多少小粒な再現ながらも解像感の高い
スタンダードモデルの「XBA-A2」
続いては、スタンダードなモデルの「XBA-A1/A2/A3」だが、今回はその代表として「XBA-A2」(10月18日発売 予想実売価格2万8000円前後)を聴いてみた。
12mmのダイナミック型ウーファーと2個のBAユニットを採用したモデルで、BAユニットはXBA-Z5と同じものを採用。構成もフルレンジ+HDスーパートゥイーター(振動板はアルミ合金)となる。
基本的にはXBA-Z5の技術を踏襲しつつ、より身近な価格を実現したモデルと言える。ダイナミック型のウーファーは口径が12mmとなり、LCP(液晶ポリマー)フィルム製ではあるが薄膜アルミコートは採用されていない。
デザイン的にはZ5と共通したものとなるが、ハウジングの素材は樹脂製となる。こちらは、耳の上にコードを通す装着ではなく、一般的なコードが下にぶらさがるタイプのケーブルが付属する。
そのため装着方法は異なるが、ハウジングもやや小さくなっていることもあり、頭を動かしてもズレるようなことはなく、フィット感などにはほとんど差がなかった。
試聴した感想を一言で言うと、鮮明で解像感の高い鳴り方となる。XBA-Z5と比べるとスケール感は小さめとなるものの、音の粒立ちは鮮明でホールの響きのような微小な音までしっかりと再現できる。
どちらかというと、XBA-Z5はカナル型でありながらオーバーヘッド型に近い雄大なスケール感が得られ、音質的にも高忠実度を重視したものだが、XBA-A2はいわゆるカナル型イヤフォンの特徴である高解像度でキレ味のよい音に仕上がっていると感じる。従来のソニーのカナル型を使っている人にはこちらの方が馴染みやすい音とも言える。
ただし、個々の音の再現性の自然さや聴き心地のよい丁寧な感触など、音色が精密に再現されている感じは、XBA-Z5に近い質感。情報量の豊かなハイレゾ音源の再生を重視し、よりきめ細やかな再現が向上している。
PHA-3と組み合わせると音場の緻密さが向上
こちらもコードを着脱できるので、前述のバランス接続用の別売コード(MUC-M20BL1)を使ってPHA-3と組み合わせて聴いてみた。
XBA-A2では音場の広がりの向上よりも、音の粒立ち感やステージの立体感がより高まり、音場の緻密さがさらに高まった印象。
価格的には、XBA-2に組み合わせるにはPHA-3はやや高価(予想実売価格10万円前後)という気もするが、低音のエネルギー感や音像の厚みなどが加わることで、かなり聴き応えのある音になる。解像感の高さやキレ味のよさといったXBA-A2の持ち味もよく引き出されている。
(次ページへ続く、「イヤフォンがBluetoth対応になる交換ケーブルも試した!」)
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