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ホワイトカラー・エグゼンプションとロボット技術、労働に変化

2014年08月26日 03時28分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 安倍晋三首相が6月に発表した新成長戦略で触れられていたように、国がホワイトカラー・エグゼンプションの導入に向けて動いている。これは、いわゆるホワイトカラーで高額収入を得ている高度専門職者に対し、労働時間規制の適用を免除しようというものだ。

 ホワイトカラー・エグゼンプションが導入されると、労働時間と賃金との関係性が薄くなり、残業代等がなくなりサービス残業が増える可能性を否定できない。しかし、一方では労働時間の長さや時間帯が柔軟になるため、働きやすいさの面でメリットも期待できる。

人力車の車夫が「パワーローダーライトPLL-04」を利用したイメージ(パナソニック公式サイトより)
人力車の車夫が「パワーローダーライトPLL-04」を利用したイメージ(パナソニック公式サイトより)

 屋外や工場等での労働、重労働に対して、ロボット技術の応用が進んでいる。アクティブリンクが4月に発表した「パワーローダーライトPLL-04」はその1つ。「忍者」の愛称を持つこの開発品は、身体に装着し、モーターを使って人間の歩行をアシストするパワードスーツだ。歩き始めるときはモーターがアシストし、連続歩行に入ると自然と脚が前に出る構造。平地の歩行だけでなく、階段や傾斜地でも歩行をアシストする。

クボタと開発協力した農業用サポートスーツ「ラクベスト」の利用イメージ(アクティブリンク公式サイトより)
クボタと開発協力した農業用サポートスーツ「ラクベスト」の利用イメージ(アクティブリンク公式サイトより)

 アクティブリンクでは、この開発品をベースに、傾斜地での作業効率が求められる林業や農業を中心に用途開発・実証実験を実施。3年以内での実用化を目指すという。同社はすでにクボタと開発協力し、農業用サポートスーツ「ラクベスト」を量産化した実績を持つ。

 デスクワーク中心のホワイトカラーには規制緩和、工場・屋外の労働者に向けてはロボット技術の応用――労働環境が大きく変わろうとする2つの動きに今後も注目したい。

※アクティブリンクは2003年6月、松下電器産業の社内ベンチャー制度「パナソニック・スピンアップ・ファンド」により設立。13年3月には三井物産株式会社との業務・資本提携。

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