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最新小型ベアボーンPC活用術 第1回

手のひらサイズにミドルクラスGPU! ロマン溢れるBRIX Gaming

2014年09月16日 17時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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発熱と騒音は割り切る必要アリ

 高評価なベンチマーク結果を見てきたが、小型PCである以上、ベテランユーザーは冒頭から「熱と騒音、大丈夫なの?」と感じているハズ。次いで、長時間運用すると熱負けするのではないかとも考えただろう。半分は正解だ。爆熱であり、轟音である。

 テスト中に「基板だけ抜いて、大きいケースで冷やしたい」と思ったほどだ。あまりに分解しやすいので、GIGABYTEから「遊んでもいいんだゾ」というメッセージなのかもしれないが……ともあれ、単体での場合、騒音が気になると思っていい。これは5cmファン×2の高速回転によるものだ。

エアフローは、本体正面から見て左から右に抜けるデザイン。12cmファン×2でサンドイッチしたくなる

 まずは発熱量のチェックと長時間運用に耐えるのかの確認のため、FurMark v1.11.0とPrime95を同時に回して、CPUとGPUの負荷を100%にしてみた。エアフローが悪いと、10分ほどで挙動不審になるのだが、20分経過してもとくに問題らしい問題は起きず。温度はGPU-Z 0.7.8とCore Temp 1.0 RC6で見ていた。

 CPUは最大100度、GPUは93度と……心臓に悪い結果となった。しかし、そのまま走り続けていたので、ギリギリのラインで放熱設計ができているといえる。また上記状態で3時間放置してもOSが落ちることもなく、動作していたことも加えておく。

 といっても、FurMark v1.11.0とPrime95を同時に回した場合、熱負けしているかわかりにくいので、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編を5時間ほどループさせて、スコアを再計測してみた。このときの結果は先の結果と差はないものとなったため、長時間のプレイもOKと判断していいだろう。

FurMark v1.11.0とPrime95を同時に回してのテスト

ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編をウィンドウモード(1280×720ドット)で放置しているところ。GPU温度は92~94度間をうろうろしていた。CPUは92度前後といった結果に

アイドル時はCPU49度前後、CPU46度前後と平和なものである

 そして騒音である。アイドル時は気になるものではないが、少し負荷がかかるだけでファンが元気よく回転するため、基本、騒音とセットだと考えるしかない。ハイエンドのビデオカードが近くにある状態とでも言おうか。インパクトとしては、GeForce FX 5800のヘアドライヤー級騒音に迫るものがあった。テスト時に筆者脳裏に浮かんだのは、下の動画だった(笑)


NVIDIA自身が作った「GeForce FX 5800」を茶化すビデオ。後継の「GeForce FX 5900」発表時に披露された

 騒音計測結果を見てみると、環境騒音37dBの状況下で、アイドルは41dBと気にならないレベルのものだったが、ベンチマーク時には49dBと露骨にうるさくなると感じる結果になった。6dB増えると2倍、12dBで4倍うるさいため、数値からも想像はつきやすいと思う。

計測は、上海問屋で入手できる小型デジタルサウンドレベルメーター「DNSB-69428」を使用している。距離70cmのところから騒音値を計測した

 ただPrime95単体での結果からすると、普段使いの範囲であれば騒音については、ギリギリではあるがごまかしの効く範囲だ。もしくは、遠くに本体を置いておくだとか、VESAマウントを利用してパネル裏に設置し、耳に届く騒音を減らすといった対処もできる。

計測したデータ。ゲームプレイ中は騒音がどうにも気になるレベルなので、割り切りもしくは対処が必要となる

ちょっと改造したくなる不思議

 GIGABYTE「GB-BXI5G-760」は超小型PCベアボーンでありつつ、NVIDIA GeForce GTX 760を搭載するという、ロマン溢れすぎなキットだ。それゆえに騒音と発熱がネックとなるが、負荷テストを見る限り熱によるパフォーマンス低下には遭遇しなかったため、自作PCファンであれば改造したくなるものと思われる

 構造を説明したように、ケースから基板を取り出すのはとても容易なので、12cmファンでサンドイッチしてみるのもいいし、Mini-ITX向けのケースに移植してみるといった遊びにも適している。

ベアボーンという初心者向けの製品にもかかわらず、使っていると分解改造をしたくなるので、上級者向きといえる

 もちろん、そのままの運用も可能だが、騒音を我慢できるか、もしくは対処できるかがポイントになるだろう。そんなこともあり、冒頭で初心者向けではないと述べたわけだ。

 カンタンな組み立てがウリな小型PCベアボーンだが、BRIX GB-BXI5G-760に至っては、あちこちイジりたくなる不思議な魅力がある。普通の自作PCに飽きてきているのであれば、BRIX GB-BXI5G-760をベースに変態PCに挑んでみてほしい。

 次回は、超小型かつ約2万円と安価なECS製の新「LIVA」をレビューしよう。BRIXよりもさらに小さい手のひらサイズならではの使い方を指南したい。

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【機材協力】

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