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最新パーツ性能チェック 第167回

「GeForce GTX 980/970」が誇る究極の性能とワットパフォーマンス

2014年09月19日 11時30分更新

文● 加藤 勝明

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軽いゲームに対する救済策
「DSR」

 ゲームを高画質で遊ぶ場合、「Watch Dogs」のようなハイエンドGPUを要求するゲームにターゲットを合わせると「League of Legends」や「ファイナルファンタジーXIV」のような描画が軽いゲームだと性能(投資)を無駄にしてしまう。

 このミスマッチを解消するNVIDIA独自の方策が「DSR」こと“Dynamic Super Resolution”、日本語版では「スーパー解像度」と訳される機能だ。

 この機能はゲームを超高解像度(4Kなど)でレンダリングした後に、画面解像度に合わせて縮小表示することで、本来の解像度では潰れてしまうディテールが見えるようになるというもの。

 フルHD液晶を使っているなら4K(3840×2160ドット)でレンダリングし、それをフルHDに当てはめて表示できる。もちろん単に縮小するだけでなく、変なジャギーなどが出ないようスムージング処理も適用したうえでの処理だ。

DSRを使わず「ダークソウル2」をフルHD液晶で表示した場合。頭の向こうに見えるススキ状の草の葉がジャギジャギになって汚く見える点に注目

DSRを使い同じシーンを表示したところ。DSR未使用時に比べて葉がきちんと描かれている点に注目したい。スクリーンショットは仮想解像度と同じ大きさになる

 上の画像は「ダークソウル2」での1シーンだが、細く尖った草の葉が所々途切れているのが分かるだろうか? 視線を動かすたびに途切れる場所が変化するため、実際に動かすとチラチラして不快だが、DSRを有効にするとこれが消え、細かい描写も鮮明になるというわけだ。

上の画像の一部を拡大したもの。DSR未使用時(左)では、草の葉の先端が途切れ途切れになっているのがわかる

 これまでもユーザー作成のMODで画質を向上させるものがあったが、NVIDIAはこれを機能の一部として取り込んだわけだ。この機能はゲームに対し透過的に働くため、ゲーム側の対応は必要ない。ただゲーム側の解像度の上限が低いと動作しないという制限はある。例えばゲーム側の解像度が仕様上1920×1080ドット止まりの場合、フルHD液晶では4倍のDSRは選択できない。

ゲーム側の解像度設定は液晶のそれではなく、内部的にレンダリングされる解像度になる。解像度に上限のある古いゲームだとDSRが使えない場合がある

GeForce Experience上ではスパナのアイコンをクリックすると「スーパー解像度」という項目が表示される。この解像度を選ぶことで自動的にDSRモードになる

 もちろんDSR使用中はGPUの負荷も相応に上昇する。今回試した4K相当の画質にするならば、GPU負荷も4K出力するのと同じ負荷がかかる。さらにスケーリングの負荷も上積みされるが、この負荷は全体の数%程度と小さい。

NVIDIAコントロールパネルでは“レンダリング解像度の倍率”という形で設定する。この倍率は液晶の解像度基準ではなく、1366×768ドット(16:9の場合)を1とした倍率のようだ

 今後第2世代Maxwellを使ったミドルレンジGPUが出てくると予想できるが、GTX980よりもスケールダウンしたGPUでDSRがどこまで使えるかは疑問が残る。ただGTX980のようなハイパワーGPUの活用法としては非常におもしろい。

ベンチ環境は?

 そろそろウンチクは止めにして、性能の検証に入ろう。今回はGTX970のサンプルボードが入手できなかったため「GTX980 vs. 過去のハイエンドGeForce」という対決をさせてみたい。検証環境は以下のとおり。

テスト環境
CPU Intel 「Core i7-4790K」(4GHz、最大4.4GHz)
マザーボード ASRock「Z97 Extreme6」(Intel Z97)
メモリー Corsair「CMY16GX3M2A2133C11」(DDR3-1600で使用、8GB×2)
SSD Crucial「CT512M550SSD1」(512GB)
ビデオカード GeForce GTX 780 Tiリファレンスカード
MSI「N780GTX Twin Frozr 4S OC」(GeForce GTX 780)
GeForce GTX 680リファレンスカード
電源ユニット オウルテック「AU-850PRO」(850W、80PLUS GOLD)
OS Windows 8.1 Professional(64bit)
グラフィックドライバー AMD_Cape_Verde_8.932.2_Win73(Radeon HD 7770/7750)
AMD Calalyst 12.1(Radeon HD 6770)
Force Ware 285.62(GeForce GTX 550 Ti)

 なお、比較用のGTX780だけリファレンス版の入手が間に合わなかったため、オーバークロック版を使用している点はご容赦いただきたい。

→次のページヘ続く (高性能なのに省電力

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