LINE森川 亮代表。世界5億人の利用者を抱えるモバイルプラットホームの雄だ 写真:編集部
21日、グリーがKDDIと、ゲームのパブリッシング事業における業務提携を発表した。グリーが国内外ゲーム開発会社の窓口企業となり、KDDI「auスマートパス」でゲームを配信・販売する。
第一弾としては、iPhone向けパズルゲーム「アイライン」を開発する国内企業トライフォートのゲームを今冬に配信予定。海外のゲーム開発会社は韓国・中国などアジア企業を中心に考えているという。
グリーとKDDIは2006年から資本提携関係にあり、au「EZweb」向けのソーシャルネットワーク「EZ GREE」など共同サービスを開発してきた経緯もある。
一方でグリーは今月9日、モバイルプラットホームのLINEと新会社「エピックボヤージュ」(Epic Voyage)を設立するとも発表している。グリーが開発したゲームをLINEプラットホーム「LINE GAME」で配信する。
KDDIはグリーの株主でもあるが、LINEは携帯ゲームプラットホームとしてグリーの競合関係にある。なぜグリーはいわば強敵のプラットホームと組む必要があったのか。
同社によれば、狙いはゲームコンテンツのネイティブシフトだ。
LINEのスマートフォン向けゲームアプリ(ネイティブゲーム)に対し、ブラウザーゲームで成長してきたグリーだが、現在はネイティブに軸足を移しつつある。
今後、ネイティブゲーム開発部隊を現在の300人から約3倍の1000人に増やす計画も出している。
KDDIと組んだパブリッシング事業もネイティブシフトの一環に据え、LINEと組んででもネイティブゲームの「打率を上げ、打席数を増やしていきたい」(同社広報)。
ソーシャルの競合ミクシィはネイティブゲーム「モンスターストライク」で勢いを取り戻した。グリーは敵の懐に入り、ネイティブゲームでヒットを狙う。