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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第171回

WiMAXルーターを使って自宅のネット費用を抑える技

2014年08月29日 15時00分更新

文● 柳谷智宣

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下り約26Mbps、上り約6Mbpsと高速接続!

 まずは、通信速度をチェックしてみよう。速度計測サイトは「BNRスピードテスト」を利用した。ルーターをノーリミットモード、つまりWiMAX接続にした状態でチェック。普通にノートPC(Surface Pro3)の無線LANで接続した時には下り1.92Mbps、上り1.54Mbpsとなった。クレードルの有線LANからデスクトップPCに接続して計測したところ、下りは2.72Mbps、上りは1.34Mbpsだった。

WiMAXモードに無線LAN接続した時は、下り1.92Mbps、上り1.54Mbps

WiMAX 2+モードに無線LAN接続した時は、下り22.55Mbps、上り4.18Mbps

 この速度だと、ウェブページの閲覧に関してはまったく問題なかった。筆者は2~3個のブラウザーで同時に20個くらいのタブを開くが、表示が遅れるようなことはなかった。しかし、10MB程度のファイルが添付されたメールを送受信する場合は、待たされる感じだ。100MB程度のファイルをダウンロードした時は、10分近くかかった。動画もYoutubeやニコニコ動画ならほとんど問題ないが、長尺のHD動画をダウンロードするにはつらい感じだ。

クレードルに有線LAN接続し、WiMAXモードの場合、下り2.72Mbps、上り1.34Mbps

クレードルに有線LAN接続し、WiMAX 2+モードの場合、下り29.52Mbps、上り5.74Mbps

 WiMAX 2+で接続したところ、無線LAN接続で下り22.55Mbps、上り4.18Mbpsと格段に速くなった。クレードル経由の有線LANでは、下り29.52Mbps、上り5.74Mbpsとさらに高速。この速度だと、もうほとんど待ち時間はなくなる。100GBのファイルなら30秒あればダウンロードできる。

 筆者の環境だと、2つ気になるポイントが出た。まずは、2階の一番奥に「HWD15」を設置しているのだが、1階の逆サイドでは電波がぎりぎりなのだ。さらに、「HWD15」は同時接続台数が最大10台までという点。自宅では20台以上の無線LAN機器が同時に接続するため、足りなくなったのだ。そこで、有線LAN端子に、手持ちの無線LANルーターをアクセスポイントモードにして接続。無線LANは据え置きルーターに接続するようにした。すると、1階の端でも最大感度で接続できるようになった。インターネット接続速度は、WiMAX接続で下り2.42Mbps、上り1.49Mbps、WiMAX 2+接続で下り25.85Mbps、上り5.89Mbpsとほとんどロスを感じない結果となった。

クレードルと無線LANルーターを接続し、WiMAXモードの場合、下り2.42Mbps、上り1.49Mbps

クレードルと無線LANルーターを接続し、WiMAX 2+モードの場合、下り25.85Mbps、上り5.89Mbps

7GB制限は余裕でアウト!
無制限は魅力的

 7日間普通に仕事で利用したところ、通信量は5540万パケットで、6.9GB。1日当たり791万パケットで容量は986MBという結果になった。今回は、WiMAX 2+の高速通信を無制限に利用できたので、ほとんど不満を感じなかった。これなら、プライベートユースはもちろん、多くの人はビジネスにも利用できるレベルだろう。月3696円で使い放題というのはおサイフにもうれしいところ。何より、「HWD15」はモバイルルーターなので、持ち出せるというのもメリット。外出先でタブレット端末やPCをネットに接続できるようになる。

 とはいえ、これから契約する場合は、2つ注意したい点がある。まずは、月7GB制限。WiMAXは完全無制限で利用できるのだが、WiMAX 2+は契約から26ヵ月目以降に制限がかかるとされている。実際の制限内容がどうなるかはまだハッキリしないが、その制限が適用されると大幅に遅くなってしまうのだ。さらに、直近3日間の1GB制限もチェック。2015年4月以降は、前日までの3日間で1GB以上のWiMAX 2+通信を行なうと終日速度制限がかかる可能性があるとUQのサイトでは告知されている。

 筆者のようなヘビーユーザーだと、将来は制限に引っかかる可能性が高い。WiMAX 2+でつなぎっぱなしにすると、7GB制限はもちろん、3日1GBの制限も食らってしまいそう。その時は、大容量データを利用する際はノーリミットモードに切り替えるといった工夫が必要になるかもしれない。とはいえ、2年間は確実にお得なのだし、将来のことを考えてもしょうがない。その時はさらにお得なサービスが登場しているかもしれないし、UQのサービスがさらに進化している可能性もある。とりあえず、目の前のネット回線コストを抑えるなら、WiMAX 2+への移行を検討することをお勧めする。

「My UQ」の料金案内から「通信量照会」を開くと、パケットやデータ通信量をチェックできる


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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