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ソニーのハイレゾワールド第二章! 進化したヘッドフォンを検証!! 第1回

ドライバーから刷新! ソニーのハイレゾオーディオ新製品をまるっと解説!

2014年09月29日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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実売2.7万円~のウォークマンAシリーズも
ハイレゾ再生に対応!!

「NW-A16」

世界最小・最軽量のハイレゾプレーヤー「NW-A16」

 まずは新しいウォークマンAシリーズ(11月8日発売)から紹介しよう。内蔵メモリー64GBの「NW-A17」(実売予想価格 3万8000円前後)と、内蔵メモリー32GBの「NW-A16」(同2万7000円前後)の2モデルをラインナップする。

 ハイレゾ音源に対応した携帯プレーヤーとしてはおそらく最安クラスとなる製品で、ハイレゾ音源をより身近に楽しめるモデルと言えるだろう。

 サイズは幅43.6×奥行8.7×高さ109mmで重量は約66gと、ハイレゾ対応機としては世界最小・最軽量というのが最大の特徴。

分解モック。ボディーはアルミダイキャストを採用。高い剛性を実現している

分解モック。ボディーはアルミダイキャストを採用。高い剛性を実現している

 フルデジタルアンプS-Master HXを搭載し、CD品質の音源もハイレゾに近い音質で再現できるDSEE HXも盛り込まれるなど、ソニーのデジタル技術を数多く継承。ハイレゾ音源対応ということで、最上位モデルのNW-ZX1と同じ設計手法による低抵抗のケーブルや高音質コンデンサーなどを採用し、音質の実力も高めている。

ハイレゾ音源再生の設定。ダウンサンプリングするか、ソースをそのまま再生するか選べる

ハイレゾ音源再生の設定。ダウンサンプリングするか、ソースをそのまま再生するか選べる

 それでいて、ハイレゾ音源の再生でも最大約30時間もの長寿命も実現。コストパフォーマンスだけでなく、使い勝手の点でも大幅な進化を果たしている。

ホーム画面。FMラジオなども内蔵する

ホーム画面。FMラジオなども内蔵する

 基本的な機能は、従来のAシリーズを踏襲しており、楽曲の購入などは単体で行なえず、PCとUSB接続してメモリーに転送する。音楽再生のほか、写真の表示、FMラジオ機能なども備えるほか、BluetoothやNFCにも対応する。

オーバーヘッド型は大口径70mmユニット
を搭載したMDR-Z7に注目!

「MDR-Z7」

6万円という高い価格帯に投入した「MDR-Z7」

 オーバーヘッド型の最上位となるMDR-Z7(10月18日発売 実売予想価格6万円前後)は、耳全体を覆うサイズの70mmドライバーユニットを採用したモデルだ。再生周波数帯域は4Hz~100kHzで、インピーダンスは70Ω、感度は102dB/mWとなる。

中央の黒い振動板がアルミニウム薄膜コーティングを施したもの

中央の黒い振動板がアルミニウム薄膜コーティングを施したもの

 70mm振動板はLCP(液晶ポリマーフィルム)振動板にアルミニウム薄膜コーティングを施したもの。2つの素材を組み合わせることで低域から高域までの内部損失をさらに向上させ、音質を向上した。

 配線には、OFC(無酸素銅)に銀コーティングを施した銀コートOFC線を採用するなど、質の高いパーツや素材を贅沢に採用している。

MDR-Z7のハウジング部分。下部にある大きめのダクトがハウジング内の空気の流れを調整するポート。ケーブルは着脱式で左右独立となる。別売のバランス接続ケーブルの接続にも対応している

MDR-Z7のハウジング部分。下部にある大きめのダクトがハウジング内の空気の流れを調整するポート。ケーブルは着脱式で左右独立となる。別売のバランス接続ケーブルの接続にも対応している

大きめのイヤーパッドの奥に見えるのが、70mm口径のドライバー。オーバーヘッド型としても最大クラスの大口径だ

大きめのイヤーパッドの奥に見えるのが、70mm口径のドライバー。オーバーヘッド型としても最大クラスの大口径だ

 大型のハウジングは、下部にポート(通気孔)を設けてハウジング内の空気の流れを調整し、振動板の動作を最適化するビートレスポンスコントロールを採用。イヤーパッドも立体縫製とし、パッドが内側に倒れ込む構造を採用。合わせて下側のパッドの厚みを増すことで装着性と気密性を高めている。

デザイン的には従来のMDR-1Rとほぼ変わらない「MDR-1A」

デザイン的には従来のMDR-1Rとほぼ変わらない「MDR-1A」

 続いては、新しい主力モデルと言える「MDR-1A」(10月24日発売 予想実売価格 3万円前後)、そして「MDR-1ADAC」(10月24日発売 予想実売価格4万円前後)。従来モデルの「MDR-1RMK2」の基本デザインは踏襲している。

振動板は従来のLCPにアルミニウム薄膜コーティングを施したものを採用

振動板は従来のLCP(中央)にアルミニウム薄膜コーティングを施したもの(左)を採用

 再生周波数帯域はMDR-1Aが3Hz~100kHz、MDR-1ADACは4Hz~100kHz(アナログ接続時)、4Hz~40kHz(デジタル接続時)。インピーダンスはともに24Ω、感度はMDR-1Aが105dB/mW、MDR-1ADACが102dB/mW。ドライバーは口径40mmで、MDR-Z7と同じくアルミニウムコートLCP振動板を採用する。

MDR-1ADACはハウジング部にUSB端子などを装備

MDR-1ADACはハウジング部にUSB端子などを装備

 MDR-1ADACはソニー独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載している。PCなどとのUSB接続時は最大192kHz/24bitおよびDSD2.8/5.6MHz(PCM変換)に対応する。このほか、ウォークマン、Xperia、iOS端末などとのデジタル接続にも対応する。細かい部分だが、こうした電気回路の採用などのためか、銀コートOFC配線を採用するのはMDR-1Aのみとなる。基本的な構成は共通と言えるが、スペックにも多少の違いがある。

 従来のMDR-1RMK2シリーズでは、派生モデルとしてアクティブ型のBluetooth対応モデルやノイズキャンセリング機能付きモデルがあったが、今回はDAC内蔵モデルのみ。これはよりハイレゾ音源の再生にふった製品ラインナップと言えるだろう。

次ページへ続く、「インナーイヤー型モデル&ヘッドフォンアンプ

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