このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

高橋暁子の「意外と知らない!? 業界ランキング」 第20回

発行枚数はすでに1億3000万枚超

nanaco・Suica・WAON三つ巴! 電子マネーシェア早わかり

2014年08月25日 09時00分更新

文● 高橋暁子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「電子マネー」はまだ新しいサービス

 具体的なサービスごとのシェアの前に、電子マネーの歴史を見ていこう。毎日のように利用する人には意外かもしれないが、ごく新しいサービスなことが分かるだろう。

 東日本旅客鉄道のSuicaは、JR東日本ほかで導入されている共通乗車カード兼電子マネーだ。2001年から各所で順次サービスを実施している。同様に、公共通乗車カード兼乗車マネーであるPASMOは2007年スタートだ。

 セブン&アイ・ホールディングスの電子マネーnanacoは、2007年スタート。イオンリテールのWAONも同じく2007年開始だ。楽天Edyが運営する楽天Edyは、2000年2月に名称をEdy!と決定、2001年11月にEdyへと改称。2001年に運営会社ビットワレット(現在の楽天Edy)が設立、2010年に楽天の子会社となっている。

利用する理由は「ポイント」と「利便性」

 野村総合研究所の「電子マネーに関するアンケート調査(第4回)」(2010年8月)によると、首都圏では電子マネー保有率が83.4%に達し、札幌・東海・近畿・福岡の各地域でも50%を超えている。電子マネーを保有し、乗車券や定期券用途以外に買い物で利用している人の割合は、最も多い首都圏で52.7%となっている。

 電子マネーを利用する理由については、「電子マネーで支払うと(現金では受けられない)ポイントや割引のサービスを受けられるから」(41.6%)、「1円玉や10円玉など少額のコインを扱わなくて済むから」(40.1%)、「現金で支払うよりも決済スピードが速いから」(36.2%)と、お得感と利便性が大きな理由となっている。

nanaco、Suica、WAONの三つ巴!

 日経産業新聞によると、2012年の主要電子マネー(前払い式)のシェアは、nanaco(28.1%)、Suica(25.1%)、WAON(24.4%)となっている。3社はそれぞれあまりシェアの差はなく、三つ巴状態と言えるだろう。3社の合計は77.6%と7割を超える。

 なお、日本流通新聞によると、Suicaとnanacoの決済件数は2014年3月にはともに1億件を突破。同年4月時点で、決済件数はSuicaが前年同月比56%増、nanacoは同55.6%増、西日本旅客鉄道のICOCAは同26.7%増、WAONは同26.2%増、PASMOは同12.2%増、楽天Edyは同0.3%増となった。

 電子マネーは乱立気味だ。Suicaも当初は乗車とキヨスクなどでの利用が中心となっていたが、現在は利用できる箇所が増えており、利便性が高まっている。今後、利用できる箇所の拡大、ポイントなど魅力的なインセンティブ、互換性などがシェアを高める鍵となってくるだろう。

 おサイフケータイが搭載されているフィーチャーフォン、Android端末に加え、秋の発売が噂される新型iPhoneにNFCが搭載されるかどうかも、電子マネー拡大の鍵を握っている。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ