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現代版トロリーバスが実現するゼロ・エミッション物流

シーメンス、トラック用架線給電道路をカリフォルニアに建設

2014年08月08日 14時13分更新

文● 行正和義

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eHighwayのテスト風景(開発風景なのでメルセデスのトラックを使用している)

 独シーメンス(Siemens)は8月6日、道路上に張られた架線から給電した電気トラックが走行する「eHighway」のシステムを米カリフォルニア州より受注したと発表した。

パンタグラフはアクティブに架線を追従する

 eHighwayは同社が研究開発を進めていたプロジェクトで、トラックの屋根にあるパンタグラフから集電して電気だけで走行する。道路はロサンゼルスとロングビーチ間30kmで、どちらも大きな港を持つことから2都市間の物流が盛んなため、貨物トラックを電化することで環境負荷を大幅に引き下げることができると考えられる。

パンタグラフを畳むと普通のトラックと同様に走行できる

 いわゆる“トロリーバス”と同様の方式だが、ハイウェイ以外は通常のディーゼルエンジン(車種によってはバッテリーや圧縮空気で走る)などで走るなどハイブリッド技術を導入、他車両を追い越す際も自動的にエンジン駆動に切り替わり、車線に戻ると自動的に接続するなど統合的な制御が導入されている。パンタグラフは各種センサーと制御システムによりアクティブに可動して架線を追従して接触を保つ。さらに、減速時には電車同様に回生ブレーキで発電、架線に電力を戻すという。

EVやハイブリッドに比べても利点がありそうということは理解できていてもなかなか実現できなかった架線給電ハイウェイがようやく実現しそうだ

 シーメンスではボルボグループと共同でプロジェクトを進め、2016年夏には全線の試験運用を開始する予定。

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