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小5女子も入賞!! - U-22プログラミング・コンテスト結果発表

2014年10月07日 22時00分更新

文● 大河原克行

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入選作品20作品のプログラマーたちが最終プレゼンテーション

 U-22プログラミング・コンテストは、昨年までの34年間、経済産業省の主催で開催されてきた「U-20プログラミング・コンテスト」を、対象年齢を22歳以下にまで拡大。運営事務局を一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)に置き、「日本のプログラミング学習熱を高めよう」をコンセプトに、自らプログラミングを学び、日本の未来を創る若者を応援することを目的に開催した。

 7月1日〜8月22日までの募集期間中に、221作品の応募があり、その中から選ばれた入選作品20作品のプログラマーたちが、10月5日午前11時45分から最終審査会会場となった秋葉原UDX GALLERY NEXT-1において、最終プレゼンテーションを行ない、プログラミングの質を競い合った。表彰会場には、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、オービックビジネスコンサルタントの和田成史社長なども駆けつけた。

 作品については、プログラミング言語は問わず、自ら制作したコンピュータプログラミング作品であることが条件。個人、団体のいずれでも応募が可能で、プログラミング言語、ユーティリティ、学習&教育、インターネット&通信、ゲームなどを実行可能にした作品が募集の対象となっていた。

 また、作品のアイデアに新規性や独創性があること、使ってみたいと思わせる魅力、有用性があること、画面が見やすいなど、インターフェースが優れていること、プログラミングに工夫がなされていることなどが審査対象となった。

応募数は昨年の2倍。応募作品のレベルの高さを評価

 主催するU-22プログラミング・コンテスト実行委員会の青野慶久実行委員長(サイボウズ社長)は、「社会を変えるのはプログラミングある。モノを買うのも、売るのも、電話をかけるのもプログラミングなしには成り立たない。それにも関わらず、日本ではプログラマーを重視する機運が高まらない。英国では、プログラミングを義務教育の中で行なうといった動きもある。今回参加した小学5年生が『これからどこに進むにもコンピュータが必要』といっていた。プログラミングを書ける人が、楽しく、明るい社会に変えていってほしい」とした。

U-22プログラミング・コンテスト実行委員会の青野慶久実行委員長

 また、「応募数は221作品と昨年の2倍。来年はさらに増えることを期待している。このプロコンはなくなるかもしれない運命にあったが、一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)が継続運営に手をあげて、存続することになった。その後、私が実行委員長に任命されたが、大きなプレッシャーがあった。だが、これだけ盛り上がることができ、運営に携わった方々に感謝したい」と述べた。

 青野実行委員長は、6月に行われたU-22プログラミング・コンテストの開催告知に伴う公開対談で、「へんなプログラムやぶっ飛んだブログラムの応募を期待したい」と語っていたが、「ぶっ飛んだプログラムが数多く応募されており、期待通りの成果となった。なかには、これはやれられたと思うものもあった」と、応募作品のレベルの高さを評価した。

審査は僅差であり、つらい選択もあったが、潔く決めた

 審査は、尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科の小泉力一教授を委員長とした審査委員会が厳正に行なった。

 審査委員は、東京電機大学・日本工業大学・東洋大学非常勤講師の新井誠氏、NPO法人日本ネットワークセキュリティ協会 SECCON実行委員長の竹迫良範氏、独立行政法人 情報処理推進機構 未踏IT人材発掘・育成事業 プロジェクトマネージャーの藤井彰人氏、一般財団法人Rubyアソシエーション理事長のまつもとゆきひろ氏の4人が務めた。

 審査委員長を務めた尚美学園大学 芸術情報学部 情報表現学科の小泉力一教授は、「審査は僅差であり、つらい選択もあったが、潔く決めた。参加者の中からは、『プログラミング(ソースコード)は何が書いてあるのか分からないから、分かりたい』という理由で始めたという話を聞いた。

審査委員長を務めた尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科の小泉力一教授

 そこから始まり、作ること、さらには自分を表現するモチベーションがあれば、プログラミングはもっと身近なものになるといえる。ぜひ、将来の日本を支えるIT人材になってもらいたい。そして、明日を作る人材になってもらいたい。その点からも、今回の評価は、どの賞も同じだと思ってもらっていい」と述べた。

 また、「今回の参加者が生まれていない頃から実施しているのがこのコンテスト。若い力を大人が見守っていくという意味でも、このコンテストを継続する意味がある。スポンサー各社に気前よくバックアップしてもらい、CSAJには運営面でも支援してもらった。U20からU22に引き上げことにも意味がある。幅が広がり、可能性を見いだすチャンスを高めることができた」などと語った。

 審査員であるまつもとゆきひろ氏は、ビデオメッセージを通じてコメント。「すばらしい作品が多く、どれが選ばれもおかしくない。私好みのプログラミングもあり、楽しい審査であった。応募者の発想と努力に敬意を表したい。プログラミングは、楽しいものであり、社会を変えていく可能性があるもの。プログラミングを使って人生を豊かにしてほしい」とした。

ビデオメッセージを贈ったまつもとゆきひろ氏

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