デジタル楽器らしからぬ操作系
スピーカー内蔵の本体サイズは、メーカー公表値で幅163×奥行き173×高さ101mm。著者が製品付属の電池を入れて実測したところ、重さは552gでした。片手で楽に持てます。
メーカー公式ムービーではカバンに入ってしまうドラムキットであることをアピール |
本体にもセンサーを内蔵しているので、クリップセンサーがなくても、単体で電子パーカッションとして成立します。たまご型の本体は、抱えて叩くのに丁度良い曲面を持ち、スピーカーの開口部を手で覆ったり開いたりしながら叩くと、フィルター効果がかかって、なかなかいい感じです。
デジタル楽器としては珍しく液晶ディスプレーもありませんが、ほとんどの機能がスイッチやつまみとして外に出ているため※、操作は非常にわかりやすいです。
※ オートパワーオフ機能のオン/オフのみ、PEDAL 1端子のペダルを押しながら電源ボタンを長押しで切り替えるという「デジタル楽器的操作」が必要です。
WAVEDRUM miniとの違いセンサーが拾う範囲とペダルの有無
クリップで挟んで音を出す電子パーカッションと言えば、同社の「WAVEDRUM mini」もあります(関連記事)。センサーが拾う入力音をそのままモデリングに使う独特の音源で、デジタル離れしたタッチの再現性は素晴らしいです。
CLIPHITの音源は、一般的なドラムマシーンと同じくサンプリングで、クリップセンサーが拾うのは、音の強弱のみです。
しかしながら、アタックの出方やリバーブの深さを上手くチューニングすることで、叩き方の強弱に合った音が出るよう工夫されているようです。叩く強さと音量の変化の具合に、さほど違和感はありません。
また、WAVEDRUM miniは本体のパッドとクリップセンサーの2音源しか使えません。タッチの強弱でハイハットとスネアを叩き分けられる音色も設定されていますが、素人が上手く叩き分けるのはなかなか難しいです。
その点、CLIPHITは音源別にセンサーとペダルが用意されているので、通常のドラムキットと同じ感覚で叩けるのが良いところです。
(次ページでは、「入力端子と音の関係」)