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事例もテクノロジーも満載!NTT Com Forum 2014 第6回

IDCアナリストが語る、ビジネス変革とイノベーションの現在位置

アジアの先進企業はどのようにICTを活用し、変革を目指すか

2014年10月14日 09時00分更新

文● 福田悦朋

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「銀行にとっては、ITこそがビジネスパワーの源泉、中枢だ」

 確かに、新たなサービスをタイムリーに提供するには、オンデマンドの拡張性やパフォーマンスに優れたICTインフラが必須であり、クラウドコンピューティングのプラットフォーム/技術に対する需要が高まるのも自然の成り行きと言える。

 ワン氏は今回、そうした潮流の活性化をより端的に示すべく、マレーシア最大の金融機関であるメイバンク(Maybank)のシンガポール法人、メイバンク シンガポールのパトリック・ヤップ(Patrick Yap)氏を特別ゲストとして招き入れた。

メイバンク シンガポールでテクノロジー&インフラストラクチャーを統括するパトリック・ヤップ氏がゲストとして登壇。同氏はメイバンク シンガポールのインフラ刷新を主導した人物だ

 メイバンクは17カ国で2200万人の顧客を擁し、シンガポールでも過去50年にわたり銀行業務を展開してきた。メイバンク シンガポールは、同国内に22の支店を持ち、行員も1800人に上っている。

 周知のとおり、シンガポールはアジア屈指の金融大国であり、銀行間の競争も激しい。そのため、メイバンク シンガポールにも常にサービスの品質向上と先鋭化が求められ、他方で情報保護やコンプライアンスへの厳格な対応が要求されている。こうした要件を満たすために、メイバンク シンガポールではITインフラの抜本的な改革に乗り出した。

 「銀行にとっては、ITこそがビジネスパワーの源泉であり、中枢だ。ITインフラがしっかりしていなければ、時代のニーズや顧客の要求に迅速に対応することも、金融機関としての信頼・信用を確保するのも不可能である」(ヤップ氏)

 ITインフラ刷新に着手したメイバンク シンガポールでは、データセンターのホスティングパートナーとして、NTTコミュニケーションズとディメンションデータを選定。2つのデータセンター(本番/バックアップ)を新たに開設し、今年7月に旧インフラからのマイグレーションを完了した。

メイバンク シンガポールのITインフラ改革プロジェクトでは「単一障害点の除去」と「将来のアクティブな活用に対応するデータセンタープラットフォーム」という2点が大テーマとなった

 99.98%の可用性レベルを有する新しいデータセンター(Tier 3)には、優れた物理セキュリティや安定した電源供給、高効率のバックアップシステム、高い仮想化能力など、同行が求めた機能と性能がすべて凝縮されている、とヤップ氏は胸を張る。「この新たなICTインフラにより、ビジネスの俊敏性向上や、オペレーション・リスク/コンプライアンス・リスクの低減、ビジネス回復力(ビジネス継続性)の強化など、さまざまなビジネス・メリットが得られると確信している」(同氏)。

破壊的イノベーションはあらゆるフィールドで起こしうる

 再び壇上に立ったワン氏は、イノベーションの土台としてのクラウドの重要性、利便性の高さをあらためて強調した。これからもクラウドを土台として、モビリティやビッグデータアナリシス、IoTなど多くの革新的なサービスが生まれ、劇的な変化が巻き起こると見ているという。

 そうした「劇的な変化」が多岐にわたる領域で始まりつつあることを示すために、ワン氏は講演の締めくくりとして、IoT、モビリティ、クラウドを組み合わせたイノベーションのアイデアを1つ挙げた。それは湿度をセンシングし、クラウドを介して両親のスマートフォンに“お漏らし”を通知するという、乳幼児用のオムツセンサーだという。

センサー/IoT、モビリティ、クラウドを組み合わせることで、オムツでさえイノベーションの対象になりうることをワン氏は示した

 このアイデアが“破壊的なイノベーション”を巻き起こすかどうか、現時点では未知数である。だが、イノベーションの大きな可能性はあらゆるフィールドに存在し、破壊的なイノベーションはいつ、どのフィールドで起きても不思議ではないことは確かだろう。

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