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世界中で注目される「Xperia Z3」の開発者が語る秘話

2014年09月08日 11時00分更新

文● 平澤寿康

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PS4との連携は“ザ・ベスト・オブ・ソニー”の切り札

 Z3は様々な点で進化を遂げているが、その中で田嶋氏が「“ザ・ベスト・オブ・ソニー”を具現化する中で、真打ち的な存在」と語っていたのが、PlayStation 4(PS4)との連携によるリモートプレイの実現だ。このリモートプレイの実現においては、ソニー・コンピュータエンタテインメントとタッグを組んでチューンナップしているとのこと。「他社には絶対に真似のできない、ザ・ベスト・オブ・ソニーの切り札」という田嶋氏のコメントからも、PS4との連携は並々ならぬ意気込みで取り組んできたことが感じられる。

PS4のリモートプレイに対応し、好きな場所でPS4のゲームが楽しめるようになる

 なぜPS4との連携が切り札となるのか。それは、PS4が発売後わずか9ヵ月で1000万台の出荷を果たすなど、ワールドワイドで非常に好調に推移しているという背景があるからだ。日本では好調のXperiaシリーズも、ワールドワイドでは販売目標を下方修正するなど苦戦を強いられている。そういった中で好調なPS4のユーザーを取り込むことができれば、ワールドワイドでのXperiaのシェア拡大につなげられるはずで、ソニーモバイルがPS4との連携に力を入れているのも頷ける。

 このPS4との連携については、世界各国の携帯電話キャリアからも注目されており、LTE網を使った外出先からのリモートプレイについても各国のキャリアに提案中とのことだが、積極的にアプローチしてきているキャリアも多いという。PS4のリモートプレイには大量のデータ通信が行なわれるという側面があるため、音楽や動画の配信サービス同様に、高速かつ高品質なLTE網を活用する付加価値の高いサービスとして注目されているということのようだが、各国のキャリアと連携し、高付加価値のサービスと商品を同時に提供できることこそ、低価格製品には不可能なこととで、ソニーの強みであると田嶋氏は指摘する。

PS4用コントローラーに取り付けるアタッチメントには、Xperia Z3 Tablet Compactも装着可能とのこと

SmartWareは“ルックアップ エクスペリエンス”

 PS4との連携だけでなく、SmartBand TalkやSmartWatch 3など、SmartWare製品との連携も重要な位置付けになっているという。「電車の中などで、下を向いてスマートフォンの画面を見続けている人を多く見かけるが、常に画面を見るために下を向いているのはあまり健全ではないと考えている」と田嶋氏。そこで、SmartWareに各種の通知機能や遠隔操作機能を盛り込ませ、下を向いて画面を見ることなく、スマートフォンから情報を吸い上げたり、スマートフォンを操作できるようにする。

SmartBank Talkは電子ペーパー採用の表示画面を備え、ライフログの情報などを手元で確認できるようになった

加速度センサーを活用してスマートフォンの機能の操作も可能。発信操作にも対応している

 SmartWareには、ソニーモバイル内で“ルックアップ エクスペリエンス”と呼ばれるコンセプトがあり、全てのSmartWare製品がこのコンセプトのもとに開発されているという。そして、日々の生活をビジュアル化するLifeLogと合わせ、スマートフォンとSmartWareを組み合わせたこれまでにない経験をユーザーに届けるために、SmartWareの商品ラインナップを増やしているとのだ。

 ところで、SmartWatch 3ではプラットフォームがAndroid Wareに変更されているが、なぜプラットフォームを変更したのかという問いに田嶋氏は「Android Wareに変更することで、エコシステムが一気に広がり、エンドユーザーのメリットが大きいから」と回答。その上で、SmartWatch 2までのアプリを作っていた数百のデベロッパーに対しては、Android Wareへスムースに移行できるプログラムを用意して対応するという。

 「プラットフォームが変わっても、これまでと同じ経験ができるようにしたい、しなければならないと考えている」と田嶋氏が語っていたところからも、プラットフォームの変更による影響はそれほど大きくはないと言えそうだ。

Android Wareベースに変わったSmartWatch 3。バンドの交換でスタイルも自在に変更可能

Z3は“肩の力が抜けた”デザイン

 Z3シリーズのボディーデザインに関しては、顔が小さく薄く見えるようなデザイン上の工夫を盛り込んではいるものの、比較的すんなり決まったと田嶋氏は語る。すでに、“Xperiaといえばこのデザイン”というのが世界的に浸透してきているので、もはや特別な主張をしなくてもよくなってきた、という背景もあるそうだ。

 そのため、あえて冒険になるような大きなデザイン変更を施すことなく決まったとのこと。この点を総括して田嶋氏は「デザインに関しては肩の力が抜けてきた」と評していたが、Z3では進化の方向性がしっかり定まっていたからこそのコメントだと感じた。

 Xperia Z以降、フラッグシップスマートフォンを半年に1回のサイクルで新製品を投入してきた点については、「過去2年間の製品は、それぞれにイノベーションを盛り込んできたし、モデムやプラットフォームの変更にタイムリーに対応できたと思っている」と田嶋氏。

 また、特に海外市場で価格のコントロールがうまく行なえ、プレミアムを維持できたとも指摘する。その反面、市場によっては製品の入れ替えに際するオペレーションが非常に面倒という問題もあったそうだ。そういった過去の経験をもとに、イノベーションのサイクルとマーケットニーズのサイクルに合わせて、今後も適切な時期に適切な商品を届けていくという。

Z2(右)との比較。あえて冒険はせず、すんなりとデザインが決まった


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