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グリーはなぜ強敵LINEと組んだのか

2014年10月21日 17時30分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)/大江戸スタートアップ

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 21日、グリーがKDDIと、ゲームのパブリッシング事業における業務提携を発表した。グリーが国内外ゲーム開発会社の窓口企業となり、KDDI「auスマートパス」でゲームを配信・販売する。

 第一弾としては、iPhone向けパズルゲーム「アイライン」を開発する国内企業トライフォートのゲームを今冬に配信予定。海外のゲーム開発会社は韓国・中国などアジア企業を中心に考えているという。

 グリーとKDDIは2006年から資本提携関係にあり、au「EZweb」向けのソーシャルネットワーク「EZ GREE」など共同サービスを開発してきた経緯もある。

 一方でグリーは今月9日、モバイルプラットホームのLINEと新会社「エピックボヤージュ」(Epic Voyage)を設立するとも発表している。グリーが開発したゲームをLINEプラットホーム「LINE GAME」で配信する。

 KDDIはグリーの株主でもあるが、LINEは携帯ゲームプラットホームとしてグリーの競合関係にある。なぜグリーはいわば強敵のプラットホームと組む必要があったのか。

 同社によれば、狙いはゲームコンテンツのネイティブシフトだ。

 LINEのスマートフォン向けゲームアプリ(ネイティブゲーム)に対し、ブラウザーゲームで成長してきたグリーだが、現在はネイティブに軸足を移しつつある。

 今後、ネイティブゲーム開発部隊を現在の300人から約3倍の1000人に増やす計画も出している

 KDDIと組んだパブリッシング事業もネイティブシフトの一環に据え、LINEと組んででもネイティブゲームの「打率を上げ、打席数を増やしていきたい」(同社広報)。

 ソーシャルの競合ミクシィはネイティブゲーム「モンスターストライク」で勢いを取り戻した。グリーは敵の懐に入り、ネイティブゲームでヒットを狙う。


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