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猛暑だけじゃない、今夏は格安スマホも市場競争がアツい

2014年08月07日 05時24分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルという国内主要3キャリアの主導で普及拡大してきたスマホ。今春から新たな選択肢が広がり、次なる局面を迎えた。それは「格安スマホ」だ。

 4月4日に流通大手のイオンが、スマホ本体代金と月々の通信料金をあわせて月額2980円(税抜)からという格安スマホ「イオンのスマートフォン」を発売した。主要3キャリアに比べて価格が安いのはもちろん、異業種からの参入に世間の注目が集まった。総合スーパー「イオン」など全国169の店舗で購入できるとあって、スマホがより身近に感じられるようなった点も大きい。

 イオンに続いて大手家電量販店のビックカメラも、同社が提供している格安SIM「BIC SIM」とスマホ本体を組み合わせ、月額2830円(税抜)からで利用できる格安モデルを発売。ビックカメラでは主要3キャリアのスマホも販売しており、それらを比較して購入できるという意味でも、格安スマホの存在感がよりいっそう高まる動きだ。

 格安スマホは、無線通信インフラを持つ他社からインフラを借りるMVNO(仮想移動体サービス事業者)サービスによる。実際、イオンはMVNO事業者の日本通信と、ビックカメラは同IIJとのマッチングでサービスを提供している。

イオンスマホ第2弾ではgeaneeの「FXC-5A」を採用
イオンスマホ第2弾ではgeaneeの「FXC-5A」を採用

 格安スマホの勢いは夏に向けてさらに加速。イオンは6月に第2弾として、第1弾よりも安くした月額1980円(税抜)からの格安スマホを発売した。販売チャネルもイオングループ各店の全国447店舗に広がり、ここにはコンビニ「ミニストップ」51店舗も含まれる。

Amazon.co.jpで販売開始した格安スマホの料金明細(日本通信のサイトより)
Amazon.co.jpで販売開始した格安スマホの料金明細(日本通信のサイトより)

 また、今月に入って1日からはネット通販大手のアマゾンも格安スマホ市場に参入。Amazon.co.jpでスマホ本体代金と月々の通信料金をあわせて月額2980円(税抜)からの格安スマホを販売開始した。本体はLG電子の「LG G2 mini」、通信は日本通信の「スマホ電話SIMフリーData」という組み合わせだ。

Y!mobileの「スマホプラン」月額料金
Y!mobileの「スマホプラン」月額料金

 一方では、イー・アクセスとウィルコムの合併により誕生したワイモバイルが1日、新ブランド「Y!mobile」のサービスを開始。最も安いプランでは、インターネット接続料とパケット定額料、テザリング料を含む基本使用料が月額2980円で、1回あたり10分以内の国内通話が月300回まで無料、国内データ通信量は月1GBまで利用できるという「スマホプラン」を打ち出した。

 主要3キャリアはミドルエンド・ハイエンドを対象としたモデルがラインナップの中心だが、価格を抑えた料金プランも新たに用意し、「スマホの低価格志向」の動きに対応しようとしている。列島では猛暑のなか、スマホ市場でも熱い競争が繰り広げられている。

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