができる。

用途ごとに仮想的なドメインに分割して、効率的な利用を促す

 FS1は11月から国内出荷を開始予定。最小構成価格(税抜)は937万9559円となっている。

競合製品「EMC XtremIO」との比較で優位性を強調

米オラクル フラッシュ・ストレージ・システム担当 バイスプレジデントのボブ・マネス(Bob Mannes)氏

日本オラクル 常務執行役員 システム事業統括の飯尾光國氏

 同日の発表会で米オラクルのボブ・マネス氏は、「Sun ZFS Storage Appliance」から数えて、SF1はオラクルにとって“6代目”のフラッシュストレージであると紹介。オールフラッシュストレージ市場の競合製品である「EMC XtremIO」とSF1とを比較しながら、FS1がパフォーマンス、柔軟性、経済性のいずれの面でも優れていると強調した。

EMC XtremIOとOracle FS1のパフォーマンス比較(XtremIOは公開資料、FS1はオラクル内部テストに基づく数値)。マネス氏は、FS1のTBあたりコストはXtreamIOの半分以下だと強調

 また国内におけるFS1の販売戦略について、日本オラクルの飯尾光國氏は、高速化ニーズの高いOracle DB顧客への訴求だけでなく、各種エンタープライズアプリケーションにも対応するQoS Plus機能で独自の価値をアピールしていくと述べた。「非常に高速、なおかつHCCなどの機能で最大限、コスト効率よく使っていただける」(同氏)。

飯尾氏が示したFS1の国内販売戦略。なお国内販売パートナー26社も発表している

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