事例もテクノロジーも満載!NTT Com Forum 2014 第9回
BPO産業の伸びはピカイチ!課題の自然災害は?
ASEANトップの経済成長率を誇るフィリピンに死角なし?
2014年10月20日 09時00分更新
世界各国のビジネスやインフラ事情を現地法人の担当者が語る「NTT Communications Forum 2014」のグローバルセミナー。ここでは2日目に行なわれた「フィリピン最新事情とビジネスを成功に導くICT・ファシリティ活用術」をレポートする。
年7.2%の高い経済成長率と若い労働力に溢れるフィリピン
日本から飛行機で約4時間のフィリピンは、着実な都市開発と若いパワーに支えられ、ASEANでもっとも高い経済成長率を誇る国へと急成長した。特にビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)事業が盛んで、外国企業も多く進出している。そんなフィリピンの魅力を、DTSI Groupのエディ・ラゾン氏が語った。

DTSI Group シニアビジネスデベロップメントマネージャー エディ・ラゾン氏
「在留邦人数が約5万人のタイや約2万7000人のシンガポールに比べて、フィリピンはわずか1万7000人程度。あまり日本ではビジネスのイメージが薄い国かもしれない」。そう述べたラゾン氏は、最初にフィリピンの現況を紹介した。
フィリピンの人口は約1億人で、人口構成はきれいなピラミッド型に広がっており、若い労働力に恵まれている。人件費もバンコクと比べて低く、物価の上昇率も年2.9%と安定、公用語に英語が含まれるなどから欧米企業の進出も著しい。こうした好条件により、経済成長率は年7.2%と、アジアの中では中国に次ぐ高い数値を叩き出している。

フィリピンの現状
同国の市場にいち早く注目したNTTコミュニケーションズは、2009年に現地法人を設立、2012年にはフィリピンのコンタクトセンター総席数の約6割を握るDTSI Groupと資本提携し、現地法人の事業を同社に移管した。DTSI Groupは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)向けオフィス構築で豊富な実績があり、その強みを取り入れることで、内装からネットワーク構築、メンテナンスまで、オフィス設立に必要なすべての項目を支援可能となった。
さらに、2014年7月にはフィリピン最大手の通信事業者PLDTとクラウド事業で協業を発表。アヤラ財閥およびシンガポール・テレコムが出資するグローブ・テレコムを上回る、6割強の市場シェアを持つPLDTと提携した。信頼性と安定性のある通信インフラ整備にも貢献している。

フィリピンのインフラ事情
そんなフィリピンでは、都市開発が盛んだ。マニラ首都圏には超高層ビルが林立し、フィリピンのウォール街とも呼ばれる商業都市のマカティを始め、金融街のオルディガス、観光産業だけでなくITアウトソーシング事業も盛んなセブなど、全土に分散するようにビジネス拠点が構築されている。

一極集中型ではなく分散型で都市開発が進むフィリピン
(次ページ、フィリピンの経済発展を促進するBPO産業)

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