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何倍も速度アップ! 最新周辺機器換装特集 第3回

USB 3.0対応のHDDやメモリーにするだけで4~20倍速くなる!

2014年10月23日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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最新のUSB 3.0メモリーは
200MB/秒オーバーだった!

 ちょっとしたデータのやりとりや携帯にはUSBメモリーがかかせない。もちろん、こちらもUSB 2.0よりはUSB 3.0の方が高速。まずは、その高速化のほどをチェックしてみよう。

いろいろなUSBメモリーを用意してテストしてみた

 まずは昔ノベルティーでもらった64MBのUSBメモリー。プリンストンという一流メーカー製のうえ、ボディにUSB 2.0と書いてあるのに、連続読み出し速度が5MB/秒、書き込みが1.6MB/秒という結果となった。たかが50MBのデータを書き込むのにも30秒以上かかってしまう。続いて、2009年に発売されたUSB 2.0対応メモリー「RUF2-PS」シリーズの2GBモデルでもチェック。連続読み出しは18MB/秒、書き込みは6.6MB/秒とこれでも遅い。

 USB 3.0対応製品は、「TB-3NTシリーズ」(アイ・オー・データ機器)の8GBモデルをチョイス。2011年に発売された製品だ。ブルーのUSB 3.0端子に装着し、速度を計測したところ、連続読み出しは56.2MB/秒、書き込みは5.6MB/秒だった。確かに、明らかに速くなっているが、2~3倍程度。しかも、書き込み速度に至っては、同レベルもしくは遅くなっている。

 そこで、再度店頭に出向き、速そうなUSBメモリーを探したところ、東芝の「TransMemory-EX II UX-B032GT」を発見。最大読出速度222MB/秒、最大書込速度130MB/秒を謳っている。テスト結果はなんと、連続読み出しが216.4MB/秒、書き込みが127.2MB/秒とほぼスペック通り。USB2.0と比べて読み出しが4倍、書き込みに至っては20倍も速くなっている。

 数個のExcelファイルという程度なら、転送速度はあまり気にしなくていいだろう。しかし、デジカメ写真をまとめて渡す時などは余裕でGBクラスの容量になる。1GBあたり、書き込み時間が144秒、読み込み時間が51秒も変わってくる。頻繁に利用するなら、USB 3.0対応製品を選んでおいた方がスムーズだ。

古いUSBでデータ転送速度をチェックしてみる。とても遅く、テストにも時間がかかった

4年前のUSB 2.0メモリーで計測。連続読み出しは18MB/秒、書き込みは6.6MB/秒という結果に

3年前に購入したUSB 3.0対応のUSBメモリーでテスト。連続読み出しは56.2MB/秒、書き込みは5.6MB/秒とそれほど高速化できなかった

「TransMemory-EX II」を秋葉原のテクノハウス東映で購入。価格は3280円と安かった

USB 3.0接続の「TransMemory-EX II」32GBモデルは、連続読み出しが216.4MB/秒、書き込みが127.2MB/秒とダントツに高速だった

USB 2.0とUSB 3.0、気になる価格差は許容範囲

 USB 2.0からUSB 3.0にすると高速化するのは確実。気になるのは、コストパフォーマンスだろう。まずはUSB接続の外付けHDDからチェックしてみる。今回テストしたUSB 3.0対応のHDD「HDCL-UT1.0WB」は、実勢価格が1万2000円前後。同社のUSB 2.0対応HDD「HDCA-U1.0CWC」だと1万円前後とやや安くなる。しかし、メーカーや型落ちを気にしなければUSB 2.0対応製品もUSB 3.0対応製品も、7000円程度(1TB)から発売されている。価格差はほとんどないと言っていい。ちなみに、安価な製品だとポータブルタイプだったりして、そもそものHDDの性能が高くなく、実効転送速度が100MB/秒に満たないこともあるので要注意。

 USBメモリーも安価な製品を選べば、USB 2.0対応製品が600円前後から、USB 3.0対応製品が800円前後から購入できる。同容量で比べると2~3割高くなっているが、速度が2~3倍速くなることを考えれば安いものだ。テストに利用した「TransMemory-EX II」は3280円と高めだったが、容量が32GBあるので仕方がない。これほど高速ではないが、読み出し180MB/秒を謳う製品がバッファローからも発売されており、新型USB 3.0コントローラーを搭載した8GBのUSBメモリー「RUF3-HPM8G-BK」(バッファロー)なら直販価格2962円だ。

読み出し180MB/秒のバッファロー製「RUF3-HPM8G-BK」。USB 3.0コントローラーを搭載している

 USB 3.0ケーブルはHDDなどの製品には付属しているので、それを使えばいいだろう。もし購入する場合、1メートルの長さならUSB 2.0対応の「U2C-BN10BK」(エレコム)が600円前後、USB 3.0対応の「USB3-AB10」が700円前後とわずかの差だ。

左がUSB 2.0対応の「U2C-BN10BK」、右がUSB 3.0対応の「USB3-AB10」。USB 3.0は青の地が入っていて解りやすい

 USBハブはポート数や形状、電源の有無で価格に幅があるが、USB 2.0対応のバスパワーハブなら500円から、セルフパワーハブなら1000円から買える。USB 3.0対応製品はバスパワーが1800円くらいから、セルフパワーが2200円くらいからとなる。ほかの製品よりも価格差があるので、USB 3.0対応機器はハブを介さず直接PCに接続するという手もある。キーボードやマウスなど、そのほかの機器はUSB 2.0対応ハブにつなげればいい。

 結論としては、USB 2.0とUSB 3.0製品はコスト差はそれほどでもないのに、データ転送速度に大きな開きがある。これから購入する場合や迷わずUSB 3.0をチョイスすべき。価格だけを見ると、USB 2.0対応製品を選び、かえって損をしてしまうので要注意。それ以外でも、現状のスピードに不満を感じているなら、買い替えを検討してみよう。USB 3.0のスピードは快適そのもの。一度使ったら、USB 2.0に戻れなくなること請け合いだ。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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