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日本の強みは「混ぜるな自然」=ドワンゴ川上量生会長

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 東京・六本木で24日、インターネット企業のアカマイが「アカマイデジタルメディアカンファレンス2014」を開催。KADOKAWA取締役の角川歴彦会長、ドワンゴ代表取締役の川上量生会長、KADOKAWA・DWANGOとして経営統合した2社を代表する両名が顔を合わせた。

 統合のきっかけについて聞かれた角川会長は、自分のことを「ボスザル」と呼んでいた川上会長から数年前「ボスザルが元気なうちに(経営統合を)やります」と声をかけられたと語る。角川会長から「ぼくも元気がなくなってるんだよ」と伝えると、「じゃあやりましょう」とすぐ話が進んだと話し、会場の笑いを誘った。

 経営統合後のKADOKAWA・DWANGOは、デジタル・アナログ両面から日本最大級のコンテンツプラットホームを抱える巨大メディアになる。グーグル、アップルなど、世界に進出してきた米国のプラットホーム事業者に対してどう勝負できるかが対談のテーマとなった。


日本の強みは「混ぜるな自然」

 グーグルやアップルが「黒船」と呼ばれ、日本企業がビジネスとして「遅れている」と言われがちなことについて、川上会長は「日本はすごく健闘している」と反論。外資系通信事業者の参入を規制している国を除けば、「インターネットがオープンになっている国はグーグルとアップルが圧勝している」と述べる。

 「ソーシャルゲームは日本から出てきた文化だし、そもそもスマートフォンの原点はiモードをアップルとグーグルがマネしたもの。ぼくらはもっと自信を持っていい」(川上会長)

 一方、日本は昔から「戦略や政治力は弱かった」と川上会長。

 アップルやグーグルのように順当な戦略からプラットホームを作るのではなく、日本は「合理性のない、混ぜちゃいけないものを混ぜて作るのが得意なはずだ」と指摘する。

 「ケータイにカメラをつけたのは(日本の)J-PHONEが最初。カメラ付きケータイを初めて出して、世界中から笑われた。『日本ではカメラと携帯電話をくっつけたらしい』と言われた。欧米感覚では混ぜちゃいけないものを混ぜてしまうのが日本。プラットホームとコンテンツ、欧米の価値観だと混ぜてはいけないものを混ぜるのが大事なのでは」(川上会長)

 インターネットのプラットホームといえば、従来はアマゾンやアップルが抱える「巨大自動販売機」(川上会長)のようなストアを指していた。そこにニコニコのようにユーザーのコミュニティー、また現実世界のリアルなコミュニティーを「混ぜて」いくのが大事ではないかというのが川上会長の持論だ。


放送業界の4K推進「意味が分からない」

 プラットホームとコンテンツが融合すると、放送局とも似たビジネスモデルになる。通信と放送の融合をどうとらえているかという質問を受けた川上会長は「通信で放送のすべてが出来るなら、通信でやればおしまいということになる。考えることは何もない」と受け流した。

 問題は通信だけで放送される時代がいつ来るかであると話し、「最近いろんな話を聞いた結論は、放送ではなく通信だけでハイビジョン番組を送れるインフラを日本は恐らく20年以内くらいに持つはず。その時点で勝手に融合するので、問題はない」と予想する。

 また、放送業界が4K、8Kと映像の高精細化を推進していることについては「意味が分からない」と切り捨てた。

 「最近発表されたアップルの新しい『iMac』の宣伝文句は『5K』。4Kが映るパソコン用のディスプレイなんていくらでもあるし、(コンテンツも)ネットには4Kなんていくらでもある。一方、(放送は)地デジだけでも大騒ぎになったのに、4K、8Kになったら大変だ。ネットなら『この番組だけは4Kで見る』というのも普通にできる。有利なのはあきらかにネット。なぜ(放送局側が)やっているんだろうというのが不思議だ」(川上会長)


現行法で「競争なんか出来るわけがない」

 放送局と通信事業者、テレビとインターネットの戦いが激化していく過程で、ネックになるのは法規制だ。

 現行の放送法は通信技術の進化に伴い「放送事業者にとってつらい法律になっている」と角川会長。NHK放送技術研究所のイベントに行った際、「『なぜNHKはこんな技術を持っているのに実現されないのか』と(研究所の職員に)尋ねたら、つらそうな顔をして『放送法がネックなんだ』と言っていた」と体験談を語った。

 川上会長は、これから放送と通信のプレイヤーがグローバルレベルで競争関係にさらされるという中、いまだに電波帯域ごと、あるいは地域ごとに取得すべき免許が違うという現行の免許制度に「それで競争なんか出来るわけがない」と激しく憤りをぶつける。

 「ラジオがこのままでは死んでしまうというので『radiko』が出来たが、インターネット(同時配信)にも関わらず、該当地域だけでしか聞けないというバカな状況になっていた。テレビでは、これだけの多チャンネル時代にも関わらず、地上波と衛星放送では別会社で、別の免許を取得するという形になっている。『海外対日本』という枠組みで考えたら、競争なんて出来るわけがない」(川上会長)

 国境をまたいだプラットホーム競争において、日本の強みはやはり「豊かなコンテンツ」ではないかと角川会長。世界に打って出るにはコンテンツ力が不可欠ではないかと話す。

 「初音ミクや艦隊これくしょん、最近なら妖怪ウォッチ、マンガにアニメ。発信できるコンテンツ力がある日本は頭脳大国。(KADOKAWA・DWANGOとして)もの申す存在になっていきたい」(角川会長)

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