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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第369回

しっとり感がいい! ニコン「D600」で撮る夏の神社仏閣猫

2014年08月22日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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神社の赤い色がいいアクセントになる!

 お寺の次は神社。

 お勧めは稲荷。なぜなら、赤い鳥居や赤いのぼりがいいアクセントになるから。

 お勧めったって、そこに猫がいてくれなければどうしようもないのだけれども、たまたまいてくれたのだ。

 まずはうちのご近所にある、古くて小さな稲荷。東京には“屋敷稲荷”と呼ばれる、そこの地主さんや豪農さんが自分の家に勧請した小さな稲荷神社が無数にあり、元の地主さんが土地を売って引っ越したり、土地を分割して狭くなったためもともと奥に隠れてた稲荷が路面に出てきたりしてる。

 この小さな稲荷もそのひとつだと思うが、畳半畳ほどの小さな稲荷ながら、きちんと由緒が書いたプレートが貼られていた。

 で、その小さな稲荷は腰くらいの高さのブロック塀に囲まれているのだが、その上にサビネコがちょこんと乗っかってたのだ。お、これは鳥居と一緒に撮れる、と近寄って脅かさないよう注意しつつ正面から撮った写真がこちら。

塀の上にちょこんと両手を乗せこっちを睨んでるサビネコの図。すぐ横に鮮やかな鳥居と一緒に撮ってみた(2014年7月 ニコン D600)

塀の上にちょこんと両手を乗せこっちを睨んでるサビネコの図。すぐ横に鮮やかな鳥居と一緒に撮ってみた(2014年7月 ニコン D600)

 やはり稲荷の赤い色はアクセントになってよいですな。

 お次は前ページ冒頭写真。愛知県の知多半島の付け根近くにある稲荷神社で見つけた子猫だ。一眼レフを持って這いつくばり、赤いのぼりがギリギリ入るアングルで鳴いた瞬間を狙ってみた。

 猛暑で蚊が少ないってニュースを見かけたけど、夕刻の神社仏閣へ行けばそのニュースどこの国の話? というくらい蚊が大量に飛び交ってて、そんな場所で猫なんて撮ってたらもう蚊に刺されて大変なことになるのだけれども、猫を撮る方が大事なのであった。

 稲荷へ行ったら赤い鳥居も入れたいよねってことで、鳥居が背景に入るアングルも狙ってみた。

この猫、下の牙が外にはみ出てて、舌をうまくしまえないようで苦労してたけど、元気に生きておりました。夕刻らしくちょっと青みがかった色に仕上げてみた(2014年8月 ニコン D600)

この猫、下の牙が外にはみ出てて、舌をうまくしまえないようで苦労してたけど、元気に生きておりました。夕刻らしくちょっと青みがかった色に仕上げてみた(2014年8月 ニコン D600)

 夕刻のしっとりした緑と稲荷の鮮やかな赤と猫。

 たまらん日本の風景です。

 最後はまたベットの猫。神社境内は石垣で少し高い位置にあり、猫がちょこんと座ると、そこがちょうど撮りやすい高さでありがたかったのだ。

 この稲荷神社、赤いのぼりが無数にはためいていて、それが背景に入るよう縦位置で狙ってみた。

他の猫を這いつくばって撮ってたら、こいつがいつの間にか石垣の上から高みの見物してたのだ。それに気づき、縦位置でそっと撮影。なんか、育ちが良さそうなポーズ(2014年8月 ニコン D600)

他の猫を這いつくばって撮ってたら、こいつがいつの間にか石垣の上から高みの見物してたのだ。それに気づき、縦位置でそっと撮影。なんか、育ちがよさそうなポーズ(2014年8月 ニコン D600)

 実は今回の写真、どれも17時半から18時半といった日没前の夕刻に撮ってる。夏の猫を撮るなら夕刻。日が沈んで暗くなる時間、蚊に血を差し上げながらじっと撮るのもまた乙なのである。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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