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ほかのサービスとどうやって差別化していくかがカギ

2兆円の企業価値を持つUberの新サービスは日本で定着するか

2014年08月05日 17時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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新サービスの価値は「利便性」と「安心感」

高橋氏が語る2つの価値。「クレジットカード決済も選べるので、乗って降りるだけ」という利便性があり、「利用ごとにサービス評価ができ、それをフィードバックできる」ので安心感が増すという

 発表の場で高橋氏は「uberTAXIがもたらす価値は2つある。ひとつは利便性。自分の周りにタクシーがどう走っているのかわかり、何分でユーザーのもとに着くか表示されるので透明性がある。また配車で来るタクシードライバーに、「このあたりに来てほしい」などのメッセージを送ることができる。さらに予定到着時間を待ち合わせ相手にUber上で連絡や、知り合いと相乗り時にあらかじめ割り勘などが決めることができる。

高橋氏はソニーでブラビアの世界展開などを担当していた経歴を持つ

 もうひとつは安心感。まずは機能として行き先の入力が可能だ。たとえば海外のユーザーがUberを利用するときに、行きたい場所の住所しかわからず、コミュニケーションも取れないなどの場合がある。だが、行き先をあらかじめ入力しておくことでスムーズに目的地に着ける。乗車履歴が記載されたレシートも重要。忘れ物をしたときにドライバーに直接連絡が取れる。また、ルートなども記録されているので、『もっと早く着けるルートがあったのでは』ということもわかり、こちらからもフィードバックできる。これが安心感につながるだろう」と語る。

 また今回のサービススタートにあたり、パートナーとなる各タクシー会社にもたらす価値についても説明した。

 現在都内でのタクシー乗車率は43%だという。高橋氏はまだまだ空車率が高いとし、「空車のときにオンラインに接続していただく形をとるので、単純に空車率が減る。そしてパートナーの業績アップにつながるということが言えるのではないか」と語る。

 Uber Japanとしては満を持してのローカル化したサービスだったはず。ただ、すでにあるスマホ活用型のタクシー配車サービスとの差分がわからない面もある。たとえば、2014年1月にスタートした「スマホdeタッくん」は日本マイクロソフトとハイヤー・タクシー協会が提供し、スタート時で9183台がサービスに対応している。対してUberの現時点でのタクシー対応台数は明らかにされてない。

 また他サービスとの違いについても、先に述べていた利便性と安心感があるという言葉に終始した。

 2014年6月には12億ドル(1230億円)の資金調達を実施し、企業価値が182億ドル(1兆8650円)となったUber。サービスも8月時点で42ヵ国・158都市で展開され、着実に成長している。今回のローカルサービスが定着していくかどうかが気になるところだ。

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