荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第378回

スリリング!?　猫同士のとっくみ合いや舐め合いを狙え！

大人猫のとっくみ合いは寝技も……

　これがもうちょっと大人の猫になってくると、寝技から入る。寝技から乱取り的な、とっくみあいのレスリング的な状態である。

頭を抱え合ってのとっくみあいは次の瞬間、どちらが優位に立つかがポイント（2014年3月 オリンパス OM-D E-M1）

　均衡したら、どちらが先に起き上がってパンチを入れるかが勝負。格闘技の基本。上になった方が有利なのだ。

　かくして、先に身を起こしたハチワレが両手で防御するキジトラのボディーに上からパンチをいれたのだ。

　だがしかし、よく見ると下からキジトラのキックがカウンターで入っているではないか。

攻めるハチワレに受けつつ反撃を試みるキジトラの図（2014年3月 オリンパス OM-D E-M1）

　ちなみに、どっちも目をつぶってて耳がぴたっと後ろに寝てる。これ、怖かったり不安を覚えるときにそうなる。猫同士が軽く喧嘩するときもこうなる。ビビりつつ戦闘態勢、的な感じ。

　こういうときは互いに本気の喧嘩をしてるわけじゃないので、こちとら高みの見物である。やっぱ猫は面白いなあと思いながら見てればよし。

　本気の喧嘩（縄張り争いとか）だと、肉球でペシッと叩く猫パンチじゃなく、爪を思い切り出して引っかきにいくからね。大声で威嚇して追いかけ回すからね。そうなると大変で、家の中でやられると一瞬で両者を隔離したくなる。

　今回の写真はどれも、仲良く喧嘩しなレベルなのでひと安心である。

　さてあるとき、日向で気持ちよく毛繕いしてるミケに白黒猫がドスンと体当たりをかましてしまったのである。これは仲良く喧嘩しなモードになるか、と思いきや……。

毛繕い中にいきなり頭からゴツン。そのとき手に持ってたのがiPhoneだったので即座に撮影（2013年10月 アップル iPhone 5s）

　ぶつかってきた白黒猫のおでこを舐めはじめたのである。多分、ミケ的には頭の中が毛繕いモードのままで、目の前にきた頭をついそのまま舐めちゃったんだろう。

　とっくみ合いがはじまるかと思いきや、一瞬にして平和な空気に切り替わったのでした。

突進してきた白黒猫のおでこをペロリ。もしかして白黒猫もはじめからこれが目的だったのか？（2013年10月 アップル iPhone5s）

　猫パンチと猫とっくみ合いと猫舐め合い（冒頭写真）は互いに紙一重の差しかないのである。

　まあ実際には単なるじゃれ合いに見えて発情期のモヤモヤ発散だったりもするので一概にはいえないのですけれどもね。

筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』（玄光社MOOK）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/