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サーバーサイドフラッシュのクラスタ化ソフトなど新製品を紹介

10TB HDDやNVMe SSDも!HGSTがデータセンター向け戦略を語る

2014年09月24日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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10TB HDDの投入と「アクティブアーカイブ」の提唱

 さらに今回HGSTでは、ヘリウム充填と「SMR(Shingled Magnetic Recording)」技術を組み合わせた10TB HDD製品のサンプル出荷も開始した。ただしSMRは、高密度書き込み(=大容量化)を実現する一方でシーケンシャルな書き込みしかできない(ランダム書き込み不可)技術であり、この製品は「コールドストレージ向け大容量HDD」という位置づけとなる。

 コリンズ氏は、HGSTが「アクティブアーカイブ」と呼ぶ新たな領域について説明した。従来のストレージシステムでは、常にデータアクセスが可能なオンラインのHDDか、容量単価が安く電力も消費しないがデータアクセスに時間のかかるオフラインのテープメディアかという“二者択一”だった。この中間でギャップを埋めるのが、アクティブアーカイブの役割だ。

「アクティブアーカイブ」層の位置づけ。アクセス性を維持しながら容量単価や電力消費を抑え、HDDとテープの間のギャップを埋める

 現在のビジネスITでは、過去何年分もの膨大なデータを単にアーカイブするだけでなく、それを解析して「ビジネス価値」を引き出すことが求められるようになっている。この点を指摘したタン氏は「過去のストレージとは異なる責務がある」と述べ、アクセス性も確保したアクティブアーカイブの取り組みが重要であることを私的した。

 なお今回、このアクティブアーカイブをハードウェア実装として提供する「Active Archive Platform」も発表されている。オブジェクトストレージ技術を持つAmplidata、Avereの2社をパートナーとして開発した製品で、1ラックあたり10PB以上のデータ容量密度(従来の5倍以上)を実現するという。この製品は現在、顧客評価中という段階だ。

「Active Archive Platform」は大容量で高い拡張性を持つ一方、低TCOを実現するアクティブアーカイブのプラットフォーム。APIを通じてオープンなアクセス性を提供するという

NVMe PCIe SSD、サーバーサイドフラッシュのクラスタ化も

 フラッシュストレージ領域ではすでに「Ultrastar」ブランドでSAS SSDを提供しているHGSTだが、今回は同ブランドでNVMe規格に対応した「Ultrastar SN100 PCIe SSD」シリーズのサンプル出荷開始を発表している。NVMeはPCIeバスに直結できる高速インタフェース規格で、SN100はハーフハイト/ハーフレングスのカード型、2.5インチドライブ型のモデルが提供される。

「Ultrastar SN100 PCIe SSD」シリーズを発表した。PCIe 3.0対応の高速フラッシュストレージで、最大容量は3.2TB

 また、複数のサーバーが搭載するPCIeフラッシュ(最大16台)をクラスタ化し、高速な共有ボリュームを提供するソフトウェア「HGST Virident Space」も発表した(先行顧客による評価中)。「フラッシュストレージは高価だが、他のサーバーとの共有ストレージ化して利用率を上げることで、コスト効率を高めることができる」(タン氏)。

昨年買収したViridentの技術に基づくソフトウェア「HGST Virident Space」。サーバーサイドフラッシュをクラスタリングし、最大128台のサーバーに最大38.4TBの共有ストレージを提供する

 タン氏は、ビジネス領域で重視される意思決定の加速のためにはアプリケーションの高速化が必要であり、フラッシュストレージは「より高速に」という顧客ニーズを満たすために強く求められていると述べた。HGSTにおけるエンタープライズSSDの売上は、FY2013から2014の1年間で43%成長したという。

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