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「MEMS-IGZO」 - 次世代ディスプレイが17年度に登場

2014年09月14日 13時30分更新

文● 大河原克行

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将来的には大型液晶の領域にまで拡大できる技術

 MEMS-IGZOディスプレイを生産するシャープ米子工場は、2005年に富士通ディスプレイテクノロジー米子工場を買収したもので、2.5世代(405×515mm)の液晶パネル製造装置を持つ。

 「2.5世代という古い生産ラインだが、こうした既存の液晶パネル製造装置を生かして生産が可能である。当初は米子工場での生産になるが、生産できる規模が小さいため、マーケティング活動の進展にあわせて、三重工場や亀山工場での生産も検討していくことになる」(シャープ・方志代表取締役専務執行役員)という。

 また、「MEMSディスプレイは、将来的には大型液晶の領域にまで拡大できる技術。現在は200ppiの水準であるが、液晶と肩を並べるところまで性能を引き上げていく」(シャープ・伴所長)と語った。

 クアルコム上席副社長兼ピクストロニクス社長のグレッグ・ハインジンガー(Greg Heinzinger)氏は、「クアルコムはこれまでに累計で300億ドルの研究開発を行なっており、それが今日のスマホ、タブレットなどの最先端デバイスの発展に寄与している。

クアルコム上席副社長兼ピクストロニクス社長のグレッグ・ハインジンガー氏

 モバイル機器においては、ディスプレイは人とを結ぶインターフェースであるとともに、電力を消費するデバイスでもある。鮮明な画像を表示し、長時間駆動を行ない、それでいて幅広い温度環境でも利用できなくてはならない。

 2011年秋に買収したピクストロニクスは、MEMSシャッターの技術を有しており、クアルコムと一緒になってMEMSの新たな技術を開発してきた。これがシャープとの共同開発により、形になってきた。クアルコムとシャープの長年に渡る関係が、世界初のMEMS-IGZOディスプレイの開発につながっている。両社がシームレスなひとつのチームとなって開発している。商用化の時期が早く訪れることを期待している」と語った。


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