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アルペジオとのコラボ経緯、ガルパンコラボの手ごたえ、WoWsプレイ体験記など満載

「ガルパンとのコラボは日本で一番興味深い成功例」WoT運営CEOが語る

2014年09月21日 11時00分更新

文● 有馬桓次郎

World of Warshipsは背景も含め、プレイ画面とイメージカットの区別が付かないレベル。CGクオリティーは特筆物だ

Wargaming.netが誇る各タイトルのキーマンにインタビュー
「戦艦は恐竜と同じくすでに滅んでいる。だから復元作業が必要」

 続いては、World of Warshipsをはじめ、World of Tanks、Xbox 360 Edition、BLITZ、そしてGENERALSといった主要タイトルにおけるキーマンへの取材模様をお届け。

TGSのブースでは新ユニフォームの“WGショーガール”がお出迎えしてくれた

―― World of Warshipsから質問させていただきます。戦車と比べて艦船は絶対数が少ないので、第二次大戦期の実物というのは現在ほぼ残っていませんよね。それらの資料はどうやって集めたのでしょう?

宮永忠将(ミリタリーアドバイザー) 「まずWorld of Warshipsにラインナップする艦船の大前提ですが、1904年から1956年の間に計画・登場した艦ということになっています。これは日露戦争から始まり、やがて戦艦〈ヴァンガード〉に終わりが見えてきた頃までをカバーしています。

 仰る通り、当時の軍艦はほとんど残っておらず、いわば“恐竜”と同じですね。したがって復元作業が必要となってくるわけです。まず写真、そしてブループリントと呼ばれる各国の軍や造船所にある設計図、その他の資料をできる限り収集します。

 別々の艦でも艤装は共通しているものなので、それらを踏まえながら研究者の監修のもとパーツごとに復元し組み上げていくことになります。その最後のピースとして日本からのデータが積まれていった、という感じです。

 欧米のゲームですから、英語や欧州圏の資料はどんどん集まってくるのですが、最後に彼らが一番手に入らないのは日本語の資料なんですね。そこに私が収集した日本の資料を積み上げていく。

 グラフィックの監修を手掛けているTATIANA(タチアナ)さんは大学で学んでいるうちに日本語を話せるようになったのですが、同時に工作機械関連のエンジニアでもあります。つまり、集められた資料を基にエンジニアとしての視点でモデル化されていった、という流れになります」

戦艦〈ヴァンガード〉……史上最後に建造されたイギリス戦艦。第二次大戦終結後の1946年4月に完成したが、時代はミサイルと航空機の時代となっていて活躍の機会が得られないまま、1956年には練習艦となって生涯を閉じた。

第二次大戦期の艦船はもはや恐竜と同じく“滅びた存在”なので、限られた資料・痕跡からの復元作業が必須なのだという


―― 昨年9月にWorld of Tanksの日本ツリーが実装されたわけですが、8ヵ国目のツリーに関して構想はありますか? また、日本ツリーで重戦車などを追加する予定は?

OZAN KOCOGLU(ウォーゲーミングアジア プロデューサー) 「残念ながら細かいコンテンツの話はできませんが、ヨーロッパの国のツリーに関しては考えていますね。そして日本のツリーをさらに充実させることも考えています。来年ごろには何とかしたいですし、それに合わせてさらなるコラボレーションも検討したいと思っています。

 日本の重戦車に関しては、こちらのミリタリーおじさん(=宮永氏)のリサーチにかかっていますね(笑)。ご存知の通り、日本の重戦車の情報は非常に少ないので、今はその収集作業が非常に大変です。資料が集まり次第、実装していきたいと思っています」

―― でも、日本の重戦車なんて1940年代にはありませんよね?

宮永 「んー、まあペーパープランでちょこちょことあって、それに戦前の九一式重戦車や九五式重戦車を組み合わせる感じですかね。ドイツのツリーを見ても判るとおり、後半のTierは多くがペーパープランです。そういった展開を考えたときに、果たして日本ツリーがどういった感じになるのか。

 今年の夏に、各国支社のミリタリー調査担当が集まって話をしたのですが、彼らはとても日本に注目していました。他国のツリーに関しても常に議題には上がっていますよ」

他国からも「ガルパンMODを提供してほしい」という要望が

―― 日本と他国ではコラボレーションの方向性が違うと感じますが、ガルパンとのコラボが始まって1年、期待したような効果は上げられましたか?

KOCOGLU 「それは大変なものがありました。10月1日から新しいガルパンMODを追加するのですが、これはWorld of Tanks初の試みです。これまでWargaming.net社では、MODはユーザーが自由に作って楽しむものであって、オフィシャルで提供するものではないという考え方でした。

 (にもかかわらずMODが公式提供されるに至ったのは)1年間行なわれたガルパンコラボの効果が非常に高かった表れで、じつは日本だけでなく他国からもガルパンMODを提供してほしいという要望が非常に多かったのです」

ガルパンの新MODを導入すると、ガルパン登場戦車にアニメ版マーキングが施され、搭乗員グラフィックもガルパンでおなじみのキャラクターになる

―― 他国では、これまでどんなコラボが行なわれてきたのでしょうか?

KOCOGLU 「そうですね、例えばカード会社など、わが社のスポンサーとなっていただいている企業とのブランドとしてのコラボなら何度かありますが、アニメなどの別のコンテンツとのコラボはなかったことです。

 わが社が日本に進出する際に、こういったコラボが日本ではとても効果が高いということを学びましたので、そのステップを踏んだわけですね。他の国では、こういったコラボはまず見られません。

 さらにガルパンMODはゲーム内にも影響を与えるコラボですが、その点からみてもわが社としてはまったく初めての試みですね」

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