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個人事業主にも退職金を！　節税にも効果アリな「小規模企業共済」って何？

2014年09月11日 11時00分更新

カリーさん（覆面ライター）　編集●岸田元

さらに国民年金基金で控除額をアップ！

茂田　掛金が全額控除になる制度って、ほかにも国民年金基金や確定拠出年金の個人型があって、小規模企業共済とダブルで入れます。

カリー　ダブルで!?

茂田　ただ掛金は、国民年金基金と確定拠出年金の個人型と合わせて、毎月6万8000円までと決まってます。でも小規模企業共済の年84万円を合わせれば、だいたい毎年160万円ぐらいは全額控除できるわけです。

カリー　はえー。

いくちょん　国民年金基金と小規模企業共済って、同じところがやってるんですか？

茂田　全然違います。国民年金基金は国民年金基金連合会ですね。

編集K　確定拠出年金は、自分でプランを選んで運用できるやつですよね。

茂田　そうですね。リスクを負うのか、負わないのか、中くらいかって選べるようになってます。

編集K　それでも生活費とは別に毎月14万円、年160万円も貯金していいよって、そうとう儲かってて余裕のある人に限定されないですかね。

茂田　貯金を使う手もありますよ。例えば、1000万円銀行に預けっぱなしで、どうせ使うあてがないのならそれを切り崩して控除を増やした方がトクじゃないですか。それで所得を削っておけば、住民税も国民健康保険料も安くなりますよね。そういう考え方もありかと思います。

編集K　ただ、年金の方はすぐには返ってこないわけですよね。

茂田　65歳からです。国民年金基金は、「ちょっと今は支払いが苦しい」ってときは解約じゃなくて、いったん止めることができます。それで後から再開できます。

いくちょん　止めたらもらえる金額が減るんですか？

茂田　少し減りますね。国民年金基金は、会社員や役員になって、厚生年金に加入した段階で絶対抜けなきゃいけないんです。で、厚生年金を抜けたら、また入れる。

編集K　そういえば僕の知り合いで月5万円ずつ国民年金基金に払っている人がいましたよ。まだ若かったのにしっかりした人で、なんでそんなことしてるんだろうって不思議でしたが。

茂田　国民年金基金は、若いときに入ると1口目の掛金が少ないんです。5万円ということは2口目以降もいろいろかけていたんでしょうね。

編集K　その国民年金基金とかを色々駆使して、毎年赤字で申告してるって言ってました。

茂田　それは(笑)。

編集K （笑）。赤字はどうかと思いますが、年金も節税には役立つんですね。

茂田　将来もらえる支給額も増えますしね。厚生年金がない個人事業主は、国民年金になるんですが、20〜60歳まで保険料を納めて、今だと大体月に6万5000円ぐらい。もしかしてあと何十年か経ったら、3、4万円に下がってしまっているかもしれない。でも国民年金基金は上乗せなんで、そこまで支給額は下がらない。

いくちょん　なぜですか？

茂田　国民年金は老若男女問わずみんなから集めたお金を公平に分配しちゃってるわけですよ。国民年金基金は、一部のお金を払った人にだけに返しているから、そんなに下がることはないんですよ。

カリー　おお！そもそもですが、国民年金基金を利用するためには、国民年金も払ってなきゃいけない？

茂田　もちろん払ってないとダメです。だって、国民年金基金だけでよかったら、みんなこっちに来ちゃいますよ。

カリー　ですよねー（笑）

個人事業主向けの上乗せタイプの年金もある

毎月まじめに支払っていても、受給額が月額数万円と聞くと少し残念な気持ちになる国民年金。サラリーマンの場合は上乗せとして厚生年金があるが、個人事業主にも自分で入れる上乗せタイプの年金が用意されている。「国民年金基金」と「確定拠出年金(個人型)」の２つだ。年金をあてにするかどうかは個人の考え方によるが、年金の支払いは全額が所得控除となるので、儲かっている人は選択肢として考えてみる価値はある。