事例もテクノロジーも満載!NTT Com Forum 2014 第4回
クラウドエバンジェリストがオープンデータを語る理由とは?
オープンデータってなに?NTT Comの林さんが教えてくれた
2014年10月10日 10時00分更新
オープンデータの成功を支えるエコシステム
オープンデータ成功の鍵として林氏が説明したのがエコシステムだ。オープンデータの成功は、データを提供する事業者、仲介する事業者、サービス化する事業者、そして利用者などが相互にメリットを得られるエコシステムが不可欠になる。海外では、すでにこうしたエコシステムが構築されつつあり、ユニークな業種・サービスも登場しつつあるという。
まずはデータの提供者。オープンデータでのデータ提供者はやはり政府や自治体が多いが、最近では民間企業も増えている。日本でもJR東日本やTSUTAYA、NTTドコモ、トヨタ自動車などが有料も含めたデータの提供を開始している。
一方でデータを適切に公開・提供するための「データアグリゲーター」も海外では増えている。DataMarketやBlueKaiのようにデータの取引を仲介するマーケットプレイスやデータブローカー、SocrataやCKANのようなデータの提供を支えるプラットフォーム事業者、さらにAPIを使ったサービス化を進めるデベロッパー、大学や研究機関なども重要なプレイヤーだ。
さらにファンドも不可欠。林氏は「海外ではオープンデータでビジネスを展開する事業者への投資が出ている。ファンドが入ってきて、エコシステムが回り始める」と説明し、日本でもこうしたエコシステムの構築が不可欠だと指摘する。
オープンデータのプロジェクトを支えるNTT Comのクラウド
こうした中、NTTコミュニケーションズはプラットフォーム事業者としてオープンデータの公開・提供を支えている。実際、オープンデータを使ったビジネスを検証すべく、80社あまりの中小企業にクラウド環境と統計情報をセットで提供した「クラウドテストベッドコンソーシアム」でも、同社のCloudnが採用されたという。
Cloudnが採用された理由は、転送量が無料、PaaS系のサービスを提供していること、インフラ基盤の堅牢性、そしてオープンデータ政策についての知見などが背景にある。「これが起爆剤となって、いくつかの事業者さんで使われるようになった」とのことで、総務省の災害情報の実証実験、ICT街づくり事業、オープンナレッジファウンデーションジャパンとの連携のほか、NHKでも取り上げられた「富岳3776景」でもNTTコミュニケーションズのクラウドが用いられているという。林氏は「政府や自治体と連携をとりつつ、オープンデータのビジネスを支援していきたい」と語り、25分の講演を締めた。
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