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2014年09月21日 11時00分更新

文● 有馬桓次郎

人気の北上さまもこの通り、凛々しい姿で登場

本物の戦艦の設計図を配管一本まで反映
〈大和〉は高角砲1基だけで1200ポリゴン以上

―― 壁のディスプレーにはWorld of Warshipsの画面が写っているわけですが、この〈大和〉は高角砲1基だけで1200ポリゴン以上あるとのことですが。

TATIANA SAGIROVA(アートクオリティー スペシャリスト) 「考証と合わせて当時の図面通りに反映したものです。ポリゴン特有の線も、できる限り当時の装甲板の継ぎ目に合わせることで目立たなくしていますよ。〈大和〉全体では12万ポリゴン以上使っています」

宮永 「1ピクセルあたり縮尺で換算すると1インチだそうです。つまり配管一本から細かく反映されているわけですね。もちろん、日本の艦船には判らないことも多々あるわけで、今後掘り起こしていく必要があります。例えば、〈大鳳〉の甲板がどうだったのかとか、資料があれば喉から手が出るほど欲しいですね(笑)。

 とりあえずは、そういった意見が分かれる部分については『こうであっただろう』という内容を反映するようにしています。新資料が見つかれば、それをアップデートの際に反映させていくやり方ですね」

航空母艦〈大鳳〉……日本海軍の航空母艦。従来の艦より防御力に優れていたとされているが、甲板表面が木板であったのか、あるいはラテックス甲板であったのかは専門家でも意見が分かれている。


―― すごいなあ……この<大和>の甲板でFPSをやってみたいくらいですね!

宮永 「ステージになってもおかしくないレベルですよね(笑)」

―― (ゲーム画面の)背景は当時の呉軍港ですか?

宮永 「いえ、どこという指定はありません。ただ、軍港の写真は(開発拠点に)いっぱい持っていきましたので、それが反映されているのかもしれません」

―― 一隻につき資料はどれくらい必要になるのでしょう?

宮永 「もうあればあるだけ、天井知らずですね」

―― 水面下の形状とかもきっちり反映しているそうですね。バルバスバウとか、ビルジキールとか、スクリューの形状とかも。

宮永 「ええ。バルバスバウの形状が、私の持っていった資料とは異なるということでモメたりしていますよ(笑)。

 水面下までしっかり作りこむ理由は、それによってダメージ判定が変わってきますし、何より艦の運動性に大きく関わってくる部分ですので。もしかして将来的に〈ネルソン〉が登場したら、エラいことになるかもしれませんね(笑)」

戦艦〈ネルソン〉……艦前部に40.6cm三連装砲3基を集中配備するという変わった形状を持つイギリス戦艦。攻防力に優れてはいたが、この特殊な艦形のため運動性がきわめて悪かった。


開発拠点はバルチック海軍工廠があった旧レニングラード
スタッフは『連合艦隊を復活させる!』と意気込んで開発中

―― 今回の試遊では空母が使えませんでした。もしかして空母だけ、World of Tanksの自走砲のように他とは異なる操作が必要になるということでしょうか?

KOCOGLU 「そういうことです。操作法はまったく異なります。基本はRTSのような感じになると思います」

宮永 「World of Tanksと違うのは、まずマップの大きさが広いことですよね。そのなかで敵艦を発見したり位置を予想する必要があるわけで、空母は偵察や攻撃、そして敵機への対応など仕事がいっぱいあるわけです。

 艦隊のなかで、あくまで攻撃部隊として働くのか、それとも空の守りを固めるのか、空母を使うユーザーはそういった基本方針から考える必要があります。空母は戦略兵器みたいなものですから、その戦い方は戦艦とはスケールが違います。それをゲーム中で扱う以上、自分の動き方もしっかり検討しなきゃならないでしょうね」

World of Warshipsでは空母のみ操作方法が異なるなど、広大な戦場を支配するための重要な役割を与えられている(この画像では炎上中だが……)

―― だとするなら、クランウォーズとかになると空母の編成が非常に重要なものになりそうですね……!

宮永 「あとは魚雷攻撃が強烈なので、本気で水雷戦隊を組んでみるユーザーたちも少なからず出てくるんじゃないかと思いますよ。やはり単艦で戦っても勝てませんし意味がないゲームなので、戦隊を組んで戦うことを念頭に考える必要があるでしょう」

―― TATIANAさんがグラフィックのスペシャリストとして監修されたなかで最も苦労した点は?

TATIANA 「一番の問題は、参考資料がまったく足りなくなることです。例えばある艦の写真は2枚しかなく、写っていない部分をどうやって作ればいいのか悩んだり、とかはよく起こりますね。

 そんなときは歴史コンサルタントや造船エンジニアとチームワークを組んで解決するようにしています。我が社には造船エンジニアも3人いますので、彼らの意見も聞きながら、写真では見えない水面下の部分も再現するよう努力しています」

歴史家や造船エンジニアも、当時の技術で作るとしたらどんな形状に落ち着くのか、それぞれの視点からWorld of Warships開発に関わっているという

宮永 「World of Warshipsの開発拠点は、かつてバルチック海軍工廠が置かれていたサンクトペテルブルク(旧レニングラード)にあります。日本で言うなら呉のような町で、海軍の街として長年培われた造船魂がずっと受け継がれている場所なのです。

 現在、サンクトペテルブルクに海軍工廠はありませんが、そんな海軍への情熱がもう一度このゲームによって沸き立とうとしています。『コンピューターの中で、我々がもう一度連合艦隊を復活させてやる』。そんな強い思いでスタッフは頑張っていましたよ」

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