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業界人の《ことば》から 第104回

技術革新は技術者が強い意志で10回失敗して初めてできる

好調のシャープが約150の新規技術とサービスを公開

2014年08月05日 09時00分更新

文● 大河原克行

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ドリームテクノロジーとは?

 新規事業推進本部では、毎月、新たな技術が提案され、さらに改良が加え、若い技術者も活躍できる環境が用意されている。

 社内では、これらの技術を「ドリームテクノロジー」と呼んでいるという。

シャープ 代表取締役社長 高橋興三氏

 高橋社長は、「いま出ている成果をみると、5つの領域を超えたものが登場するのではないかと期待している」と語る。

 こうした技術を開発するのが、新規事業推進本部であるのに対して、市場開拓本部の役割は、そうした技術をいち早く製品化し、市場に投入する役割を担う。

 「新たな技術は、既存の商流やビジネスモデルでは広がりがない。市場開拓本部は、新たなバリューチェーン、新たな顧客創出を実現する組織であり、規模拡大の加速、新規商品の早期創出を加速することになる」と、水嶋副社長は語る。

 高橋社長も、「ここで生まれた技術は、そのまま店頭の棚に置いて販売するものではなくい。しっかりと市場開拓をしながら販売していく必要がある。いま、様々なところで商談を開始している。そこでは、技術的な能力を持った人材でないと話ができない場面も多い。相手も技術の知識を持った人であり、時間もかかる。ここを市場開拓本部が担う。きっちりと対応していけば、長期に渡る固定客になる」とする。

 だが、高橋社長は、自らも技術者であったことを背景にひとつの持論を展開する。

 「新たな技術というのは、10個のうち、1個成功すればいいという程度。何度も失敗しまくった結果、初めて成果につながる。イチローは4割を狙えるが、我々はそんなのは不可能。まずは、1割バッターを目指そうという気持ちでがんばっている」

 そして、「新たな技術というのは、100人かければ生まれるというものではない。1~3人の技術者が、強い意志を持って取り組み、それを10個重ねて、ようやくひとつの新たな技術が生まれる。その点では、新たな技術への投資という点では、全社規模でみればそれほど負担になるものではない。しかし、将来を見据えると大変重要なものである」とする。

 新規事業への挑戦はこれから。すでにいくつもの芽が生まれているのは確かである。

 シャープでは、2015年度には新規事業で800億円の事業創出を目指しているが、その一方で、「シャープさんにはこんな技術があるのか、パートナーから驚かれることが多い」(シャープ・水嶋副社長)という状況にもある。社員から活発に技術提案が行われている証だといえよう。

 いまは、数字よりも、社内の志気を高めるという点での効果が出ているといえそうだ。

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