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仮想化スキルなしで運用できる“超”垂直統合製品で新市場を狙う

ネットワン、国内初「EVO:RAIL」アプライアンスを10月発売

2014年09月29日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットワンシステムズは9月26日、ヴイエムウェアとのOEM契約に基づく統合インフラ製品「NetOne Integrated System Appliance for VMware EVO:RAIL」を発表した。EVO:RAILのOEM製品としては国内で初めて、10月1日より販売・出荷を開始する。

ネットワンが発表した「NetOne Integrated System Appliance for VMware EVO:RAIL」。前面にはSAS HDD/SATA SSD用の2.5インチスロット×16。「Virtual SAN」を利用するため、外部に共有SANストレージは不要
本体背面。4ノードのXeonサーバーモジュールと電源モジュール(中央)が配置されている。なおEVO:RAILは4台まで拡張(クラスタ化)、統合管理が可能

 EVO:RAILは、ヴイエムウェアが8月の「VMworld 2014」で発表した、サーバー/ストレージ/ネットワーク/仮想化基盤ソフト/管理ソフトを統合した“ハイパーコンバージドインフラ”製品だ(関連記事)。2Uサイズの筐体に4ノードの2wayサーバーを収容し、「VMware vSphere」や「Virtual SAN」「vCenter Server Appliance」などのソフトウェアを統合済みの状態で提供する。また、導入/初期設定や運用作業は、EVO:RAIL専用ツール「EVO:RAIL Deployment Configuration and Management」によって大幅に自動化/簡素化されており、「電源投入から15分でセットアップが完了する」(ネットワン)のが特徴。

 内蔵する4つのサーバーノードは独立しており、1ノードあたり「Xeon E5-2620 v2プロセッサ」(6コア/2.10GHz)×2、192GBのメモリ、合計14.4TBのHDD、1.6TBのSSD(リード/ライトキャッシュ用)、10GbE×2と1GbE×1(管理用)を搭載している。ネットワンでは、1台のEVO:RAILで仮想サーバーを約100台、仮想デスクトップならば約250台を収容できるとしている。

 同製品の販売価格は3000万円から(税抜、3年間の保守費用含む)。ネットワンのオペレーションが仮想/物理環境に対する遠隔モニタリングを行うサービスも標準でバンドルされている。

 ネットワンでは同製品の販売(直販)ターゲットとして、クラウドサービス事業者や官公庁/自治体、中~大規模企業を挙げている。また、クラウドサービス事業者やネットワンパートナーズのパートナー企業(SIベンダーなど)との協業を通じて、全国の“仮想化ニーズ”へのアプローチを図っていく。

仮想化スキルを備えた専門家の不足が背景に

 ヴイエムウェアでは、EVO:RAILに関して複数のOEMパートナーを発表しているが、ネットワン以外はすべてサーバーベンダーである。これまで20年以上にわたってネットワークインテグレーターとして活動してきたネットワンが、自らEVO:RAILの提供に乗り出す狙いはどこにあるのか。

 発表会に出席したネットワン 執行役員・CMOの篠浦氏は、同社が顧客のクラウド導入/構築を支援する“クラウドビルダー”としての競争優位性を確保するうえで、「EVO:RAILが戦略的コンポーネントになる」と説明した。

ネットワンシステムズ 執行役員・CMO(最高マーケティング責任者)篠浦文彦氏

 国内企業においてもサーバー仮想化のメリットは広く理解されるようになったが、現実には「スキルを持った専門家が不足していること」や「導入や運用が容易でないこと」が障壁となって、導入が思うようには進まない市場領域があると、篠浦氏は語る。導入/運用の容易さによってその領域をカバーし、「仮想システム導入の裾野を広げる」(同氏)のがEVO:RAILというわけだ。

専門人員が配置できる顧客であれば独自構築、あるいは既存の垂直統合システムの導入でカバーできる。EVO:RAILは導入/運用の容易さと価格の安さがポイントだ

 今後、他のサーバーベンダーからも同じスペックのEVO:RAILが登場してくるため、ネットワンでは当然、インテグレーターとしての経験を生かしたソリューション展開も視野に入れている。たとえば、ヴイエムウェアの「vCloud Air」など、vSphereベースのパブリッククラウドと、プライベートクラウド/オンプレミスのEVO:RAILを接続した「ハイブリッドクラウド構築」、VDI(仮想デスクトップ環境)のエントリーパッケージとしてEVO:RAILを活用する「ワークスタイル変革ソリューション」などを想定している。

 EVO:RAILはどの市場で大きな売上を得そうかという質問に対し、篠浦氏は「台数で言うと文教・自治体市場が多いと見ている」と語った。これまで同市場において、仮想化スキルのある構築/運用担当者がいないという理由から、VDIなどの仮想化システム構築プロジェクトが中断したケースが幾つもあるという。EVO:RAILの投入により、こうした課題が解決できるだろうと篠浦氏は述べた。

これまで仮想化基盤を導入したくてもできなかった領域が、EVO:RAILの投入によって新たなターゲット市場となる

 ネットワンでは、同製品の売上目標を「2014年度で30億円」としている。

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