このページの本文へ

貴方は彼女の心のマーシャラーとなれるか!?

手信号で飛行機を誘導するマーシャラーの秘密に迫る!

2014年10月26日 12時00分更新

文● 藤山 哲人

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

パイロットとの意思疎通は国際共通語の手信号

 飛行機をゲートに誘導するには、マーシャラーとパイロットの信頼関係が必要になるが、マーシャラーの意思をパイロットに伝えるためには、コミュニケーション手段が必要だ。

 それがシャモジのような「パドル」を両手に持って、さまざまなポーズで伝えるサイン。実にクラシカルでアナログな方法だが、雨風が吹こうとコンピュータシステムがダウンしようと、停電が起ころうと、飛行機を誘導できる確実な手段。しかも安い!

パドルの色はとくに定められていないようだが、コクピットからでもよく見える色だという。右の黄色いパドルが従来式。現在ほとんどが昼夜兼用の左側に変わっている

現在は工事現場などで使われる、通称「ニンジン」がメインになっている。筆者的には従来型の方がカッコイイんだが……

マイパドルはないらしく、各ゲートの所定位置にパドルがワンセット置いてあった

 最近は夜間でもパドルが確認しやすいように、工事現場などで使う赤く光る棒状のパドルに移行中だという。さてこのパドルによる誘導は、次のような決まりがあり、世界共通語となっている。

「ここへ!」まず飛行機に自分がマーシャラーであることを宣言

(コクピットから見て)「右へ」。45度旋回する場合は10秒に6~7回繰り返す。浅く旋回(10度)する場合は3~4回、急旋回する場合は10~11回と速さを変える

(コクピットから見て)「左へ」。回数で旋回の深さを示す

「まっすぐ」。マーシャラー自身が左右に移動しても、このサインが出ている場合は、そのまま直進する

「止まれ」(停止目標の5m手前あたりから動作開始)。バツにした時点で完全停止、腕を上げる速度はブレーキの強さを示す

「チョーク(クルマ止め)セット完了」。完全停止状態になったという意味。車輪の前(隠れているが後ろにも)に置かれたバーがクルマ止め

 ただ日本国内、社内だけという方言もあるらしく、たとえば次のようなサインだという。飛行機についているヘッドライトに関する指示なのだが、何かを当ててほしい。

片手はあげたままで、もう片方の手を顔の前で振る

 答えは「ヘッドライトを消せ」というサインだ。滅多に使うことはないが、ライトが眩しくて誘導できないとき送るという。しかし業務提携している海外のエアラインのパイロットに送っても、「What?」という顔をされるという。

飛行機の鼻先との距離は10mもない。これは正面に立ったらかなり怖いだろう

 ちなみに停止位置に駐機すると、飛行機の鼻先はマーシャラーから10mも離れていないので、お互いの表情は読み取れるという。また機体が巨大なので、なれるまでは接近する飛行機の怖さもあるという。

→次のページに続く (マーシャラーはマーシャリングだけをするわけじゃない

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ