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シトリックスの担当GMが語る「Webサービス事業者に選ばれる理由」

なぜNetScalerが“クラウドファースト”な市場にアピールするか

2014年10月24日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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大幅なコスト削減効果をもたらすSDX

 オスターマン氏によれば、「高い統合性」もNetScalerが顧客に選ばれる大きな理由だ。特に最近は、データセンターにおける実装密度が重要な要件になっており、「NetScaler SDX」の“スケールイン”統合に注目が集まっているという。SDXはXenハイパーバイザを内蔵した仮想化プラットフォームで、最大80のADCインスタンスを1台/2Uサイズの物理アプライアンスに収容できる。

 「提供するサービスが増え、それぞれのトラフィックを個別に扱いたいと考えた結果、ADCのアプライアンスがずらりと並ぶことになる。だが実際には、個々のADCのキャパシティを使い切っているわけではない。それならば、サーバー仮想化と同じ発想でADCのリソースをプール化し、必要に応じて(リソースを切り出して)使えばよい」(オスターマン氏)

 オスターマン氏は、SDXを導入した多くの顧客では、物理アプライアンスの追加購入と比較して「3分の2」程度にコストを抑えられていると述べた。物理台数を減らすことで、消費電力やラックスペース、メンテナンスコストなども大幅に節減できる。

SDXプラットフォームは、サードパーティ製のサービスも統合しつつある。現在、パロアルトネットワークス、ウェブセンス、ブルーキャット、CAと協業し、各社のセキュリティサービスも提供できるようになっている

 「これから新しいサービスを始める場合にも、わざわざADCアプライアンスを追加購入する必要がなく、インスタンスの追加だけで迅速に準備ができる。SDXによって、顧客が迅速にサービス展開する能力も高まるわけだ」(オスターマン氏)

「迅速に動くこと」で顧客との長期的な関係を構築していく

 そのほかの“NetScalerが選ばれる理由”として、オスターマン氏は、「Multi-path TCP(MPTCP)」対応などモバイルも含め高いユーザーエクスペリエンスを提供できる点や、シトリックスから迅速かつ高度なサポートが受けられる点などが、顧客から評価されていると述べた。

 「何らかの問題が生じた場合には、いかに迅速に解消するかを重視している。障害の原因を修正するにせよ、何らかのワークアラウンドで対処するにせよ、まずは素早いレスポンスが大切だ」(オスターマン氏)

 同じように、顧客から機能改善や機能追加のアイデアがもたらされた場合にも、「シトリックスは非常に迅速に動き、実装することができる」という。実は、先述したMPTCPへの対応も、とあるOTTの顧客からもたらされた要件だったという。

 「現実の世界は四半期ごとにどんどん変化しており、ニーズも変わってくる。顧客が課題に直面した際に、いかに彼らの声に耳を傾けられるか。それができているからこそ、顧客と長期的な関係を構築できているのだと思う」(オスターマン氏)

 最後に、今後のNetScalerの方向性として、プラットフォームのスケーラビリティをさらに拡張していくのと同時に、クラウドオーケストレーターとのインテリジェントな連携なども実現していくと語ったオスターマン氏。「顧客からは常にたくさんの要件をいただいている。テクノロジーチームともきちんとコラボレーションして品質を継続的に改善し、マーケットの声に応えていく」と締めくくった。

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