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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第8回

ダイナミック型ドライバーにこだわったDynamic Motion「DM008P」

力感と繊細さを兼ね備えた新進ブランドのイヤフォンを聴く (2/5)

2014年09月01日 13時00分更新

文● 編集部

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ポップで独創的だが実用上のメリットもある外観

 それでは外観を見てみよう。DM008Pのデザインや基本的な設計はDM008を踏襲している。DM008では「樹脂製のハウジングとアルミカバー」を用いていたが、DM008Pでは「削りだしのオールアルミボディー」とするなど細部がグレードアップした。素材の変更により出音にも変化が生じるが、プレミアムの名(=Pの文字)に恥じないチューニングを加え、より完成度の高いサウンドを手に入れたという。

Dynamic Motionが自社のブランドで展開しているイヤフォン。現状「DM008」(左と中央)と「DM008P」(右)の2機種で、カラバリを含めても3モデルとなる。

 両出しのケーブルはフラットタイプで、幅は3mmほど。デザイン性の高さで採用例が増えているが、絡みにくくもつれにくいという実用上のメリットもあわせ持つ点が人気だ。

ハウジングのフォントは、フラットケーブルが取り付け部分を突き抜けてぐにゃりと曲がったような独特のデザイン(左)。文字が大きいいため左右がわかりやすい。ケーブルは両出しで「Dynamic Motion」のロゴがついたパーツで束ねられている(右)。

大き目のフォントで左右の向きが一目でわかる(左)、本体にはキャリングケースと2色のイヤピースが付属(右)。

プラグは樹脂製のようだが、メッキパーツを使用しており、質感の高さを感じさせる。

 印象的なのはハウジング部分のくねっと曲がった独特のフォント。

 ケーブルは耳に装着した状態で真横が薄い部分、正面が平たい部分となるが、よく見ると1mmほどの厚さを持つケーブルがイヤフォンのハウジング部分を突き抜けて「L」と「R」の文字に変化している。金属製ハウジングの溝にシリコン風の素材を埋め込まんで実現した文字の太さをケーブルの厚さと揃えることで、ケーブルとの連続感にもこだわった心憎いデザインである。

イヤーピースを取り外すと、全体が金属であるとわかる。

 デザイン上の面白さだけではなく、実用上のメリットもある。指先ほどの大きさしかない小さな本体でも、フォントが見やすく、左右の装着を間違えにくいためだ。遊び心を感じさせるデザインではあるが、細部の精度にもこだわって演出されたものでもある。こういうこだわりがあるのなら、ほかのつくりにもきっと細心の注意が払われているに違いない。そう感じさせるデザインでもある。

 ちなみにDM008Pのデザインは、カラーリング以外はベースとなったDM008と共通。ただし使用する素材は異なっている。DM008はゴールドまたはシルバーの部分が金属。それ以外はプラスチックだったが、DM008Pはすべてが金属だ。そのため若干だが重くなり、内部で反響する音の特性も異なってくる。聴き比べると音質にも相応の差が出る点も付け加えておこう。

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