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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第175回

iPhone 6を見せびらかせて自慢する技

2014年09月25日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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「カメラすごくなった?」
「使いやすくなったよ」

 カメラの画素数は800万画素とiPhone 5/5sと同じ。しかし、アップルが性能据え置き、ということをするはずがない。もちろんいろいろと強化されている。すぐに体感するのは、オートフォーカスのスピード。ピントが瞬間的に合わせられるのだ。iPhone 6 Plusには光学式手ぶれ補正機能も搭載されており、暗いところでの撮影やとっさのシャッターチャンスにも対応できる。

 個人的に、大ヒットなのがフォーカス後に、明るさを調整できる機能。これまではフォーカスしたいポイントをタップすると、自動で写真全体の明るさが調整された。しかし、ピントを合わせたいところと、露出を取りたいところが同じとは限らない。iPhone 6では、フォーカスを合わせた後に、指を上下にスライドさせることで明るさを調節できるのだ。逆光での撮影の時に活躍してくれるだろう。

 ちなみに、一般的に一番食いつかれたのが、このカメラ機能だ。写真を撮っているときや撮った後に表示した時に、「すごい綺麗!」と何度も言われた。確かに性能は向上しているが、撮影機能そのものが大きく進化したわけではない。おそらく、大きなディスプレーの表示にインパクトを受けているだけと思われる。とはいえ、水を差してもしょうがないので、黙っているべき。

写真を撮っていると「綺麗~」と言われる。とは言え、それほどカメラ機能が向上しているわけではない

撮影中にフォーカスを合わせ、指を上下にスライドさせると明るさを調整できる

左から、標準、一番暗い、一番明るい状態にしたところ

「バッテリー持つの?」
「持つよ!」

 iPhone 6のディスプレーが大きくなっているので、バッテリー消費もその分大きくなっている。しかし、バッテリー容量もiPhone 5sの1570mAhから1810mAhにアップしているらしいので、最大連続通話時間は14時間と長くなっている。待ち受けは最大10日間と変わらないが、ネットや動画再生時間も1時間伸びて11時間利用できる。

 iOS 8の機能なのだが、バッテリーの使用状況を細かくチェックすることも可能になった。「設定」の「一般」→「使用状況」から「バッテリーの使用状況」を開くと、アプリごとのバッテリー消費量が確認できる。バッテリーを食うアプリを確認し、残量が心もとなくなった時には使用を控える、ということもできる。

筆者の端末で確認したところ、上位はゲームだった

「何色がいいと思う?」
「ゴールドおすすめ」

 iPhone 6はスペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色が用意されている。男性にはスペースグレイ、俗に言う「黒」が人気。アップルの公式サイトでもメインで押されているカラーで、ベゼルが黒く渋い。シルバーは、前面のベゼルは白になっている。

 とは言え、筆者的にはゴールドがお気に入り。iPhone 5sでもゴールドを選んだのだが、シャンパンゴールドのような上品な感じでやや物足りなかった。しかし、iPhone 6のゴールドは正直一回り下品になり、とても派手になった。もちろん、iPhone 6もゴールドにして、大満足。

 なお、各量販店の在庫を見ると、スペースグレイとゴールドからなくなっているようだ。

iPhone 6のカラーバリエーション

iPhone 5sと6のゴールドモデル。iPhone 6の方が派手な金色になっている

「やっぱり速い?」
「超速いよ」

 筆者は、iPhone 5くらいから、CPUの性能には不満を持っていなかった。昔のAndroid端末のように操作が引っかかるようなことはないし、スムーズに動く。重い処理を行なうゲームの待ち時間も短くなり、文句なし。しかし、iPhone 6を見ると、よくスピードに関して質問される。

 iPhone 6のCPUはA8プロセッサで1.4GHzで動作しているとのこと。iPhone 5sのA7プロセッサは1.3GHz動作。コア数やキャッシュ、メモリなどは同じなので、あまり変わっていないように見える。とは言え、体感的に明らかに速くなっていることは確か。そこでベンチマークアプリでチェックしてみた。

 結果は、iPhone 5sと比べるとCPU性能が1~2割アップという感じ。体感的にもそのようなものだ。「やっぱり速くなってる?」という質問には「速くなってるよ!」と答えればいいだろう。

左がiPhone 5s、右がiPhone 6。シングルコアのスコアが1413から1627にアップ、マルチコアが2552から2913にアップした(使用アプリ:「Geekbench 3」)

左がiPhone 5s、右がiPhone 6。トータルスコアは5072から5556にアップ。個別項目では、CPUが35937から45767へ、ストレージは19219から27882へ向上しているが、メモリーとグラフィック機能は横ばいだった(使用アプリ:「PerformanceTest Mobile」)

 ちなみに、通信速度の話で言うと、iPhone 6は多彩な周波数に対応し、ソフトバンクやauでは高速化が期待されている。さらに無線LAN機能も802.11acに対応し、802.11nと比べて約3倍速くなっている。とはいえ、これらの実証は時間がかかるので、また別の機会にご紹介しようと思う。

「おサイフケータイとして使える?」
「将来はね」

 iPhone 6にはNFCが搭載されるので、おサイフケータイとして使えるようになると思っている人が多い。とは言え、近々の話でいうなら、非対応。今のところはおサイフケータイとして使うことはできない。

 Appleは「Apple Pay」というサービスを発表している。対応端末を導入した店舗のレジでiPhone 6をかざすと、登録してあるクレジットカードで決済できるのだ。認証は指紋センサーに指を置いていればOK。サインや4ケタのコードを入力する必要がない。しかし、このサービスはアメリカからスタート。日本での開始は未定だ。

「すぐ買った方がいい?」
「並ばず買えるならお勧め」

 新しいiPhoneは相変わらず、最高のスマートフォンに仕上がっている。iPhone 5sとの違いとしては、ディスプレーサイズ以外のインパクトは小さい。それでも、買って不満のない端末であることは確かだ。

 iPhone 5sの割賦金が半分以上残っていたり、今すぐに無理に並んで手に入れることはないかもしれないが、待たずに店頭で買えるなら、お勧めして問題なし。

iPhone 6を見せびらかすために、どこでもチェックイン!


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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