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2限目:「魔法」でわかるWebコピーライティングの種類と条件 (2/2)

2014年09月05日 11時00分更新

文●森田哲生/Rockaku

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守らなければ呪われる「3つの理」

 次に、「なにがコピーで、なにがコピーじゃないか分からない」という問題に対する魔法的解釈を解説します。Webにおけるコピーには、ボタンのように「目的」と「機能」があると書きましたが、必要な要素はそれだけじゃないんです。

 

 多くの場合、ファンタジーな世界観の中では、魔法を使うための発動条件や制約が設定されていますよね? この点においても、Webのコピーは非常に魔法的です。なぜなら、厳密な理(ことわり)が存在し、それを侵せば手痛いダメージを被るリスクをはらんでいるからです。ここからは、WebコピーをWebコピーたらしめる「3つの理」についてお話をしていきましょう。

   【1】 精度を保つこと

 Webコピーに限りませんが、コピーには原則的にブレがあってはいけません。例えば、「スタッフがうかがいます」と書くと、「うかがう」に「話を聞く」と「訪問する」の2通りの解釈が生まれ、意味がブレていることになる。これは、クレームなどにつながり、後々まずいことになります。

 もちろん、意図的に何通りもの解釈ができるように書かれたコピーというのも存在しますが、基本的には、ブレのない、精度のある書き方を意識しなければなりません。さもなくば書いた人が呪われます

   【2】 制度に則ること

 至極当たり前ですが、コピーは各種法令や業界の規制を守る義務があります。例えば、「日本一」「世界最高」などと書く場合は必ず根拠がなければなりません。また、健康食品や化粧品などの場合は「薬事法」という法律があり、特保、医薬品、健康食品、医薬部外品……など、商品の区分に則った表現の範囲があります。

 ちょっと古い話になりますが、初期の「ヘルシア緑茶」では「体脂肪にガツン」というキャッチコピーが使われていました。つまり、「痩せる」「太らない」といった具体的かつ確定はできない効果効能には触れていなかったわけです。

 それから、通販サイトなどで、他メーカーの商品を販売する場合、公式サイトからそのままコピーをコピーするのも本来はアウトです。メーカー側の規定を確認してから使用するほうが安全です。さもなくば書いた人が呪われます

   【3】 約束を果たすこと

 これについては、コピーを書く上で、非常に重要な基準になるので、心して読んでください。

 原則的に、コピーは絶対にウソをついてはならない表現です。だから、精度と制度を重んじるわけですが、その結果として生まれたコピーは、ほとんどの場合、ユーザーと約束を交わす言葉になります。「期間限定50%オフ」であっても、「天然素材へのこだわり」であっても、そう書いて公開した以上、ユーザーと約束を交わしたことになり、約束を破ることは、発信元の企業やWebサイトに少なからずダメージを与えます。

 これは何も、購入に直接結びつく具体的なコピー表現に限ったことではありません。例えば、誰もが知っているであろう「うまい、やすい、はやい」という吉野屋のコーポレートメッセージは、ユーザーに対する明確な約束です。大きな意味でユーザーとの信頼関係が高まり、売上げに結びつく「約束」ですが、破られたらどうなるでしょうか。

 もっと些末なことを言えば、「詳しくはコチラ」というリンクテキストですら、「約束」なのです。クリックした先に詳しい情報がなければ、直帰率はウナギノボリになるでしょう。

 つまり、どんなページで、どんなことを訴求するにせよ、みなさんが書かなきゃならない「Webコピー」というものは、誰かとの「約束」を守り続けなければなりません。さもなくば書いた人が呪われます

サイトマップに魔法をかける

 さてさて、今回は「魔法」という、かなり飛躍した見立てでの授業となりましたが、いかがでしたか?

 「属性」と「理」を理解することは、「Webコピーを書かなきゃならない」という状況において、自分がなにをすべきか? なにができていないのか? を客観的に理解する上で、役立つ方法論です。最後に、この方法論をよりわかりやすく活用するための、セルフディレクションの手法、いや、「魔法」をご紹介しておきましょう。

 まずは図のようにサイトマップを用意します。その上から、自分が担当するページの「属性」を付箋などで書きこみ、「どんな約束をしなければならないのか?」「それが守られているのか?」をチェックしていくのです。こんな感じでサイト全体を俯瞰で眺めていけば、おのずと、Webコピーの品質は底上げされていくはずです。

 次回は、「Webコピー」における永遠のテーマ「見出し」のお話を中心に展開していく予定です。それではごきげんよう。さようなら。

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