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サーバーサイドフラッシュのクラスタ化ソフトなど新製品を紹介

10TB HDDやNVMe SSDも!HGSTがデータセンター向け戦略を語る

2014年09月24日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 米Western Digital傘下のHGSTは9月18日、米本社幹部が出席する事業説明会を都内で開催し、NVMe PCIe SSDやヘリウム充填型の8TB/10TB HDD、「Active Archive」ソリューションといった新製品群と、エンタープライズ/データセンター向けストレージ製品に関する戦略を語った。

説明会に出席したHGST コーポレートデベロップメント&ストラテジー担当SVPのデイブ・タン(Dave Tang)氏

同じく、HGSTプロダクトマーケティング担当VPのブレンダン・コリンズ(Brendan Collins)氏

今回発表された6つの新製品。HDD 3製品、NVMe SSDとサーバーサイドフラッシュのクラスタ化ソフト、さらに大容量アーカイブソリューション

“空気タイプ”HDDは現行世代まで、ヘリウム充填に完全移行へ

 エンタープライズ向け3.5インチHDDでは、新たに6TB HDD「Ultrastar 7K6000」、さらにヘリウム充填型の8TB HDD「Ultrastar He8」の販売を開始した。また、10TB HDDのサンプル出荷開始も明らかにしている。

新製品の6TB HDD「Ultrastar 7K6000」、ヘリウム充填型8TB HDD「Ultrastar He8」、さらにサンプル出荷開始の10TB HDD

 7K6000は従来型(空気が入ったタイプ)のHDDで、1.2TBプラッタ×5枚で6TBの容量を持ち、回転数は7200rpm、SAS 12Gbps(またはSATA 6Gbps)インタフェースを備える。前世代(7K4000)と比較して最大容量を50%拡大しているほか、33%優れた電力効率(1TBあたりのワット数)、最高で3倍速いランダムライト性能といった特徴を持つ。

 だが、発表会に出席した米HGST幹部のブレンダン・コリンズ氏は、これまで7世代にわたり進化してきた“空気タイプ”のHDDは「これが最後の世代になる」と説明した。今後2~3年は出荷を続けるものの、段階的にヘリウム充填型(「HelioSeal」技術)へと移行していく計画だ。

 空気よりも密度の低いヘリウムを充填することで、プラッタ回転時の抵抗が少なくなり、プラッタ数を増やす(=大容量化する)と同時に消費電力や発熱量を削減できる。そのため、大量のデータを保存しながら電力コストや冷却コストを押さえたいという大規模データセンターのニーズに適っている、とコリンズ氏は説明する。HGSTでは昨年、初めてのヘリウム充填型6TB HDDを出荷しているが(関連記事)、これは「すでに何十万台も販売された」(コリンズ氏)そうだ。

 今回新たに投入された8TBモデルのHe8では、従来型6TB HDD比で容量を33%拡大しつつ、動作電力は23%低い。「1TBあたりの電力消費に換算すると、4~5割も電力効率が向上する」(コリンズ氏)。

(→次ページ、10TB HDDの投入と「アクティブアーカイブ」の提唱)

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